3090 Tiを華麗に抜き去る「GeForce RTX 4090」の驚異的な性能をチェック!:基本的に「何でも速い」(2/3 ページ)
間もなく「GeForce RTX 4090」を搭載するグラフィックスカードの販売が解禁される。購入するかどうか迷っている人もいると思うので、NVIDIA純正の「GeForce RTX 4090 Founders Edition」を使って、その異次元の性能をチェックした結果をご紹介する。
最新プラットフォームで実力をチェック!
ここからは、GeForce RTX 4090 Founders Editionを使ってGeForce RTX 4090の実力をチェックする。
今回のテストでは、先日発売されたばかりの「Ryzen 9 7950X」を搭載するハイエンドなシステムを利用する。また、比較対象としてNVIDIAが自ら設計した「GeForce RTX 3090 Ti Founders Edition」(日本未発売)も用意して“新旧頂上決戦”も行う。テストに当たってのグラフィックスドライバーはテスト版の「バージョン520.91」を利用している。
なお、電源は玄人志向が販売している「KRPW-PA1200W/92+」(1200W出力)を使った。テストに使うグラフィックスカードは、共に12VHPWR規格の補助電源ピンが「12ピン×1」の構成で、これを従来の補助電源ピンに変換すると「8ピン×3」でも間に合う……はずなのだが、先にお伝えした開封レビューにもある通り、付属の変換アダプターは「8ピン×4」の構成となっていたので、今回は素直に「8ピン×4」をつないだ状態でテストを実施している。
NVIDIAのご厚意により、今回はFounders Edition同士のテストを実施できた(手前がGeForce RTX 4090 Founders Edition、奥がGeForce RTX 3090 Ti Founders Edition)
3DMark
まず、3Dグラフィックスのパフォーマンスをチェックする「3DMark」の結果を見てみよう。今回はDirectX 11ベースの「Fire Strikeシリーズ」、DirectX 12ベースの「Time Spyシリーズ」を用意されている全ての解像度で試験しつつ、RT性能をチェックする「Port Royal」のテストも実施した。総合スコアは以下の通りである。
- Fire Strike(フルHD)
- GeForce RTX 3090 Ti:4万4452
- GeForce RTX 4090:5万3932
- Fire Strike Extreme(WQHD)
- GeForce RTX 3090 Ti:2万5932
- GeForce RTX 4090:4万578
- Fire Strike Ultra(4K)
- GeForce RTX 3090 Ti:1万4247
- GeForce RTX 4090:2万4428
- Time Spy(WQHD)
- GeForce RTX 3090 Ti:2万278
- GeForce RTX 4090:2万8552
- Time Spy Extreme(4K)
- GeForce RTX 3090 Ti:1万1274
- GeForce RTX 4090:1万7652
- Port Royal
- GeForce RTX 3090 Ti:1万4554
- GeForce RTX 4090:2万5280
3090 Tiのスコアも立派なもの……なのだが、それらを4090は軽く上回っている。描画解像度が高くなるほどその差は広がり、4K(3840×2160ピクセル)描画のFire Strike Ultraでは約1.7倍、Time Spy Extremeでは約1.6倍のパフォーマンスを叩き出している。別の次元に迷い込んでしまった感が強い。
また、RT描画性能をチェックするPort Royalについても、4090は3090 Tiの約1.7倍のスコアを記録している。これなら、高解像度かつRTを有効にしても快適にゲームを楽しめそうである。
FF14ベンチマーク/FF15ベンチマーク
続いて、実際のゲームタイトルをベースとするベンチマークテストアプリを使ってパフォーマンスをチェックしてみよう。
まず、今や“軽量級”となった感も強い「ファイナルファンタジーXIV : 暁月のフィナーレ ベンチマーク(FF14ベンチマーク)」を最高画質のプリセットでフルHD(1920×1080ピクセル)、WQHD(2560×1440ピクセル)、4Kの3つの解像度でスコアを測ってみた。結果は以下の通りだ。
- フルHD
- GeForce RTX 3090 Ti:2万9868(非常に快適)
