モバイルPCトップシェアの「Let's note」が放つ次の一手(2/2 ページ)
5月28日、パナソニックのノートPC「Let's note」シリーズがラインアップを一新した。製品発表会では同シリーズの軽量、長時間、頑丈といったアドバンテージをさらに生かす施策が説明された。
ハードとソフトの最適化で実現
日本疲労学会では、「疲労」を定量的に把握できるように「休養の願望を伴う身体の活動能力の減退状態」「作業能率や作業効率が当家的優位に低下した状態」と定義している。小泉氏は、疲労の原因となるストレスを受けると、身体は免疫系、内分泌系、自律神経系を調整し、対応しようとするが、疲労がたまると調整(=過剰な対応または対応)しきれなくなると説明する。
疲労した人は、自律神経の活動が低下し、自律神経の活動低下は自律神経がつかさどる心拍数の変動となって表れる。それゆえに心拍数の変化が少なくなると疲労していることが分かる、というのがきもちスキャンでこころと心身の元気度が見える化できる理由と小泉氏は述べる。小泉氏が全サンプル数96人、11部門(1部門のサンプルは10人前後)の組織で実施した実験によると、同じ部門に所属するサンプルの測定結果ごとに、自律神経活動低下の傾向が同じだったことを確認できたという。
この心拍レベルから疲労を測定するサービスは接触センサーによるシステムでは既に導入例があるが、非接触センサーによる民生製品への導入は、小泉氏が知る限り初めてのケースになる。
なお、きもちスキャンの導入においては、搭載するカメラのレンズ特性に合わせた画像解析ソフトウェアの最適化が必要で、新製品のSV8とLV8および前モデルのSV7とLV7でのみのサポートになる。ただし、最適化はソフトウェアだけで済むため、導入するモデルの拡大は可能だという。
また、きもちスキャンは、既に同社がLet's noteシリーズに導入している働き方改革支援サービスの1つでユーザーのPC利用をリアルタイムで監視して記録するしごとコンパスのオプションとしての提供になる。そのため、しごとコンパスを導入していない場合、SV8とLV8などでも利用できない。
トップシェアだからこその進化
最後にLet's noteの2018年における実績として、同社 コネクティッドソリューションズ社 モバイルソリューションズ事業部 商品企画部 係長の小林俊夫氏は、「15年連続モバイルノートシェア第1位」(モバイルノートとは13型未満ディスプレイ搭載ノートPCとコンバーチブルスタイルPCを指す)を取り上げ、その理由として「軽量、長時間、頑丈、高速、操作性、拡張性といったユーザーのニーズに応えて進化しているから」と述べている。
しかし近年、競合するノートPCベンダーからはLet's noteより軽く、長時間のバッテリー駆動が可能で、落下試験や耐衝撃試験、対加圧荷重などもLet's noteに相当するモバイルノートPCが、より安い価格で登場するようになった。この状況において、同シリーズはどのようなアドバンテージを訴求するのだろうか。
この疑問に対して、小林氏は「ユーザーからは、実際に使うとやはりLet's noteが一番使いやすいという意見もいただく。今後もそのことをLet's noteの強みとしていく」と答えている。
同様に、価格面でも「Let's noteのユーザーはPCの性能が仕事の成果となる人が多い。そのような人は価格が多少高くてもLet's noteを選択する」と述べ、今後もこれまでと同じ価格帯を維持し、その価値が理解できるユーザーに向けてLet's noteを訴求していくという考えを示した。
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