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「ストリートファイターV」は、今やモバイルPCのCPU内蔵GPUでプレイできるようになってしまったゲームプレイと実況配信ライブにも挑戦(3/5 ページ)

格闘ゲームの世界大会「EVO Japan 2023」にも採用されたゲームタイトル「ストリートファイターV」。これを最新のモバイルPCで快適に楽しむことはできるのか、またプレイしながらの実況配信もできるのかを試してみた。

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最適なセッティングへのアプローチ

 そのアプローチは2つ考えられる。

 1つはスト5のグラフィックス設定をカスタマイズする手法だ。ここはプレイヤーごとの「どの表現を重んじるか」によって最良のチューニングが変わってくるし、意外と「低」設定にしてもフレームレートが向上しないこともある。

ROG Flow X13(2022)
スト5のグラフィックス設定の「品質」オプション

 数ある設定項目がある中で、一番手っ取り早くフレームレート向上に効くのは「スケーリング解像度設定」を下げることだ。たとえ、その他の「品質」要素設定が「最高」のままでも、「スケーリング解像度設定」の引き下げはフレームレート向上にダイレクトに効く。

 この設定値の意味だが、最上位設定の100は、GPUが描画する解像度を「画面(表示)解像度にぴったり合わせる」という、いうなれば「描画実解像度=100%」を意味する。つまり、ここの設定値を下げれば下げるほど、描画するピクセルが間引かれることを意味するのだ。間引かれたピクセルは算術補間されるので、設定値を小さくするほどゲーム映像がピンボケ気味になっていく。

 ということで、スト5ベンチを設定値を変えて何度も実行してみたところ、60fpsを維持できる設定の上限を探ってみたところ「79」と導出された。つまり、間引き率21%だ。

ROG Flow X13(2022)
「スケーリング解像度設定」を79設定とすると、その他の「品質」要素設定が「最高」のままでも60fpsに貼り付くようになる

 フレームレートを上げる2つ目のアプローチは、AMDが提供するGPUサポートソフト「AMD Software:Adrenalin Edition」(以下、Adrenalin) を用いたGPU動作のチューニングだ。

 ちょっと上級者向けのイメージがあるかもしれないが、Adrenalinを使えば手順はそれほど難しくはない。

 最初に試したいのは「メモリオプティマイザー」だ。

 これは、CPU内蔵GPUのRadeon特有の設定で、GPU用のグラフィックスメモリに割り当てるメモリ容量を調整する設定に相当する。

 デフォルトでは「生産性」となっており、こちらはCPU側に割り当てるメインメモリ容量を優先し、GPUには1GBしか割り当てない設定となる。

 GV301RAでは最大2GBまでを割り当てることができるようになっており、これを実践するには、ここの設定を「ゲーム」にする必要があるのだ。

ROG Flow X13(2022)
GPUに割り当てるメモリ容量を設定できる「メモリオプティマイザー」設定

 ゲームにもよるが、大容量の高解像テクスチャを取り扱っていたり、あるいは影生成や各種エフェクト処理などで、GPUに多数のレンダリング用バッファを確保させるようなゲームでは、GPUに割り当てるメモリ容量を増やすとパフォーマンス(すなわちフレームレート)が向上する場合がある。

 スト5は2016年発売のゲームなので、あまり大きな効果は期待できないが、「メモリオプティマイザー」設定を「ゲーム」(2GB設定)とし、「スケーリング解像度設定」を100設定に戻してスト5ベンチを再度行ってみたところ、若干フレームレートが向上する結果となった。

ROG Flow X13(2022)
デフォルト時よりわずかにフレームレートが向上している

 結果は59.79fpsと、ごくわず僅かにフレームレートが向上した。測定誤差かと思い、何度かスト5を実行してみたが、前出のデフォルト状態での計測結果を下回ることはなく、"微差"ではあるが、確かに向上しているようだ。

 ということは、先ほど、79設定として60fpsに貼り付いた「スケーリング解像度設定」を少し上げられるのではないかと探ったところ、たった「+1」の80設定までは60fpsを維持できた。ちなみに、81設定にすると59.99fpsとなり、わずかに下がる。

 ということで、 GV301RAでスト5を快適にプレイするには、「メモリオプティマイザー」設定を「ゲーム」、「スケーリング解像度設定」を80設定がお勧めということになるだろうか。

 もちろん、フレームレートが59fps台後半でよいということであれば「スケーリング解像度設定」を81以上の設定とするのもありだとは思う。

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