やっと届いた「Oculus Rift」製品版を開封して分かったこと:未来の体験が家庭へ(1/3 ページ)
出荷遅延が続く「Oculus Rift」ですが、ようやく手元に届きました。US在住という地の利もあり、比較的早めに入手できたので、パッケージの開封からレポートします。
→・次回記事:「Oculus Rift」をセットアップしてVR世界へ旅立ってみた
当初の予定より遅れてやって来た「未来」
こんにちは、ドリキンです。普段は米サンフランシスコでソフトウェアエンジニアとして働いています。
ついに出荷が開始された「Oculus Rift(オキュラス・リフト)」の製品版を入手しました。この記事を読まれている多くの方にとって今さら説明は不要かと思いますが、Oculus Riftとは米Oculus VRが開発したVR(仮想現実)対応HMD(ヘッドマウントディスプレイ)の注目モデルです。
Oculus VRは、ティーンエイジャーのときからVR HMDコレクターだったパルマー・ラッキー氏が立ち上げ、id Softwareのカリスマゲームデベロッパーであるジョン・カーマック氏(同社の現CTO)も賛同。2012年8月に行ったOculus Rift開発・製造のためのクラウドファンディングで支持を集め、2013年に第1世代のアプリ開発者向けキット「Development Kit 1(DK1)」を出荷し、世界中から「これは未来の体験だ!」と注目される存在となりました。
今日に至るVR HMDブームの火付け役となったOculus VRですが、IT業界の巨人たちが放っておくわけもなく、2014年には米Facebookに20億ドルで買収され、現在はFacebookの製品としてOculus VRの開発を継続しています。2014年7月に出荷されたDK1の改良版である第2世代のアプリ開発者向けキット「Development Kit 2(DK2)」を経て、いよいよコンシューマー版(つまり製品版)のOculus Riftが2016年3月末に発売となりました。
近年盛り上がるVRやAR(拡張現実)の市場で、ソニー・インタラクティブエンタテインメントの開発する「PlayStation VR」(2016年10月発売予定)、台湾HTCが2016年4月に出荷を始めた「HTC Vive」と並んで、Oculus RiftはVR HMDの本命として期待されているデバイスです。
このように人気のOculus Riftですが、現状では部品供給不足を理由に出荷数をかなり絞っています。2016年1月の予約注文開始から実際に出荷されるまでにはかなり混乱があり、初期に予約したユーザーにも満足にデバイスが行き届かない状態がいまだに続いています。
そんな中、US在住という地の利もあり、幸いにも比較的早めにOculus Riftを入手できたので、数回にわたり実機をレビューさせていただきます。
今回はその第1弾ということで、まずはお約束の開封レポートです。
外箱と内箱で表情が変わる上質なパッケージ
筆者の場合、予約注文時に2重オーダーになってしまったため、4月出荷と5月出荷の情報が送られてきて混乱したのですが、現地時間の4月25日に無事Oculus Riftが配送されました。
パッケージの外観は、PlayStationやXboxなどゲーム機のパッケージに近い印象です。正面は白地にシンプルなOculus Rift本体の写真、背面は付属しているデバイスが列挙されています。
白い外箱を取ると雰囲気は一変し、黒い内箱が現れます。箱の上部には伸縮性のある手提げひもがあり、表面はマットで肌触りがよいです。
パッケージの質感はよく、中身の完成度にも期待が高まります。
それでは内箱を開けて、中身を確認しましょう。
マグネットで蓋が閉まる内箱を開けて中身をのぞいてみると、いきなり「Oculus Rift本体」と「カメラユニット」が横に並んだ状態で現れます。カメラユニットは往年のMacユーザーなら分かってもらえると思うのですが、昔Appleが自ら開発していたWebカメラ「iSight」を黒くして背を高くしたようなデザインです。
開いた箱の天井部分には「Let's get started.」と書かれた黒い張り紙と「リモートコントローラー」が貼り付けられています。張り紙にはURLが記載されていて、そこからアプリケーションをダウンロードすれば、後はそのアプリケーション内でステップバイステップ方式のインストラクションが開始されてセットアップが進みます。そのため、特にマニュアルなどを読む必要はありません。
次のページではパッケージの内容物を細かく見ていきます。
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