スマートスピーカーの聞き取り性能を徹底比較(傾向と対策まとめ):山口真弘のスマートスピーカー暮らし(2/2 ページ)
スマートスピーカーやその関連デバイスについて、試行錯誤を繰り返しつつ、機能をバリバリ使えるようになる(予定)までの過程を、時系列でお届けする本連載。今回はこれまでにお届けしたスマートスピーカー9製品の聞き取り性能テストの結果を踏まえて、シリーズごとの傾向と課題について考察する。
LINE「Clova」シリーズ──全体的な底上げが急務
LINEの「Clova」は、「WAVE」の後に「Friends」、そして「Friends Mini」と、新製品が発売される度にボディーが小型化している。これは純粋にラインアップの拡充を意図したものだろうが、今回のテスト結果を見ても、最初に発売されたWAVEと、後に発売されたFriendsおよびFriends Miniの性能の違いは明らかで、WAVEから改善が図られていることが見て取れる。
全般的な傾向としては、音量「中」における反応がよくないことだ。大きい声は聞き取りやすく、小さい声は聞き取りにくいのはある意味当たり前で、その中間ゾーンの声をどれだけきちんと聞き取れるかは、スマートスピーカーを設計する上で腕の見せどころといえる。その音量「中」のゾーンの聞き取り性能において、Clovaシリーズは他社と比較して後れを取っているのが、今の状況だ。
また、テレビの音声での誤反応が多いのも気になる。音量「中」のゾーンの聞き取り性能の向上に加えて、誤反応の抑制(これはハードウェアではなくAIの範ちゅうだろう)と、今後に向けての課題は多い。
なお、Clovaは現在新規セットアップを行うと、ウェイクワードを「Clova」から「ねぇClova」に変更することを勧められるため、今回のテストはこの「ねぇClova」で行っている。「ねぇClova」は従来の「Clova」に比べて反応は明らかに改善されているが、ウェイクワードに続く音声コマンドが認識されないケースが非常に多い。
つまり今回のClovaシリーズの評価は、音声コマンドもセットできちんと認識されているEchoシリーズなどと比べて、多少なりともゲタを履いた状態になっている。音声コマンドの相性にまで踏み込むと収拾がつかなくなるため、今回は評価対象外としたが、実際にはEchoおよびGoogle Homeシリーズとの差は、今回のテストの結果以上に大きいということになる。
- スマートスピーカー9製品の聞き取り性能を徹底比較
【第1回】コンパクトモデル編
【第2回】スタンダードモデル編
【第3回】大型・画面付きモデル編
【最終回】メーカーごとの「傾向と対策」 ※本記事
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