検索
連載

「ラインアップで最も高額なモデル」が意外に売れるワケ牧ノブユキの「ワークアラウンド」(2/2 ページ)

PCのBTOモデルの中には、「これって一体誰が買うんだろう?」と疑問に思うようなハイエンドなモデルが設定されていることがある。実際にはこうしたモデルもきちんと売れているわけだが、一体どのような人が、どのような状況下で購入しているのだろうか。

Share
Tweet
LINE
Hatena
前のページへ |       

ハイエンドモデルを選ぶ際、手を出すべきでないオプションとは

 ここまで見てきたように、高額なモデルというのは、予算に糸目をつけない「人」もしくは「状況」次第で買われていく。コスパ重視で買われる場合と異なり、それが相場よりも高いか安いかはチェックされないことがほとんどなので、メーカー側は何とか単価を上げようと、余計なオプションを追加しようとする。

 仮に自分がハイエンドモデルをチョイスする当事者になった場合、基本的に選ぶべきではないのが、BTOメニューにオプションとして掲載されている、他メーカーの周辺機器やアクセサリーだ。これらの中には、モバイルノートなのに有線接続のプリンターが選択肢にあったりと、明らかに対象製品の特性を考慮していない品が含まれていることも少なくない。

 これはとにかく客単価を上げる目的で、動作確認が取れていなかったり、色やデザインのマッチングが全く考慮されていなかったりの製品まで、やみくもにリストに追加していった結果だ。また動作自体は問題なくても、市場価格はほとんど考慮していないため、単品で買うのに比べて、割高なこともしばしばだ。

 ではサードパーティー製ではなく純正ならどうかというと、こちらであれば大丈夫だ。なぜなら本体メーカーが提供する純正の選択肢は、そのメーカー自身がサポートを行わなくてはいけないため、動作確認もきちんと取られているからだ。もちろんデザインのマッチングも考慮されている。

 今回はPCを例に見てきたが、これらは現実的にはどの業界でも「客単価の向上」という名目で行われており、車や住宅、また保険商品などでも、こうしたケースは少なくない。

 普段から「価格が高い=価値がある」と見なして青天井の予算で大盤振る舞いを繰り返している人ならば(最後まで気付くことがないので)気にする必要はないが、1回限りで予算無視の買い方をする場合、後から我に返ったときのことも考慮し、上記のような客単価アップの作戦に引っ掛からないよう、細心の注意を図るべきだろう。

 なお余談だが、メーカーでこうした製品ラインアップの選定に関わっている人の多くは、知識のないジャンルの製品をプライベートで購入することになった場合、まずローエンドとハイエンドのモデルを機械的に切り捨て、中間のラインアップの中から候補を選ぶ。自らの経験上、このやり方が最も効率的だと知っているからだ。ラインアップを決める側であるメーカーの視点を生かしたTipsとして、参考になることだろう。

前のページへ |       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

ページトップに戻る