一度手にすればきっと驚く――約798gで世界最軽量2in1の11.6型「LAVIE Hybrid ZERO」に迫る:LTE対応SIMスロット搭載(5/5 ページ)
NECパーソナルコンピュータの「LAVIE Hybrid ZERO」シリーズは、とことん軽量を追究したノートPCだ。2016年春モデルとしてラインアップに加わった11.6型モデルの実力をチェックしてみよう。
バッテリー駆動時間はもう一歩、放熱性は十分
Webブラウジングとテキスト入力を想定したBBench 1.01におけるバッテリー駆動時間の計測では、満充電から残り5%まで7時間35分動作した(モバイルパワーキーボード使用)。バッテリー駆動時間の公称値(約10.3時間)には及ばなかったものの、長時間駆動が確認できた。
本体(タブレットのみ)では、同様に残り5%までは3時間12分(公称約5.5時間)となった。ハードウェアHWiNFO64によると、本体に内蔵するバッテリーとパワードキーボードに搭載するバッテリーのデザイン容量は1万4820mWhで同一で、どちらもリチウムイオンと表示された。
ちなみにクラムシェルスタイルで利用している場合、充電時には本体バッテリーを優先してチャージ、本体が満充電になったらキーボード側のバッテリーをチャージする設定だ。逆に、バッテリー駆動時にはキーボード側のバッテリーを先に消費して0%になったら、本体側のバッテリーを消費する設定であった。
続いて、動作による発熱をシンワ製放射温度計で簡易測定する。FINAL FANTASY XIV:新生エオルゼアベンチマーク キャラクター編を2回以上動作させ、放射温度計で計測したところ、本体(タブレット部背面)の最高温度は、41.3度を左上付近で記録した。また液晶面での最高温度は45.8度を右上付近で記録した(背面の最高温度場所の裏にあたる)。ちなみにモバイルパワーキーボードの上面は24度(タッチパッド部は23.8度)で安定していた。※室温は22.0度
同時に測定したプロセッサ内部の温度は、Core Maxで最高82度(HWiNFO64の計測値)だった。Core m3 6Y-30のTjunction(プロセッサー・ダイで許容できる最大温度)100度までは十分に余裕がある。
実際には、ベンチマークを連続して稼働させるような利用シーンはないだろうが、過酷な利用状況において本体右上部が熱くなる傾向はあるものの、心配するような発熱は認められなかった。熱伝導の面で金属素材を多用した薄型ボディーは不利と懸念していたが、放熱性は十分対処されている結果が得られた。また、ファンレスタイプなので静音性については簡易測定では騒音を計測できないほど優秀だった。
ベンチマークテストの概要
- バッテリー駆動時間テスト
- BBench 1.01
※電源プラン「バランス」+輝度40%固定+無線LAN接続+Bluetoothオン。BBench 1.01(海人氏・作)にて「60秒間隔でのWeb巡回(10サイト)」と「10秒間隔でのキーストローク」、WebブラウザはInternet Explorer 11を指定し、タブブラウズはオフ。満充電の状態からバッテリー残量が残量5%までの時間を計測
- 発熱テスト
- 放射温度計(シンワ製、レーザーポイント機能付き)でボディー表面温度を実測(室温22.0度)
まとめ
今回レビューした「LAVIE Hybrid ZERO HZ330/DAS」は、軽量化とトレードオフで“割り切り”が必要なところもあるが、全体に使い勝手に優れバランス良い2in1に仕上がっている。NEC PCの個人向けPCでは初となるLTE対応(SIMフリー)であることも見逃せない。
「HZ330/DAS」の店頭想定価格は18万9000円と少々高めの設定のため、誰にでもお勧めはできないが、予算に余裕があるならば候補に入れておきたい製品だ。特にクラムシェルスタイルをメインとして、時々タブレットで利用するようなユーザーには重宝しそうだ。また、量販店で展開しているメーカー保証の拡張・延長保証に入れば、万が一の際にも安心なので忘れずに検討するといいだろう。
LAVIE Hybrid ZEROが目指す最軽量のPCというメッセージは、シンプルで分かりやすい。しかし、軽量化はどこでも持っていけるというユーザーのためのメリットであり、ユーザビリティが伴っていなければ、そもそも利用せず、持ち運ぶこともなくなってしまう。
2016年春モデルのHZ330/DASには、各所に使い勝手を向上させる創意工夫が施されていた。今後も素晴らしいLAVIE Hybrid ZEROシリーズの登場を期待して、まとめとしたい。
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