TLC採用で最安値クラスの容量単価に!! 「Crucial BX200」シリーズSSDを試す:大容量SSD時代へ加速(2/4 ページ)
普及価格帯の大容量SSD「BX 200」シリーズを徹底検証。BX100と比較して何が変わったのか。
カタログスペック上では対BX100シリーズと一長一短だが……
まずはBX200の製品およびスペックシートを確認していこう。BX200シリーズには、容量バリエーションとして240/480/960GBの3モデルが用意されている。BXシリーズは、HDDからの換装を検討している方、SSDを初めて使う方に手軽なコストでチャレンジして欲しいという性格の製品だ。
すでに240GBモデルでも1万円を割り込んでおり、コスト面での壁は低い。一方、エントリー向けのBX200シリーズだが、BX100シリーズにあった120GBモデルは見送られている。
スペック比較 | |||||||
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シリーズ名 | BX200 | BX100 | |||||
容量 | 240GB | 480GB | 960GB | 120GB | 250GB | 500GB | 1TB |
シーケンシャルリード | 540MB/sec | 535MB/sec | |||||
シーケンシャルライト | 490MB/sec | 185MB/sec | 370MB/sec | 450MB/sec | |||
ランダムリード | 66000IOPS | 87000IOPS | 90000IOPS | ||||
ランダムライト | 78000IOPS | 43000IOPS | 70000IOPS |
スペックシート上のパフォーマンスを見ると、BX200はユニークだ。240GBモデルから960GBモデルまで、全てシーケンシャルリードでは540MB/秒、同ライトでは490MB/秒と統一されており、ランダムリードのIOPSが6万6000、同ライトのIOPSが7万8000と同一だ。
SSDでは、一般的に小容量モデルほど、特にライト側の性能が落ちるものだが、BX200の場合は240GBモデルでも、960GBモデルと同じパフォーマンスが期待できる。パフォーマンスの高い小容量モデルを検討中の方にはポイントが高いだろう。
BX100シリーズと比較してみると、シーケンシャル側はリード/ライトともにBX200シリーズがBX100シリーズを上回る。一方、ランダム側はリードで見るとBX200シリーズのほうが低く、ライトで見るとBX200シリーズのほうが高い。とはいえシーケンシャル性能で見ればハイエンドモデルにも迫る数値であり、ランダム性能もまずまずと言える。
続いてCrucialのSSDとしては初のTLCチップ採用モデルという点で気になる平均故障間隔(MTTF)を見ておこう。BX200シリーズの平均故障間隔は150万時間であり、これはMLCチップを採用していたBX100シリーズと同様だ。
続いて総書き込みバイト数(TBW)は72TBとされているが、こちらもBX100シリーズと同じ。最後は製品保証。BX200シリーズの製品保証は3年間で、BX100シリーズも3年間だ。つまり、BX200シリーズはBX100シリーズのMLCからTLCへと採用するNANDチップの技術が変わったが、耐久性や寿命、保証に関してはBX100シリーズと同等をうたっている。付け加えておくと、エントリーモデルというくくりで見てもこれらの数値は平均的なものだ。
もちろん、ハイエンドモデルでは平均故障間隔や総書き込みバイト数もより高い。エントリーモデルとハイエンドの用途の違いは、主に4Kランダムでのパフォーマンスと耐久性の2点にある。
例えば、実際の体感速度に影響あるランダム性能でのパフォーマンスを追求する方はハイエンド、あるいは一般の方よりも書き換えの回数が多いと感じているならばハイエンドといった具合だ。
とはいえエントリーモデルであるBX200シリーズの総書き込みバイト数である72TBも、換算すると40GB/日×5年間(保証期間内で換算すれば65GB/日×3年間)なので、一般的に見れば十分に余裕を持った数値と言える。
では実機を分解して内部を確認していこう。今回は480GBモデル「CT480BX200SSD1」と960GBモデル「CT960BX200SSD1」を評価機とした。
まず外装は表がプラ樹脂、裏がこちらは金属製とみられる。BX100の際と同様、カバーの固定にはツメが用いられており、簡単に開けることはできない。
内部の基板は、サイズで見ると、トラディショナルなSSDと同様、2.5インチサイズいっぱいのものだ。NANDチップの枚数は、480GBモデルが表面のみで8枚、960GBモデルは表裏合わせて16枚。チップの刻印は「NW784」で、Micronのサイトで確認すると確かにTLCチップであることが確認できる。
1チップあたりの容量は512Gb(64GB)。つまり480GBモデルでは512GBぶん搭載されており、標準で32GB以上のオーバープロビジョニング領域が確保されていることになる。
続いてコントローラチップはSilicon Motion製の「SM2256G」。BX100シリーズで採用されていたのは同じSilicon Motion製でも「SM2246EN」なので、上位チップを採用しているようだ。これにCrucialのカスタムファームウェアが搭載されるのはCrucialのほかのSSDシリーズと同様である。
最後にキャッシュメモリ。こちらはMicron製で512MBのDDR3-1866メモリ「D9SDD」が、480GBモデルには1チップ(512MB)、960GBモデルには2チップ(1GB)搭載していた。
そのほか、付属品としてデータ移行ユーティリティ「Acronis True Image HD」のアクティベーションキー(ソフトウェア本体はダウンロード形式)、7ミリ→9ミリ厚への変更用のスペーサーが付属する。
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