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超小型PC「GPD P2 Max」とシウマイ弁当は共存できるかをやってみたキーボードを“ねちっこく”検証(2/2 ページ)

フルモデルチェンジにより、大型化したShenzhen GPD Technology超小型PC「GPD P2 Max」。従来モデルの「GPD Pocket2」との違い、特にキーボード回りを細かくチェックした。

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サイズアップと重量増は持ち歩き利用にどう影響?

 GPD P2 Maxは、8.9型で2560×1600ピクセル表示の液晶ディスプレイを搭載した。ほぼ9型で、あと4センチ大きければ10.4型ディスプレイとほぼ同じサイズになる。7型ディスプレイを備えたGPD Pocket 2の本体サイズは約181(幅)×113(奥行き)×8〜14(厚さ)mmで、重量が約510gであったのに対し、GPD P2 Maxは約206(幅)×149.5(奥行き)×5.5〜14.2mm、重量が約650gとそれぞれ増えている。

 たしかに、フットプリントはノートPCで最も小型の部類になる10.4型や、最近モバイルノートPCで主流になりつつある12.1型前後のディスプレイを搭載したモデルと比べたら依然として省スペースといえる。

 フットプリントが省スペースというのは、“街使いPC”の使い勝手という意味では意外と重要な要素だ。その点、GPD P2 Maxは、街カフェの小さなテーブルでコーヒーカップと同居できるだけでなく、新幹線のテーブルで新横浜駅から乗り込む乗客にとって必須アイテムといえる「崎陽軒のシウマイ弁当」とも共存可能なのを今回の検証作業では確認している。新幹線ウォーカーにとって、駅弁とPCが共存できるか否かは、作業効率向上において非常に重要ポイントといえる。

GPD P2 Max
新幹線のテーブルでシウマイ弁当と共存できた。これは画期的なことである

 一方で、本体の重さは約600g台後半まで増えてしまった。超小型PCの分野で競合するOne-Netbook Technologyもディスプレイを8型級にサイズアップしたモデル「OneMix3」「OneMix3 Pro」でも、本体の重量が600gを超えている。GPD Pocket2 Maxが突出して重いというわけではないが、ポケットに入れて持ち歩くのはちょっと無理がある。

 検証作業中、寒い日が続いたこともあってかなり厚手のダウンジャケットを羽織って外出する機会が多く、「これだけ厚手ならばGPD P2 Maxでも耐えられるかな」と思い、ポケットに入れて持ち歩いてみた。しかし、サイズ的にはダウンジャケットのポケットにすっぽり入ったものの、さすがに重く、GPD P2 Maxを入れた側に崩れていってシルエットが崩れるだけでなく、ダウンジャケットを脱いだり着たりする動作も面倒に感じるほどだった。

 結局、カバンに入れて持ち歩くのが妥当ということになった。そうなると、あと100g重くして10型以上のディスプレイを搭載したクラムシェル型のモバイルPCが存在する。「持ち歩きを楽にするために超小型PCを選ぶ」という需要にとってGPD P2 Maxは微妙な製品となるかもしれない。

 なお、持ち歩き利用で重要になるバッテリー駆動時間をBBench 1.0.1を用いて測定した。ディスプレイ輝度は10段階の下から6レベル目に設定し、電源プランはパフォーマンス寄りのバランスとしている。

 測定結果は、上位のCore m3-8100Y搭載モデルで4時間52分40秒、下位のCeleron 3965Y搭載モデルで5時間24分30秒となった。どちらにしても終日“無補給”で全力使用するには足りない。

 本体右側面にあるUSB Type-Cは充電用としても使用できるので、手持ちのモバイルバッテリーで充電は可能だ。ただし、その場合モバイルバッテリーがUSB Power Delivery出力(少なくとも5V 3A給電)に対応している必要がある。

 ボディーの“大型化”がトレンドの超小型ノートPCだが、各社はゲーミングモデルの投入を相次いで発表している。2020年の新モデルはどうなるのか、動向が気になるところだ。

GPD P2 Max
本体にはUSB PD準拠のUSB充電アダプタとケーブルが付属する。GPD P2 Max本体に記載してある給電仕様には「5V 3A」とあった
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