定番スマートリモコンの最新モデル「Nature Remo 3」は買いか? 進化点をチェックした:山口真弘のスマートスピーカー暮らし(3/3 ページ)
スマートスピーカーやその関連デバイスについて、試行錯誤を繰り返しつつ、機能をバリバリ使えるようになる(予定)までの過程を、時系列でお届けする本連載。今回は、定番スマートリモコンの最新モデルを試した。
データ転送機能で買い替え時も安心
さらにもう1つ、本製品では、従来モデルのユーザーが安心して乗り換えられる機能が搭載された。それは、登録済みの家電製品やオートメーションのデータを新モデルに転送できる機能だ。
一般的に、こういったスマートリモコンは、スマホの買い換えなどでアプリを再インストールすると、登録済みのデータを再び登録し直さなくてはならない。スマートスピーカーとの連携まで設定している場合にはかなりの手間で、買い替え時のネックになっていた。これが理由で複雑な連携設定を敬遠していた人もいるはずだ。
しかし本製品は、従来モデルから簡単にデータを転送できる機能を搭載することで、既にNature Remoシリーズを所有しているユーザーであれば、家電製品およびオートメーションを再登録する手間を掛けずに、今回の新モデルへの移行が可能だ(ちなみにこの機能は従来モデルでも利用可能になっている)。
本製品はもともと設定の多くがクラウド上に保存されており、仮にスマホが破損/紛失しても、別のスマホにNature Remoアプリを入れてログインすると同じ設定が使える利点があるが、新たに転送機能が加わったことで、よりデータの消失を気にせず、使えるようになったというわけだ。このあたりの機能は、多くて困ることはないのでありがたい。
各Remoに登録されているアクションを確認し、転送を実行する(左)。終わったら正常にデータが転送されているか実際に操作してチェックしよう(右)。ちなみに複数のRemoがある場合、1つに集約することはできない
価格は高いが機能は豊富、安心して使える信頼性が魅力
以前から、機能の豊富さと安定性に定評があるNature Remoだが、さらなるブラッシュアップが図られ、隙がない製品になった印象だ。個人的には、メーカーサイトでは改善ポイントとしてあまり大きく触れられていないセットアップ方法の簡略化や、フック掛けの穴の追加といった細かい点もかなり好印象だ。
本製品の購入をためらう要因があるとすれば、税込み9980円という価格だろうが、他社製品と違って多数のセンサーを内蔵していることから、横並びで比べること自体があまり適切ではない。今回のモデルでは、さらにBLE対応や転送機能が追加されているのだから、ベースの価格がやや高くとも、機能や性能に対する割高感は感じない。
スマートホームを構築するにあたり、デバイスの完成度の低さや機能の少なさに足を引っ張られてやりたいことが実現できないのは、何としても避けたいところだ。そういった意味で、Nature Remoなら何とかなる、これで無理なら他社製品でもまず無理、という信頼性の高さは、他の製品にはないものだ。
従来モデルを所有しているユーザーが買い替える必要性は「人感センサーの反応があるとき」というトリガーをすぐ使いたいか否かで決まるだろうが、長期的には買い替えの方向で検討した方がよいだろう。スマートリモコンの良し悪しが判断できないビギナーから、他社製品で痛い目に遭ったことのある人まで、幅広くお勧めできる製品だ。
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