第2世代AirPods Proが見せる「聞こえ方、充電方法、探し方」のイノベーション(2/2 ページ)
Appleから、「第2世代AirPods Pro」が発売される。見た目は従来モデルと大きく変わらず、価格も1000円アップという形だが、実際はどうなのだろうか。実機を林信行氏が試して分かったこととは?
充電方法と探し方のイノベーション
動作時間もアクティブノイズキャンセル利用時で最大6時間、ケースを使った充電の併用で最大30時間(従来モデルは4.5時間/24時間)に伸びた。
一方、デザイン的視点で見ると、ケースの見た目はほぼ変わらないのに、新たにApple Watch用の充電器での充電に対応している。もちろん、従来通りLightning端子、Qi仕様の非接触充電器、iPhone充電用のMagSafeにも対応している。ケースのどの位置に磁石が埋め込まれているかを調べてみたが、真ん中に1カ所磁石が増えているだけのようだった。
充電ケースの進化はこれだけではない。新たにストラップホールを追加する穴が加わり、耐汗/耐水性能(IPX4)も加わった。
MagSafe対応の初代AirPods Proケース(左)と、MagSafeおよびApple Watch充電器に対応した新しいAirPods Proケース(右)の背面に仕込まれている磁石を、マグネットビューアーでのぞいてみた。かなり磁力が強まっていることと、中央に1個磁石が加わった(おそらくApple Watch充電器用)のが分かる
だが、一番大きいのは「探す」アプリに対応したことだろう。UWBという無線技術を内蔵したU1チップを搭載し、同じくU1チップを搭載したiPhoneであればどちら方向にあるかなどを正確に知ることができる。ケース、右耳用のパッド、左耳用のパッドのそれぞれを探すことが可能で、近くに行っても見つからない場合は、音を鳴らして見つけ出すこともできる。
そのために、充電ケースの下には3つ穴のスピーカーグリルと、音を響かせるための音響空洞の穴が追加された。
第2世代AirPods Proは、わずか2年間で、ここまでテクノロジーが進化するのかという驚きが詰まった新製品で、既にAirPodsシリーズの魅力を知っている人にはもちろん、まだ体験したことのない人にもおすすめしたくなる製品だ。
最近、 ビデオ会議や通話中に背景音を消して話者の声だけを拾う「声を分離」という機能が搭載されていることなどがネットで話題になったりしているが、イヤフォンを装着していないかのような自然な音を響かせつつ、大音響だけをカットする適応型環境音除去機能を搭載したりしているのを見ると、Appleはこの製品で「耳の聞こえの再発明」をしようとしているのではないかと感じてしまう。
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