8コア16スレッドで競合製品を抜き去る! Zen 2に移行した第3世代「Ryzen Mobile」の実力
AMDが「Zen 2」アーキテクチャを適用した第3世代Ryzen Mobileを発表した。その実力はいかほどのものなのか。同社のリサ・スーCEOが「CES 2020」の基調講演で語った。
AMDは1月6日(米国太平洋時間)、新型APU(GPUを統合したCPU)「AMD Ryzen 4000 Series Mobile Processors with Radeon Graphics」(以下「第3世代Ryzen Mobile」)を発表した。搭載製品の提供開始は、2020年の第1四半期(1〜3月)を予定している。
同日行われた「CES 2020」の基調講演において、同社のリサ・スーCEOがその実力を語った。
「Zen 2」アーキテクチャを適用したモバイルAPU
第3世代Ryzen Mobileは、7nmプロセスで製造される「Zen 2」アーキテクチャーを採用。CPU部分は最大で8コア16スレッドとなる。GPU部分はRadeonを搭載する。
このシリーズでは、薄型ノートPC向けの「U」プロセッサ、ゲーミング/クリエイター向けノートPC向けの「H」プロセッサ、そしてプロフェッショナル向けの「PRO」シリーズの3種類を展開するという。
Intelの最新プロセッサよりも高パフォーマンス
スーCEOの基調講演では、Uシリーズの最上位に当たる「Ryzen 7 4800U」(1.8G〜4.2GHz、8コア16スレッド)に焦点が当てられ、競合製品となるIntelの「Core i7-1065G7」(1.3G〜3.9GHz、4コア8スレッド)とのパフォーマンス比較が披露された。
最新CPU同士の比較ではあるが、Ryzen 7 4800Uはシングルスレッドで最大4%、マルチスレッドで最大90%、グラフィックスでは最大28%上回る結果に、スーCEOは胸を張る。
一方、Hシリーズの「Ryzen 7 4800H」(2.9G〜4.2GHz、8コア16スレッド)は、競合製品である「Core i7-9750H」(2.6G〜4.5GHz、6コア12スレッド)に対し、シングルスレッドで最大5%、マルチスレッドで最大46%上回るパフォーマンスを発揮するという。
どちらの比較もコア数とスレッド数の異なるプロセッサで比較していることに注意しなくてはならないが、競合製品よりも細かいプロセスで性能の良いプロセッサを作れることをアピールした格好だ。
第3世代Ryzen Mobile搭載PCも続々登場
基調講演では、第3世代Ryzen Mobileを搭載する製品として、Ryzen 7 4800Uを搭載する「Lenovo Yoga Slim 7」が披露された。AMDによると、2020年内に第3世代Ryzen Mobileを搭載するノートPCがこのモデルを含め100超発売される見通しであるという。
事実上Intelの独壇場になっている薄型ノートPCの世界において、第3世代Ryzen Mobileが存在感を発揮できるか注目したい。
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