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「強いIntel」復活なるか 新CEOの2兆円投資がPCユーザーにもたらすもの本田雅一のクロスオーバーデジタル(3/3 ページ)

Intelのパット・ゲルシンガー新CEOが発表した新しい戦略は「強いIntel」の復活を予感させるかのような内容だった。2兆円を投じた新工場建設をはじめ、新しいIntelの戦略はPCユーザーに何をもたらすのだろうか。

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PCユーザーにとってのIntelはどう変化する?

 新工場が稼働するのは2024年のことだが、遅れていた7nmプロセスの量産立ち上げも見通せるようになった。2023年に投入される予定の第12世代となるだろうIntel Coreの「Meteor Lake」(開発コード名)が7nmプロセスで生産されるという。

IDM
Intelは新工場の稼働に先駆け、「Meteor Lake」(開発コード名)と呼ばれる7nmプロセス採用のクライアント向け次世代プロセッサを2023年に投入する計画だ

 今後、Intelプロセッサの性能向上、消費電力あたりのパフォーマンスは予定通りに上がっていくことが期待できるが、より柔軟な製品が登場することも期待できる。

 というのも、ファウンドリー事業の立ち上げとともに、ゲルシンガー氏はIntel Coreの他社ライセンスも行うとアナウンスしたからだ。

IDM
Intelのファウンドリー事業では、顧客にIntelが所有するx86アーキテクチャなどのIP(知的財産)もライセンスする

 例えばMicrosoftが「Surface」に搭載するx86プロセッサを、周辺インタフェースなどと合わせて設計し、Intelに生産委託するといった(現在はArmコアで行っているような)独自SoCの開発が可能になる。GPUを別途設計、あるいは調達して独自SoCとパッケージに封入といったことも、やろうと思えば可能になるはずだ。

 もちろん、これはブレードサーバなどにも応用できるため、クラウドを提供しているGoogleなどの企業は自社のクラウドアーキテクチャに最適化したサーバ向けSoC、あるいはエッジコンピューティングなどを設計できるようになる。

 PCトレンドを作り出す源泉となっているIntelだけに、彼ら自身の製品が改善されていくことも期待したいところだが、こうした他社設計のSoCが登場することで、採用製品の多様化が進むことも同時に期待したいところだ。

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