ZENコアとVEGAコアを統合したモバイル向けAPU
AMDが「AMD Ryzen Mobile Processors with Radeon Vega Graphics」(以下、Ryzen Mobile)を発表。「Ryzen 7 2700U」と「Ryzen 5 2500U」の2モデルが明らかにされた。先行して行われた記者向け説明会では、Comsumer Sales APJのDirectorであるPeter Chambers氏と、Client Product Management WWのDirectorであるDavid McAfee氏がその特徴を解説した。Ryzen Mobileのポイントを紹介していこう。
Ryzen Mobileは、ZENコアがベースのCPUと、VEGAコアがベースのGPUを統合したAPUだ。Ryzen 7 2700U、Ryzen 5 2500UのCPU部分はともに4コア8スレッドで、動作クロックとGPUコアのCU数が異なる。
動作クロックはRyzen 7 2700Uが定格2.2GHz、ブースト時3.8GHz、Ryzen 5 2500Uが定格2GHz、ブースト3.6GHz。L2/L3キャッシュはともに6MB。GPUはそれぞれ異なり、Ryzen 7 2700Uが10CU(最大1.3GHz)、Ryzen 5 2500Uが8CU(最大1.1GHz)のコアを搭載する。メモリはともにデュアルチャネルのDDR4メモリを採用。TDPは公称15Wとされている。
AMDでは、Ryzen Mobileの開発に際し、第7世代APUに対してCPU性能で50%アップ、GPU性能で40%アップ、消費電力で50%削減を目標に掲げていたとのことだが、実際にはCPU性能は200%アップ、GPU性能は128%アップ、消費電力は58%削減を実現できたという。
ベンチマークスコアもいくつか提示されているが、CINEBENCH R15を用いたものでは、1スレッド時でCore i7-7500Uに迫り、マルチスレッドでは2コア4スレッドのCore i7-7500Uはもちろん4コア8スレッドのCore i7-8550Uをも上回るとのこと。
グラフィックス性能では、3DMarkのTime Spyのスコアが915とされ、Intelの統合GPUや従来のAPUを大幅に上回る。実際のゲーム性能では、ディスクリートGPUには敵わないものの、中〜低という画質設定、1280×720ピクセルや1920×1080ピクセルではLeague of LegendsやOverwatchといったタイトルが60fps前後でプレイ可能とされる。
バッテリー性能はAMD FX-9800Pとの比較だったが、VP9プレイバックでは4.5時間が9.2時間へ、1080p H.264プレイバックでは10.6時間が12.2時間へ、Mobile Mark 14では10.7時間が13.5時間へと、延長された。
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