超小型PC×モバイルディスプレイ2枚=出先でトリプルディスプレイ! 自宅と同じ作業環境を構築して分かったこと:周囲の目をはねのけろ!(2/2 ページ)
デュアルディスプレイやトリプルディスプレイは、仕事の効率を高めてくれる。しかし、外に持ち出すのは難しいと思っている人も多いのではないだろうか。そのような場合に、ぜひ検討して欲しい組み合わせがある。
試して分かった! トリプルディスプレイは電力的に厳しい
作業を開始して1時間が経過した。GPD Pocket 3の内蔵バッテリー容量がみるみる減っていくのが分かる。
作業領域が拡大し、3倍仕事が速くなったような気がしていたが、トリプルディスプレイになったおかげで、バッテリー消費も3倍速くなったようだ。もっとも、作業開始時に「残り5時間20分」となっていたのが、1時間経過したところで「残り29分」と表示されているのだから、3倍どころではない。
トリプルディスプレイ環境は、作業効率が上がる反面、電源のない場所ではシビアなタイムリミットと隣合わせだということを改めて感じた。
本体のバッテリーが尽きたら自宅に引き上げようと思っていたが、あまりに作業時間が短かったため、45WのUSB Power Delivery出力対応のモバイルバッテリーを投入した。45Wとはいえ、2つの外付けディスプレイに電力を供給している関係で、GPD Pocket 3内蔵のバッテリー残量はなかなか増えない
どこでも仕事環境を構築するには?
検証して分かったことがある。ビデオ再生なら平均8.5時間持続する1万mAhという大容量バッテリー搭載のGPD Pocket 3であっても、トリプルディスプレイ環境では1時間程度しか作業時間を確保できないということだ。もう少し作業時間を延長するためには、モバイルバッテリーは必須になる。
今回、作業を終わらせるために持参したのは「cheero Power Plus 5 15000mAh」だ。コンパクトなサイズながら、1万5000mAhの容量を備え、残量をデジタルインジケーターで表示するので、あとどれだけ作業を続けられるかを把握しやすい。丸一日の作業を予定していない、作業場所にAC電源があるか分からない場合に重宝する。
モバイルディスプレイは、消費電力が少ないものを選びたい。バックライトを下げるのはもちろん、ディスプレイサイズを欲張らない、解像度を欲張らない、という2つの「欲張らない」が求められる。Sculptorは、公式にはどこにも記載がないが、4K解像度のため、消費電力が大きい。
15.6型で4K解像度のUNIQ Prometheus Monitor(左)と15.6型でフルHD解像度のUNIQ Prometheus Monitor(右)の消費電力は、それぞれ16Wと10Wと差がある
世の中にはバッテリー内蔵型のモバイルディスプレイもある。お財布と相談しつつ、そのようなタイプのものを選ぶというのもありだろう。もちろん、多少、重量は増えるが、大容量モバイルバッテリーをプラスで持ち歩くよりは軽量化を図れるはずだ。
軽量化ついでに言えば、キーボードなどの入力装置も軽いものを選びたい。ただし、軽さだけを重視してアイテム選びをしてしまうと、入力感がおろそかになってしまいがちだ。それでは作業効率が落ちてしまい、元も子もない。スリムで軽量、かつ入力しやすいキーボードを探そう。家電量販店に行けば、実機またはモックでキーの入力感を試せるので、選びやすいだろう。
ECサイトで購入するのであれば、製品ページのレビューや、もう少し踏み込んで、レビューブログを探したい。PC USERでもレビュー記事をいくつも掲載しているので、ぜひとも製品選びの参考にしてみてほしい。
「軽量化についてとやかく言うのであれば、外付けキーボードのいらない普通のノートPCを使えば?」と言われそうだが、軽くてスペックの高いノートPCは値段も高い。先日まで持ち歩いていたMacBook Pro 13(2020)は約1.4kgだが、GPD Pocket 3とFMV Mobile Keyboardの組み合わせならコストは3分の2ほどで済み、重量は約1056gまで減る
なお、筆者がモバイルで愛用しているのは、今回の原稿執筆に使ったFMV Mobile Keyboardだ。サイズは約302.6(幅)×約161.8(奥行き)×約10.9(厚さ)mm、重量は約350gとスリムかつ軽量で、入力感が良く、タッチパッドを備えているため、マウスを荷物に追加する必要がないところがお気に入りだ。また、2枚のモバイルディスプレイの隙間にちょうど収まるところもいい。
ここまで書いたところで、モバイルバッテリーの残量が10%を切り、給電がストップした。GPD Pocket 3のバッテリー容量も22%、残り時間は28分と表示されているが、実際は7分ほどだろう。
トリプルディスプレイ環境を電源の取れない外に持ち出せば、3倍……とまではいかずとも、緊張感を持ってスピーディーに仕事できるということが、今回の検証で判明した形だ。
ようやく行動制限が緩和され、働く場所が日々異なるハイブリッドワーク環境下で新たなPC回りの模索を始めている人もいるだろう。今回のようなややトリッキーな手段ではあるが、省スペースで快適な性能と入力環境を両立させる方法もある。歩けばそのぶん運動不足解消にもつながり、一石二鳥にも三鳥にもなるので、筆者としてはぜひ普及してほしかったりするのだが、いかがだろうか。
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