価格、パフォーマンス、消費電力の“三方良し” 「GeForce RTX 3070」徹底レビュー(1/4 ページ)
10月29日22時に発売される「GeForce RTX 3070」は、GeForce RTX 30シリーズのエントリー製品である。メーカーのNVIDIAは前世代のハイエンド「GeForce RTX 2080 Ti」とほぼ同じか、それを超える性能を発揮するというが本当なのだろうか。ベンチマークテストを通してチェックしてみよう。
NVIDIAの新アーキテクチャ「Ampere(アンペア)」を採用したGPU「GeForce RTX 30」シリーズが人気を博している。9月17日に発売されたハイエンドの「GeForce RTX 3080」、9月24日に発売されたフラグシップ「GeForce RTX 3090」のいずれも、初動の売れ行きは良好に推移しているようだ。
ただ、実売価格的な意味で、10月29日に発売される「GeForce RTX 3070」の発売を心待ちにしている人も少なくないだろう。RTX 3070はGeForce RTX 30シリーズのエントリーモデルに位置付けられ、日本におけるグラフィックスカードの想定販売価格は7万9980円(税別)となっている。
今回、NVIDIA純正のリファレンスカード「GeForce RTX 3070 Founders Edition」(日本未発売)をレビューする機会を得た。ベンチマークテストを通して、その実力をチェックしていく。
「GeForce RTX 2080 Ti」以上かほぼ同等の“末っ子”
GeForce RTX 3070は、GeForce RTX 3080/3090と同様にAmpereアーキテクチャで製造される。Samsung Electronics(サムスン電子)の8nmプロセスで製造されることも同様だが、先行するRTX 3080/3090とは異なり、GPUコアは「GA104」、グラフィックスメモリは「GDDR6」規格となる。現行の下位モデルという位置づけだ。
前世代の「Turing」アーキテクチャと比べると、Ampere世代の製品群はCUDAコア(シェーダープロセッサの数が大きく増加した。RTX 3070もその例に漏れず、5888基ものCUDAコアを内蔵している。計算上、「GeForce RTX 2080 Ti」よりも25%以上増えたことになる。
一方で、グラフィックスメモリは「GeForce RTX 2080 SUPER」や「GeForce RTX 2080」と同じ規格、容量となる。消費電力はRTX 2080 Tiより30Wほど低い250Wとなっている。
先行したRTX 3080やRTX 3090が「性能も電力もモリモリ」というインパクトの大きな製品であるのに対して、RTX 3070は「切り詰めるべきところを切り詰めて、よりスマートでバランス感のあるGPU」を目指したようにも思える。
GPU-ZでGeForce RTX 3070 Founders Editionの仕様を確認。GPUコアが「GA104」である点、グラフィックスメモリがSamsung製のGDDR6規格のものであることなどが読み取れる
とはいえ、NVIDIAはRTX 3070のパフォーマンスは「RTX 2080 Ti以上、あるいはほぼ同等」であるとうたっている。バランス感を追求しつつも、性能には自信があるということだ。
米国内の想定販売価格が499ドル(約5万2000円)であること、現時点におけるRTX 2080 Tiの国内価格が最低でも14万円台からである点を考慮に入れれば、ややオーバースペック気味な上位GPU以上に、市場での人気を獲得する可能性は高い。
肝心の性能については、この後のベンチマークテストでひもといていく。
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