モバイルできるディスプレイとキーボードでメインPCに!? 「GPD P2 Max」使い込んでみた:むしろ荷物は増えた予感(1/3 ページ)
筆者が自腹購入した「GPD P2 Max」のCore mモデルが故障。それを聞いたPC USER編集部が「GPD P2 Max」のCeleronモデルをレビューする機会を与えてくれた。がっつりと使ってみるのである。
「たまには小さいバッグを使いたい!」「だけど、万が一のためにPCは持ち歩きたい」という2つの願いを同時にかなえてくれるはずだった「GPD Pocket2 Max」(以下「GPD P2 Max」)。Core m3を搭載する上位モデルを購入したものの、電源回りに不具合が生じたため、里帰りすることになった。
遠い目をしていた筆者に、PC USER編集部から救いの手(?)が差し伸べられて、Celeronを搭載する下位モデルをレビューすることになった――ここまでが、前回までのあらすじだ。
Amazonにおける下位モデルの販売価格は税込みで6万7490円。上位モデルと約2万円の差だ。
下位モデルでも仕事に使えるのか、そして拡張性はどうなのだろうか。実際に仕事をこなしながら検証した。
- 超小型PC特集
【第1回】「GPD Pocket 2」開封レビュー! 初代Pocketとの比較も
【第2回】超小型PC「GPD MicroPC」評価機開封レビュー!
【第3回】OneMix2Sシリーズ予約販売開始
【第4回】OneMixのこだわりを社長に聞く
【第5回】次期モデルOneMix3をチェック
【第6回】さくらピンクエディションフォトレビュー
【第7回】8型の超小型2in1 PC「MiniBook」がクラウドファンディング開始
【第8回】CHUWIの8型超小型PC「MiniBook」を試す
【第9回】PC界の“ワークマン”GPD MicroPCの「立って使う幸せ」を考察
【第10回】新島でヨットに暮らして超小型PCでテレワークをした話
【第11回】PC界の“ワークマン”GPD MicroPCの「シリアルポート」を活用する
【第12回】GPD Pocket 2のキーボードを“ねちっこく”使ってみた
【第13回】超小型PCのOneMix2Sを“ねちっこく”触ってみた
【第14回】第10世代Core搭載の超小型PC「OneMix3 Pro」が国内販売開始
【第15回】第10世代Coreの超小型PC「OneMix3 Pro」をねちっこく触ってみた
【第16回】思わず衝動買いした「GPD P2 Max」の出会いと別れ
【第17回】「CPUは同じだけどMaxとはこれいかに」なGPD P2 Maxを検証する
【第18回】モバイルディスプレイやモバイルキーボードでメインPCに! 「GPD P2 Max」使い込んでみた ※本記事
上位モデルと下位モデルの違いは?
GPD P2 Maxの上位モデルと下位モデルは何が違うのか。
まずボディーカラーが違う。上位モデルがブラックなのに対し、下位モデルはシルバーだ。ちょっとGPD P2 Maxについて詳しい人なら、カラーを見ただけでスペックがある程度分かってしまう。
当然、ボディーカラーとCPU以外にも違いはある。上位モデルと比較すると、下位モデルはメインメモリとSSDの容量は半分となっているのだ。
一方で、タッチ対応の8.9型WQXGA(2560×1600ピクセル)ディスプレイ、サイズ、本体重量といった他の仕様は、上位モデルも下位モデルで共通だ。
下位モデルを業務で使うに当たり、CPUの貧弱さはもちろんだが、メインメモリが8GBと半減されていることが心配だ。動作のカクつきや処理の遅延は起こらないだろうか。
もっとも、メインマシンとして使っている「LAVIE Pro Mobile」も、メインメモリが8GBなのだが。
キーボードはやはり「外付け」が吉?
