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フルモデルチェンジしたAmazonの格安タブレット「Fire HD 8 Plus」は買いか?山口真弘のスマートスピーカー暮らし(4/4 ページ)

スマートスピーカーやその関連デバイスについて、試行錯誤を繰り返しつつ、機能をバリバリ使えるようになる(予定)までの過程を、時系列でお届けする本連載。今回は、生まれ変わったAmazonの格安タブレット「Fire HD 8 Plus」をチェックした。

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専用のスマートディスプレイと比べた場合の性能は?

 最後になったが、本製品がスマートディスプレイとしてきちんと使い物になるのであれば、わざわざ専用品のEcho Showシリーズを買わなくとも、本製品で代用できるのではないかと思う人もいるに違いない。

 特に先日発売された「Echo Show 8」は8型という画面サイズも本製品とバッティングする。1280×800ピクセルという、タブレットとしてはやや低めの解像度も、スマートディスプレイとして使うぶんには気にならない。また価格差(Echo Show 8は1万4980円)もそれほどない。

 しかし実際に使い比べると、Echo Show 8であれば聞き取れる音声コマンドが、本製品では反応しないことも少なくない。特に小声や、正面以外からの呼びかけにはあまり強くなくて反応する距離も短く、なるべく大きな声で呼びかける必要がある。スマートスピーカーとして利用する機会が多ければ、やはりEcho Showシリーズを買い求めた方がよいだろう。

Fire HD 8 Plus
本製品とスマートディスプレイ「Echo Show 8」(右)を並べたところ。画面サイズはいずれも8型ということで、ボディーサイズも酷似している
Fire HD 8 Plus
左右に並べたところ。Showモードをオンにした状態では画面表示もほぼ同一だ

 一方でスピーカーについては、本体後部から音が出るためこもって聞こえがちなEcho Show 8よりも、ワイヤレス充電スタンドに乗せた状態で真上に音が出る本製品の方が圧倒的にクリアで聞きやすい。特に動画鑑賞などでは、本製品の方が圧倒的に有利で、両者を所有しているのであれば、本製品の守備範囲ということになるだろう。

 ちなみにEcho Show 8は、それ自体がかなり奥行きを取る製品なのだが、本製品をワイヤレス充電スタンドに載せると、これよりもさらに奥行きを必要とするのが困りものだ。このあたりの無頓着さは同社の製品では以前からちらほら見られ、スタンドの角度が変更できない問題と併せて、もうひと工夫ほしかったところだ。

Fire HD 8 Plus
上方から見たところ。上部のスピーカーから音が出るので、Echo Show 8ほど音がこもらないのは利点だ
Fire HD 8 Plus
見かけに反し、本製品の方が奥行きを取ってしまうのが困りものだ。ちなみに、Echo Show 8の奥行きは約99.1mmだが、電源ケーブルの関係でさらに設置スペースが必要になる

 以上のように、使い込んでいくとスマートディスプレイ専用機との性能差は皆無ではないが、一通りの機能を使える入門機としての性能は何ら遜色ない。特にスマートディスプレイ専用機を使ったことがないユーザーにとっては、これが標準となるわけで、やや大きな声で呼びかける必要があることを除けば、不便に感じることはないはずだ。

 また今回の「Fire HD 8 Plus」は、従来モデルに比べるとパフォーマンスも大きく改善されており、ベンチマークを取ると、従来モデルとのスコア差は1.7〜2.5倍にも達する(Plusではない標準モデルの方がなぜかスコアが高く出るのは不思議だ)。タブレットとしての総合性能は、これまでにないほど向上している。

 そうした意味で、タブレット主体で使うユーザーには文句なくお勧めで、中でも従来モデルからの買い替えには最適だ。スマートディスプレイとしてある程度使うことが見込まれるユーザーは、前述のワイヤレス充電スタンドも、併せて購入するのを忘れないようにしたい。

Fire HD 8 Plus
antutuによるベンチマーク結果。左からFire HD 8 Plus、Fire HD 8(第10世代)、Fire HD 8(第8世代)。なぜかメモリ容量が少ないFire HD 8の方がPlusよりもスコアが高く表示される
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