Microsoftからのクリスマスプレゼントは欧州に舞い降りる?:鈴木淳也の「Windowsフロントライン」(2/2 ページ)
日本ではまだ展開していないMicrosoftの公式ストア「Microsoft Store」だが、米国外ではどのような状況になっているのだろうか。さまざまな情報をまとめてみた。
Microsoftが「Alexa対応デバイス」を売る日
先日、長らく予告されていた「Amazon Alexa」と「Cortana」の連携機能の実際を紹介したが、使ってみて分かるのは連携の深度が浅く、「いまPCを触る余裕がないが、どうしてもCortana内の情報を居間から引き出さないといけない」といった限定条件がつかない限り、あえて両者を連携させて利用するメリットが少ないということだった。
その後も関連ニュースは続き、Windows 10 PC上でAlexaを利用できる「Alexaアプリ」がMicrosoft Storeで11月上旬に配布開始されたり、MicrosoftでCortana事業を率いていたハビエル・ソルテロ(Javier Soltero)氏が同社を去ったりと、Cortanaを巡る状況は決して芳しいとは言えない。
Microsoft自身も、独立部門のAI&Researchに属していたCortana部隊をWindowsなど製品開発チーム側に移籍してテコ入れが見られるものの、Alexa+Echoを自身のオンラインコマース事業の中核に育てるべく戦略を進めるAmazon.comや、同事業で猛追してデバイスの台数ベースではすでに追い越しているGoogleなどに比べれば、その力の入れ具合が物足りない。
一方でAlexa関連へのリソース投入は続いており、例えば11月19日にはAlexaを通じてSkype呼び出しが可能になったことをMicrosoftの公式Blogが報じている。
Echo ShowやEcho Spotなどのディスプレイ付きデバイスにも対応するため、すでに死語となりつつある「テレビ電話」が簡単に実現できるわけだ。PCやタブレットではなく、比較的安価で扱いも楽なこれらのデバイスを、離れた場所にいる年老いた両親などの家に設置してあげるという使い方もいいだろう。
こうした中、飛び込んできたのが、Microsoftストアで「Echoデバイスを販売する」という話だ。The Vergeのトム・ウォーレン(Tom Warren)氏が紹介しているが、第2世代Echoや最新のEcho DotがMicrosoft Storeのオンラインとリアル店舗の両方で販売されていることを、リーク情報で知られるWalkingCatのTwitterアカウントが報告している。
ただ、残念なことに現在ここで紹介されているアドレスにアクセスしても商品ページにはたどり着けず、検索しても商品は一覧に表示されない。リアル店舗での販売状況も確認できないため検証する術がないが、展示から半年を経ずにすでに壁のオブジェ化しつつあった「Invoke」のその後も含め、このあたりは後日レポートするつもりだ。
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