M1搭載MacBook Airは、最低スペックでもIntel版MacBook Proを寄せ付けない性能だった(1/4 ページ)
ついにApple M1チップを搭載したMacBook Airがベールを脱いだ。林信行氏を驚かせた性能は、どのようなものだったのだろうか?
Apple自社開発のプロセッサ(Apple Silicon)、「M1」を搭載したMacがついに出荷開始となる。Appleはまず、MacBook Air、13インチMacBook Pro、そしてMac miniという価格性能比重視の3製品にM1を搭載してきた。
今回、そのうちM1搭載Macとしては最も低スペックとなる7コアGPU版M1プロセッサ搭載のMacBook Airを試す機会を得た。その性能はおよそ最低スペックとは思えない堂々たるものだった。これでも最低スペックという事実に、Apple Siliconのとてつもない伸び代を感じた。性能検証と合わせてM1搭載Macが、これまでのMacとどのように違うかも合わせてレポートしたい(なお、記事中の写真は全てiPhone 12 Pro Maxで撮影している)。
見た目は従来モデルとそっくりだけれど、キーボードに変化
M1搭載の最新MacBook Airと、この春に登場したIntel製プロセッサ搭載MacBook Airは、外観とボディーサイズが全く一緒だ。ほとんどの人は両モデルを見分けられないだろう。だが、1つ方法がある。キーボード最上段のファンクションキーのF4〜F6に描かれたアイコンが違うのだ。
新型ではF4キーにスポットライト検索、F5キーに音声文字入力、そしてF6キーに「おやすみ」モード(全ての通知を一時的にオフにする)が割り当てられている。旧型ではLaunchPadやキーボードバックライトの明暗調整が割り当てられていた。新型MacBook AirではLaunchPadはドックから起動、キーボードバックライトの明暗調整はコントロールセンター(メニューバーの右端)から行う必要がある。
M1搭載MacBook Airでは、F4キーにスポットライト検索(これまではLaunchPad)、F5キーに音声入力(これまではキーボードバックライトを弱める)、F6キーに「おやすみモード」(これまではキーボードバックライトを強める)が配置されている
外観の違いは以上だが、内部ではMac史上最大の変化が起きている。Apple自社開発プロセッサの搭載だ。
これによって、MacBook Airという製品のコンセプトすらも変わってしまった。これまでMacBook Airといえば、MacBook Proに“遠慮”して少し遅いプロセッサを搭載するのが常だった。しかし、実際にどの程度の性能差があるのか不明瞭なコンマ数GHz違いのバリエーションが多いIntel製プロセッサと違い、M1プロセッサのスピードは、今のAppleにできるベストな性能の1種類のみだ。これはIntelのような、マイクロプロセッサ製造を主とするメーカーにはなかなかできないプロセッサの作り方だ。
おかげでApple Silicon時代は、「わずかゼロコンマ数GHzの速さの違いに数万円を出すべきか否か」といった長年の悩みから解放され、最近のiPhone同様、全ての製品にその時点で最高のプロセッサが搭載されていると、安心してMac選びができそうだ。
ただ今回、実験的な差別化なのか、M1搭載の3シリーズ6モデルの中で、ただ1つMacBook Airにだけ、あえてスペックダウンしたプロセッサバリエーションが用意されている。
他のモデルのM1は、全てCPUが8コアでGPUも8コアだが、このバリエーションはGPUが7コアと1つ少なくなっている。最も低価格なMacBook Airに搭載されるもので、このモデルではメモリも8GBと他のモデルの半分になっている。
こんな低スペックモデルで、果たしてM1の魅力を検証して伝えられるのだろうかと不安になったが、実際に試してみると、あまりにもすごい性能に最低スペックでこれなら、上のモデルはどんななのだろう、と逆に驚かされた。
続いて、M1搭載Macで動作するアプリについて見ていこう。
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