小学生がiPadで制作した映像をアップルストアで上映:ITと子ども
アップルストア心斎橋で、同志社国際学院初等部の5年生が奈良をテーマにiPadで撮影・制作した映像作品の発表会が開かれた。映画って本当にいいものですねぇ。
映像制作ワークショップで指導するのは、映画監督で「なら国際映画祭実行委員会」理事長の河瀬直美さん。子どもたちは河瀬さんからアドバイスを受けながら、奈良の自然や伝統工芸などを2人1組で撮影。動画編集アプリ「iMovie」を使い、3分間の映像作品を仕上げた。
発表会では12本の作品を上映。子どもたちは工芸職人へインタビューしたり、鹿や公園の自然を視点を変えて撮影したりして、奈良の魅力を映像化した。参加した保護者も、作品のクオリティの高さに感心しながら見入っていた。
河瀬さんは上映が終わるたびに、工夫点や改善点をコメント。「自分が映したいものと、実際に人の目線が見るものは実は違っていることがある」「しゃがんで撮る映像と上から撮る映像は違う。目線の違いを与えて、イメージを増幅させてくれました」など、映画監督ならではの視点でフィードバックした。
驚いたのは、子どもたちがiPadとiMovieを当たり前のように使いこなし、自分たちの思いを明確に表現していたことだ。
iMovieではサンプル曲を取り込めば簡単にBGMをつけることができる。しかし複数の組は、クラスメイトの作曲が得意な男子にオリジナル曲を依頼。「人と鹿がふれあう優しさの中にも、楽しさが入っているような音楽を」など、それぞれが表現したいイメージを伝え、作曲をオーダーしたという。
さらに自作曲をiMovieに取り込み編集する方法について、ある男子生徒は「もともと知っていた」とあっけらかんと返答。デジタルネイティブ世代のスキルの高さを改めて見せられた発表会だった。
河瀬さんは「日本人は昔から、短い文章の中で思い思いの表現をしてきました。奈良の自然の美しさは万葉集でも詠まれています。そんな万葉集の世界を今、子どもたちがiPadを使って表現できているのは奇跡的なこと。オリジナリティと自信を持ち続けて表現の世界に取り組んでほしい」と伝えた。
子どもたちが制作した作品は、9月17日〜27日の「なら国際映画祭」で上映される予定。iPadでは読書や動画視聴などコンテンツを楽しむだけだというユーザーも、子どもたちのように、クリエイティブなツールとしてiPadを活用してみてはいかがだろうか。
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