GPD P2 Maxのキーボードがかなり変則的であることは前回もお伝えした通りで、他誌のレビューでも散々に言われている。もちろん「慣れれば問題はない」という人もいるが、筆者はかな入力派ということもあり、使いこなせる気がしない。
そこで、どうしても単体で使わなければいけないシーンに限り、IME(日本語入力ソフトウェア)をローマ字入力に切り替えて、それ以外では外付けキーボードを使ってかな入力をすることにした。
幸い、自宅にはiPad用に購入したモバイル外付けキーボードが数種類あり、幾つかはWindowsにも対応している。もちろん、Windows対応キーボードであればどれでも入力に使えるが、超小型PCたるGPD P2 Maxと組み合わせた際の使用感を紹介したい。
MOBO Keyboard
日本語配列で83キーを備える折りたたみ式のパンタグラフ式Bluetoothキーボード。約19mmのキーピッチを基本的に保ちつつ(右下あたりの一部に小さめサイズあり)、折りたたみ時のサイズは約166(幅)×120(奥行き)×15(厚さ)mmで、広げると自動的に電源が入る仕組みとなっている。
充電式で、2台までのマルチペアリングができる。Micro USBケーブルでも接続できるので、バッテリーが切れてしまった場合でも何とかなるのも強みだ。
コンパクトさや軽さが魅力的な1枚である。 ただし、折りたたみ式であるため、膝の上など段差のある場所で使うと、多少ガタガタする。使うとしたら、あくまでも平らな作業場所に限られるだろう。
Microsoft Universal Mobile Keyboard
Windows、iOS、Androidに対応する、スリムなモバイルBluetoothキーボード。スタンドの役割を果たすカバーを開けると、自動的にスリープから復帰するようになっている。長時間使わない場合は、本体側面の電源ボタンを押して、電源を完全に落とすことをお勧めする。
こちらも充電式で、最大3台の端末とペアリングできる。接続先の切り替えは、Fnキーと文字キーの組み合わせで行う。
膝の上でも入力しやすいのだが、独立したファンクションキーを備えない。それどころか、ファンクションキーに相当するコンビネーションキーもない。そのため、筆者のようなかな入力派には困ったこともある。「ぬよめぬふめあぬ」と入力した後で、F10キー(半角英数変換)を押し、「19/12/31」と入力することができないのだ。
ただし、スペースキーの左右に「英数」「ひらがな/カタカナ」キーがあるため、Mac(macOS)のように楽に入力文字の切り替えができるので、影響は軽微かもしれない。
カバーを兼ねるスタンドが優秀な所もポイントだ。GPD P2 Maxのキーボード部分を差し込んで使っても、倒れる気配がない。差し込んだ状態でキーボードを持ち上げたり下ろしたりしても、びくともせず安定する。
見た目が不安定かつ「変態」チックなので、これで運用するかと聞かれると微妙だが、狭いテーブルが多いカフェでは“有効”なのかもしれない。
HHKB HYBRID Type-S
深いキーストロークと、タイピングの楽しさを味わえる高級キーボード。Bluetoothで最大4台の機器と接続できる上、「HYBRID」という名の通り、USB Type-Cケーブルで接続して使うことも可能だ。
電源は単三形の乾電池なので、電池切れを起こした場合でも、コンビニエンスストアなどで調達できる。
入力するのには最高のキーボードなのだが、いかんせんバッグの中でスペースを取る。テーブルの上でも同様だ。
それぞれのモバイルキーボードをGPD P2 Maxと合わせた際の重量は、以下の通りとなる。一般的なモバイルノートPC程度の重さに一応収まってはいる。
- MOBO Keyboard:946g
- Microsoft Universal Mobile Keyboard:1045g
- HHKB HYBRID Type-S:1271g
メール連絡などの軽い入力作業がある場合はMOBO Keyboardを、取材とその後の執筆作業がある場合はUniversal Mobile Keyboardを、バイクなどで移動できる場合や宿泊を伴う出張のときにはHHKB HYBRID Type-Sを、という具合に、シーンごとに使い分けるのが最適そうだ。
「UMPCの意味がないのでは?」というツッコミが入りそうだが……。
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