反転攻勢へ!「Ryzen 7」の爆速性能を確かめる:自作PC市場における期待の新星(4/5 ページ)
Intelに対し、Bulldozer以降劣勢だったAMDが反転攻勢をかけるこの瞬間を、ベンチマークとともに確かめてみたい。Core i7-7700Kとの対決では、Ryzen 7勢がCPU性能で圧倒した。
Core i7-7700Kと対決! CPU関連ではRyzenが爆速、ゲームはほぼ互角
それではRyzen 7のパフォーマンスをベンチマークで明らかにしていきたい。ただし、今回用意できた比較対象CPUがIntel Core i7-7700K、グラフィックスカードがRadeon RX 480なので、ここではエンスージアストの一つ下のハイエンドPC環境を想定してテストを進めていこうと思う。
AMD Ryzen側の環境は、評価キットをベースに、必要なパーツを適宜追加した格好、Intel Core i7-7700K環境はそれに準ずる構成とした。
比較対象 | RYZEN 7 1800X | RYZEN 7 1700X | RYZEN 7 1700 | RYZEN 7 1700 | Core i7-7700K |
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メモリ(速度) | DDR4-2666 | DDR4-2666 | DDR4-2666 | DDR4-2400 | DDR4-2400 |
メモリ | Corsair VENGEANCE LPX CMK16GX4M2B3000C15(本来はDDR4-3000 8GBx2) | Crucial Ballistix Sport 32GB Kit BLS4K8G4D240FSA 8GB×2 | |||
マザーボード | GIGABYTE AORUS GA-AX370-GAMING 5(rev. 1.0)(AMD X370) | MSI Z270 KRAIT GAMING(Intel Z270) | |||
チップセット | AMD X370 | Intel Z270 | |||
GPU | Radeon RX480 | ||||
ストレージ | Crucial MX300(Serial ATA 3.0、750GB) | ||||
OS | Windows 10 Pro 64bit | ||||
電源 | SilverStone Strider Platinum SST-ST55F-PT(80PLUS Platinum、550W) |
まずはCINEBENCH R15。これはAMDがプレゼンテーションでも多用したように、「CPU」テストではとくにマルチスレッド性能が素直に現れる。
実際、Multi CPUのスコアは目を見張るものがある。Core i7-7700Kを指標とすると、対抗馬であるRyzen 7 1700も450ポイント近く高いスコアを示しており、同じプラットフォームで選べるという点では、Ryzen 7 1800Xはさらに200ポイントほど上積みできている。一方で、Single CPUのスコアはCore i7-7700Kよりも低いのだが、動作クロックで割ってみると妥当なところであることが分かる。
CPUマルチスレッド性能を見るもう一つのベンチマークとしてx265 HD Benchmarkを見てみよう。これも8コア/16スレッドというスペックがモノを言い、Ryzen 7勢が高いスコアを出している。ソフトウェアエンコーディングのような用途には、最適と言えるだろう。
続いてPCMark 8でアプリケーション性能を見てみよう。全体的に見れば、Ryzen 7とCore i7-7700Kのスコア差は小さめだ。クロックの低いRyzen 7 1700がやや低い値である点と、HomeテストでRyzen 7勢がやや振るわないところが気になる傾向だろうか。なお、Ryzen 7 1700Xがより高クロックであるはずの1800Xよりも高いスコアになる傾向があり、これは結局原因を特定できなかった。
グラフィックパフォーマンスを3DMarkで見てみよう。Fire StrikeのOverallはほとんど変わらない。Graphicsスコアも大きな差はなく、ただしCPUが絡むPhysicsスコアはRyzen 7勢が高い。全体的に見ると、Ryzen 7勢のスコアはややバタついている。ある程度はベンチマーク誤差と思われるが、Ryzen 7 1800Xがほかのテストも含め対1700Xで差が出せなかったことと、そうした不調が少なかった1700XもCombinedでスコアを落としているように、安定感が感じられない。
Time SpyのOverallではRyzen 7勢がCore i7-7700Kを上回った。Graphicsスコアもほぼ同等かそれ以上で、CPUスコアは圧倒するといった印象だ。先のFire Strikeと比べ、さらにCPU負荷の高いテストとなるためだろう。
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