インテルが第9世代Coreなど新CPUを解説 国内PCメーカーの未発表製品も展示
インテルが国内メディア向けに開催したTechnology Showcaseで、先日発表された第9世代CoreやCore Xなど新CPUを披露した。
インテルが国内メディア向けに第9世代CoreプロセッサおよびCore X、Xeon W-3175Xプロセッサを披露した。これらの製品は、北米では10月8日の現地「Fall Desktop Launch Event」で発表されたものだ。
新CPUの概要説明に立ったインテル執行役員 マーケティング本部長の山本専氏は、PCのトレンドと市場動向を解説し、成長分野としてゲーミングPCと映像コンテンツの増加といったニーズに支えられ、(倍率)アンロック対応モデルを中心に売り上げが成長していると紹介した。
第9世代Coreとして今回発表されているのは、Core i9-9900K、Core 7-9700K、Core i5-9600Kで、いずれも型番末尾に「K」が付くアンロックモデルである。最上位のCore i9-9900Kは8コア・16スレッドと、従来の6コア・12スレッドからさらにコアを増強しており、合わせて量産品のCPUとして初めて5GHzに達したことをアピールした。
製品説明を行った同社執行役員常務 技術本部 本部長の土岐英秋氏も、この2点が本製品をゲーマー向けとしてアピールする根拠に挙げている。5GHzを実現するために従来製品から変更されたのが、「STIM」の採用だ。
STIMは、CPUのダイと、それをカバーするヒートスプレッドの間を埋める素材としてはんだを利用していることを意味する。もともと、Sandy BridgeまでのCPUでははんだが採用されていたが、Ivy Bridge以降は製造がより容易な、いわゆるグリスが用いられてきた。はんだはグリスよりも熱抵抗がより低く、伝導性に優れていると説明。これにより高クロックでの動作が実現できたとする。
第9世代Coreの機能も説明。まず製造プロセスは14nm++と紹介した。14nmプロセス自体は、Broadwell、Skylakeから数値上同じであるが、同社がハイパースケーリングと呼ぶトランジスタのサイズを縮小するなど改善を重ね、インテルとしては第2世代分の進化を経た14nmプロセスとされる。また、L3キャッシュはコア数(+HTT対応可否)によってスケーリングするため、Core i9-9900Kで16MBとなった。これに合わせてAVX 2にも対応している。
また、第9世代Core向けにIntel Z390チップセットも発表、その概要が説明された。第9世代Coreは、既に販売中のIntel 300シリーズチップセットでもサポートされている。
Intel Z390のメリットとしては、従来のIntel Z370の機能に加え、USB 3.1 Gen2にチップセットとして対応した点と、ギガビット級無線LAN機能のIEEE 802.11ac(Wave 2対応)をチップセットに統合している点だ。こうしたI/O回りの強化を加え、CPUの性能を存分に引き出すチップセットとしてIntel Z390をアピールしている。
もう1つの目玉が28コア・56スレッドに対応するXeon W-3175Xだ。こちらはプロクリエイター向け製品で、ワークステーション用途が期待される。さらにXeonだがアンロック対応と、特殊な立ち位置。L3キャッシュが38.5MB、PCI Expressレーン数は最大68、メモリはDDR4-2666の6チャンネル、ECCやRASに対応するといったスペックも紹介された。
プロシューマーや一般クリエイター向けがCore Xシリーズである。今回の新製品は8〜16コアまで7モデルがラインアップされている。こちらのCore XもSTIMを採用しており、Turbo Boost Max Technology 3.0では最大4.5GHzに達する。
また、Core Xとあるように、7製品全てアンロック対応で、PCI Expressレーン数が最大68という点も製品のポイントになるだろう。TDPはいずれも165W。拡張命令セットでは、AVX-512をサポートしている。
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