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モバイルPCトップシェアの「Let's note」が放つ次の一手(1/2 ページ)

5月28日、パナソニックのノートPC「Let's note」シリーズがラインアップを一新した。製品発表会では同シリーズの軽量、長時間、頑丈といったアドバンテージをさらに生かす施策が説明された。

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 5月28日にノートPC「Let's note」シリーズの新製品を投入したパナソニックが、東京都内で発表会を開いた。今回登場した新製品では、いずれも従来モデルからCPUを最新の“Whisky Lake”世代に変更(LV8シリーズ)したり、「EURO DRESS MODEL」と呼ぶシルバー&ブラックモデルを用意したり(SV8シリーズ)と、仕様やカラーリングなどを変えたモデルをそろえている。

Let's note
シルバーとブラックのツートンカラーで「ユーザーの個性をさりげなく演出する」という限定カラーの「EURO DRESS MODEL」

 同社が投入した新製品の中でも、PCのハードウェアスペック以上に訴求したのが「きもちスキャン」と名付けたサービスだ。本サービスは、新モデルSV8とLV8シリーズにおいて、PC搭載のWebカメラでユーザーの顔を撮影し、その“顔色の変化”から心と体の元気度をチェックすると説明している。

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働き方改革支援サービスとしてパナソニックが提供している「しごとコンパス」のオプションとして「きもちスキャン」が登場する

 同社では、2017年から「働き方改革支援サービス」を立ち上げ、PCの操作ログを見える化するサービス「しごとコンパス」を提供しており、約1万3000台の端末で稼働しているという。そのオプションサービスとなるきもちスキャンも、この一環として開発が進められてきた。

 働き方改革支援サービスにおいて、「体調に合わせて、働き方をセルフコントロールするための機能という位置付けになる」と同社 コネクティッドソリューションズ社 モバイルソリューションズ事業部 開発センターの栂尾幸一郎所長が、きもちスキャンのコンセプトと仕組みを解説した。

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パナソニック コネクティッドソリューションズ社 モバイルソリューションズ事業部 開発センターの栂尾幸一郎所長
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「きもちスキャン」ではユーザーの「元気度」を推定して帰宅や休暇を促す

 気持ちスキャンでは、PCに内蔵されたWebカメラでユーザーの顔を撮影し、その画像から「こころと身体の元気度」を見える化したという。ユーザーの顔画像から“元気度”に問題ありとシステムが判断した場合、早めの帰宅や産業医の診察、休暇の取得などを提案する。ただし、ストレスレベルや健康管理の「参考」としてのみ利用するもので、医療行為などには利用できないとしている。また、照明の明るさ(顔付近の照度が400ルクス以上推奨)や個人差によっては利用できない場合もある。

 ユーザーの顔画像から元気度を求めるのが、同社が開発した「非接触バイタルセンシング技術」だ。この技術は、血管の容量変化から脈拍レベルをリアルタイムで推定できる。人の体は血流が少ないと光の反射が大きくなり、血流が多いと光の反射が少なくなる傾向がある。この光の反射は肌の色として検出できる。そのため、PCに搭載したWeb会議用のカメラでユーザーの顔を撮影した画像を解析し、顔色の変化をデジタルデータとして取得し、照明などによるノイズを独自に開発した画像ノイズ除去技術によって取り除くことで、脈拍レベルが明らかになる。

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顔色から血流容量を求め、血流容量の変化から脈拍レベルを推定する
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測定には2〜5分程度かかる

 こうして判明した脈拍レベルから、ユーザーの“こころと心身の元気度”を知るために、きもちスキャンでは、日本疲労学会理事の小泉淳一氏などが提唱するアルゴリズムを導入した。新製品発表会に登壇した小泉氏は、日本疲労学会における疲労の定義とアルゴリズムについて解説した。

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日本疲労学会理事で工学博士の小泉淳一氏
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