- GeForce RTX 4090:3万6524(非常に快適)
- WQHD
- GeForce RTX 3090 Ti:2万4851(非常に快適)
- GeForce RTX 4090:3万4084(非常に快適)
- 4K
- GeForce RTX 3090 Ti:1万7951(非常に快適)
- GeForce RTX 4090:2万4796(非常に快適)
結果はいずれも「非常に快適」で素晴らしいのだが、やはり4090のスコアの高さが際立つ。解像度が高くなるほどスコアの伸びが大きくなる傾向は3DMarkと同様なのだが、FF14ベンチマークではWQHD/4K解像度における伸びがそれほど大きくない。
システムへの負荷がやや大きい「FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION BENCHMARK(FF15ベンチマーク)」の高画質設定も合わせて実行してみよう。解像度はFF14ベンチマークと同じくフルHD、WQHD、4Kの3つで行っている。結果は以下の通りである。
- フルHD
- GeForce RTX 3090 Ti:1万8654(非常に快適)
- GeForce RTX 4090:2万827(非常に快適)
- WQHD
- GeForce RTX 3090 Ti:1万5415(非常に快適)
- GeForce RTX 4090:2万440(非常に快適)
- 4K
- GeForce RTX 3090 Ti:9801(とても快適)
- GeForce RTX 4090:1万5210(非常に快適)
前世代では最強である3090 Tiをもってしても、4K解像度になるとギリギリで最高評価の1つ下となってしまう一方、4090は全ての解像度で最高評価となった。4K解像度では、4090が3090 Tiの約1.5倍のスコアになっていることも注目ポイントである。
FF14ベンチマークとFF15ベンチマークを通して分かることは、GeForce RTX 4090はフルHD/WQHD解像度では唯一無二の性能を発揮し、4K解像度でも従来のGPUを“過去”にするパフォーマンスを発揮しているということである。
これなら、かなり負荷の大きい今どきの「AAAタイトル(大作)」もサクサクと楽しめそうである。
DLSS 3の効果を「サイバーパンク2077」でチェック
最近はゲームタイトルの「マルチプラットフォーム化」も進んだ。同じタイトルの据え置き型ゲーム機版とPC版が(ほぼ)同時に発売されることも珍しくなくなった。PC版を楽しむゲーマーは、据え置き機よりも良い環境、具体的には「4K解像度でのレンダリング」「RTを使った光源処理」といったビジュアル面へのこだわりが強い傾向にある。
GeForce RTX 4090は、その期待に応えることができるのか――今回のテストでは、レビュー時点においてDLSS 3への対応が明らかとなっているタイトルの1つ「サイバーパンク2077」を使って、画質プリセット「ウルトラ」におけるDLSS無効時(4Kネイティブ)、DLSS有効時(Performance mode for 4K/Ultraライティング)双方の平均フレームレートを計測してみた。4090では、DLSS 3の新機能であるフレーム補間も有効にしている。
結果は以下の通りだ。
- DLSS無効(4Kネイティブ)
- GeForce RTX 3090 Ti:26fps
- GeForce RTX 4090:41fps
- DLSS有効(Performance mode for 4K/Ultraライティング)
- GeForce RTX 3090 Ti:65fps
- GeForce RTX 4090:95fps
最初、4090におけるDLSS有効時のフレームレートを見た時は「目の錯覚か?」と思ってしまった。もちろん、3090 TiでDLSSをオンにした場合のフレームレートもそこそこ高いが、それを軽々と上回っている。最近少しずつ増えてきた高リフレッシュレートの4Kディスプレイと組み合わせて使っても「宝の持ち腐れ」にならずにすみそうである。
4K TVと組み合わせてPCゲーミングをしているという人なら、ほとんどの場合でリフレッシュレートは60Hz止まりだと思われる。その場合でも、DLSS対応ゲームのほとんどを「最高画質で安定して楽しめる」という点でとてもありがたい存在になるはずだ。
これまでのテスト結果を踏まえると、GeForce RTX 4090は4Kゲーミングにおいて“異次元”の域に到達したGPUであると断言できる。
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