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モバイルできるディスプレイとキーボードでメインPCに!? 「GPD P2 Max」使い込んでみたむしろ荷物は増えた予感(2/3 ページ)

筆者が自腹購入した「GPD P2 Max」のCore mモデルが故障。それを聞いたPC USER編集部が「GPD P2 Max」のCeleronモデルをレビューする機会を与えてくれた。がっつりと使ってみるのである。

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モバイルディスプレイで表示領域を拡大!

 GPD P2 MaxのUSB Type-Cポートは、DisplayPort Alternate Modeに対応している。つまり、映像出力も可能だ。ケーブル1本あれば、モバイルディスプレイとの接続が楽にできるかもしれない。

 「かもしれない」というのは、ディスプレイの仕様によっては1本では接続できない場合があるからだ。特にディスプレイの消費電力はシビアで、GPD P2 Maxの電源供給能力では足りない場合は、別途電源を用意する必要がある。

 ともあれ、1本で接続できるモバイルディスプレイを用意できれば、作業の効率は間違いなく向上する。

ケーブル1本で接続
モバイルディスプレイによっては、GPD P2 Maxとケーブル1本でつなげられる。見た目もスッキリする
欠かせないモバイルディスプレイ
調べ物をしながら作業するのにモバイルディスプレイは欠かせない
コーヒーカップと並べる
HHKB HYBRID Type-Sと組み合わせると、コーヒーカップを落とさないか不安になる配置になることも多い。カフェではUniversal Mobile Keyboardを使うと良さそうだ

USB PD対応のモバイルバッテリーの対応状況は?

 GPD P2 Maxの内蔵バッテリーは、容量にして約9200mAhある。公称ベースでは最大8時間の稼働が可能とのことだが、実際の作業環境では公称通りに稼働することはまずない。モバイルディスプレイに電力を供給していれば、さらに稼働時間は短くなる。

 試しにモバイルディスプレイをつないで2時間ほど電源をつながず作業した所、残りの推定稼働時間が「1時間3分」、残量が「34%」と表示された。確認すると、モバイルディスプレイを接続した時とそうでない時で、それぞれ電力消費を計算しているようで、少なくとも3時間は使えそうな雰囲気だ。

 とはいえ、これでは外出時の作業を考えると心もとない。

残り34%
モバイルディスプレイを接続して2時間ほどバッテリーで使ってみた所、バッテリーの残りが34%と表示された

 そこで、モバイルバッテリーの登場だ。

 普段使っているLAVIE Pro Mobileでは、出力が18W以上のUSB Power Delivery(USB PD)対応バッテリーやACアダプターを使って本体を充電できる。

 充電器やバッテリーで充電できたが、GPD P2 Maxではどうだろうか。幸い、筆者はモバイルバッテリーだけは大好きで、あちこちのメーカーのものを購入しているし、最近ではレビュー用にメーカーから提供を受けることもある。もちろん、PCに充電(もしくは給電)できるように、USB PD対応のバッテリーも複数そろえている。

 そこで、手持ちのモバイルバッテリーの幾つかを使って、GPD P2 Maxを充電(給電)できるかどうか検証してみた。使ったバッテリーは以下の通りで、カッコ内はバッテリーの容量と、USB PD対応機器を利用した際の最大出力電流の値だ。

  • AlsterPlus 156W USB-C PD Powerbank + HUB(2万7000mAh、100W)
  • ANKER PowerCore 13400 Nintendo Switch Edition(1万3400mAh、22.5W)
  • ANKER PowerCore Slim 10000 PD(1万mAh、18W)
  • Cheero Power Plus 5 Stick 5000mAh(5000mAh、18W)
  • Cheero Power Plus 5(1万5000mAh、45W)
  • Cheero Power Plus 5 Premium(2万mAh、60W/18W)
  • J-Force 世界超速 (26800mAh、60W)

AlsterPlus 156W USB-C PD Powerbank + HUB

 最大100W出力のUSB Type-Cポートを2つ備えているが、どちらのポートでも充電できた。「18W」と表示されているUSB Type-Aポートも2つ備えているが、そちらでも充電は可能だ。

 ちなみに、この製品はUSB 2.0ハブとしての機能も備えている。USB Type-Aポートが足りない時にも役立つだろう。

AlsterPlus 156W USB-C PD Powerbank + HUB
GPD P2 Maxと接続。バッチリ充電できている

ANKER PowerCore 13400 Nintendo Switch Edition

 USB Type-Cポートからしっかり充電できることを確認した。

 ちなみに、このバッテリーは名前の通り、任天堂公認の「Nintendo Switch」対応品でもある。

ANKER PowerCore 13400 Nintendo Switch Edition
GPD P2 Maxと接続。バッチリ充電できている

ANKER PowerCore Slim 10000 PD

 最大18W出力のUSB Type-Cポートを1つ備えているが、残念ながらGPD P2 Maxを充電できなかった

 薄くて軽いので、「これで充電できればいいなぁ」と期待していたのだが……。

ANKER PowerCore Slim 10000 PD
GPD P2 Maxと接続するも充電できず……

Cheero Power Plus 5 Stick 5000mAh

 最大18W出力のUSB Type-Cポートを1つ備えている。GPD P2 Maxと接続後、15秒ほどは電源として認識されたが、その後認識されなくなった。

 このバッテリーには「デジタル残容量インジケーター」が付いているが、認識されなくなった時はこれが「188」と表示されていた。エラー発生時の表記だと思われる。

Cheero Power Plus 5 Stick 5000mAh
GPD P2 Maxと接続後、わずかな間は写真の通り給電できたが、15秒ほど経過すると電源として認識しなくなった……

Cheero Power Plus 5 15000mAh

 最大45W出力のUSB Type-Cポートを1つ備えている。Power Plus 5 Stick 5000mAhとは異なり、こちらはGPD P2 Maxに安定して電力を供給できた。

Cheero Power Plus 5 15000mAh
GPD P2 Maxと接続。バッチリ充電できている

Cheero Power Plus 5 Premium 20000mAh

 最大60W出力のUSB Type-Cポートと、最大18W出力のUSB Type-Cポートを1つずつ備えている。60Wポートでは、当然のように安定して給電できる。

 一方、18Wポートでも試してみたが、認識したりしなかったりと不安定。ただし、Cheero Power Plus 5 Stickのように、電力供給が完全にストップするということはなかった。

Cheero Power Plus 5 Premium 20000mAh
60Wポートは安定して電源を供給できるが、18Wポートは不安定だった

J-Force 世界超速

 最大60W出力のUSB Type-Cポートを備えている。こちらも、しっかり安定して電力を供給できた。

J-Force 世界超速
GPD P2 Maxと接続。バッチリ充電できている

 まとめてみると、ANKER PowerCore Slim 10000 PDだけがウンともスンともいわなかったことを除けば、最大18W出力でも“一応”は給電できていた。ただ、不安定であることは否めないので、できるだけ18W超の電力を供給できるUSB PD電源を用意することをお勧めしたい。

 今回試したバッテリーの中では、個人的にCheero Power Plus 5 15000mAhがピカイチだ。安定的に給電できるし、サイズ的にもちょうどよいと感じた。

 出力が60Wや100Wなモバイルバッテリーは、GPD P2 Maxにはオーバースペックだし、そもそも単体で公称で8時間は使えるとなれば、1日中外出しているとしても、2万mAhや2万7000mAhなんていう容量のモバイルバッテリーは必要ないと思う。

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