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バッテリー内蔵の15.6型のサブディスプレイ「Xtendtouch XT1610F」はモバイラーの救世主となるかモバイルディスプレイの道(2/4 ページ)

PEPPER JOBSの「Xtendtouch XT1610F」は、タッチ操作に対応しペンが付属、USB Type-CとHDMI端子を備えるのに加え、大容量のバッテリーを内蔵した文字通り全部入りの15.6型モバイルディスプレイだ。その使い勝手をチェックした。

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1万800mAhの大容量バッテリーを搭載、電源供給なしで駆動

 モバイルディスプレイとしては珍しい内蔵バッテリーは、1万800mAhとかなりの大容量だ。また18WのUSB PDアダプターが付属しており、急速充電にも対応する。さらに充電はQuick Chargeにも対応するようだ。4基ものスピーカーを内蔵しているのも、この手の製品としては珍しい。

Xtendtouch XT1610F
両側面の上部にはスピーカーを備える。左右ともに2基ずつ、計4基も搭載されているのは珍しい

 実際に使ってみて苦労したのが、設定画面の表示だ。設定画面は、右側面にある明るさ調整ボタンの長押しで表示し、音量調整ボタンで項目を選択する仕組みなのだが、表示時間が異常に短く、項目を見ながら押すか否か迷っていると、すぐに表示が消えてしまう。

 探した限りではこの表示時間は変更できないようで、それゆえ設定画面にどんな項目があるのか、確認するだけで一苦労だ。メニューは全て日本語化されており、ボタンの反応速度も悪くないのだが、使い勝手はいまひとつだ。特に階層深くまで行かないと、バッテリー残量を確認できないのがきつい。

Xtendtouch XT1610F
設定は、画面上にUIを表示してボタン操作で選択するという、ディスプレイとしては一般的な仕様なのだが、表示秒数が短すぎて使いづらい
Xtendtouch XT1610F
バッテリー残量は画面左上に表示されるが常時ではなく、減りをウォッチするには向かない。また残量自体かなりアバウトで、抜き差ししただけで10%近く値が回復することもざらだった

USB Type-C接続はかなり特殊な挙動

 では実際に接続してみよう。本製品はUSB Type-CのDisplayPort Alternate Modeに対応しており、ノートPCとケーブル1本で接続して映像信号の伝送が行える。また音声信号も伝送できるので、PCとUSBケーブルでつなぐだけで、本製品のスピーカーから音声を再生可能だ。

Xtendtouch XT1610F
USB Type-Cポートは左右両側にあるが、PCとの接続には左側を利用する
Xtendtouch XT1610F
ノートPCと接続した状態。後述するがPCからの給電ではなく、バッテリーで駆動している。ちなみにデフォルトの色合いはかなり黄色が強い
Xtendtouch XT1610F
背面に向き合わせてプレゼン用途などでの利用も可能だ
Xtendtouch XT1610F
ポートの配置がPCと干渉しやすいのは気になるところだ。PCの左側に置くのも1つの手だろう

 ところが今回、何度か試しているうちに、レノボ・ジャパンのThinkPad X1 Carbon 2019年モデル(以下、ThinkPad)ではうまく認識できないケースがあることが分かった。以前からUSB Type-Cを使ったサブディスプレイのレビューで使用していたモデルで、かつ同じ個体だが、このような症状は初めてだ。

 具体的には「No Signal」という表示が出て、ThinkPadを認識できなかったり、接続できてもThinkPad側で「間違ったACアダプターが挿さりました」という警告メッセージが表示されたりする。ただし、これはThinkPadがバッテリーで駆動している場合に限定され、ThinkPadにACアダプターを接続しておけば、これらの症状は発生しない。

Xtendtouch XT1610F
「間違ったACアダプターが挿さりました」という警告メッセージが表示される。ディスプレイではなく、電源あるいはバッテリーが接続されたとPCが誤認しているようだ
Xtendtouch XT1610F
ノートPCにACアダプターを接続していれば、警告メッセージも出ずに安定して駆動する

 これはおそらく、本製品の特殊な仕様が関係していると思われる。実は本製品がPCとの接続に使用するUSB Type-Cポートは、3W以下という弱い電力を常に出力する仕様になっている。付属のクイックガイドによると、PC→本製品への給電を行わせない意図だそうだ。

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