約398gでRyzen 5 5560U搭載! 持ち運べるゲーミングPC「AYANEO AIR」を使ってみた(4/4 ページ)
中国AYANEOが開発したポータブルゲーミングPC「AYANEO AIR」は、わずか約398gのボディーにAMDの「Ryzen 5 5560U」を搭載している。とはいえ、ゲーミングPCとしては少しCPUが弱いようにも思えるが、実際にゲームを楽しむことはできるのだろうか。スタンダードモデルを使って検証してみよう。
普通のノートPCとしては十分すぎるくらいに高性能
ついでなので、普通のノートPCとしての性能もチェックしてみよう。まずCPUの性能をチェックする「CIENEBNCH R23」のスコアを見てみよう。
- マルチコア
- 5W:867ポイント
- 8W:3144ポイント
- 12W:5388ポイント
- 15W:6183ポイント
- シングルコア
- 5W:340ポイント
- 8W:685ポイント
- 12W:971ポイント
- 15W:1094ポイント
元々の性能がよいRyzen 5 5560Uを搭載していることもあり、特に15W時のスコアは優秀である。ただし、フルパワーを維持した場合のバッテリーの持ちはどうなるのか気になる所なので、後で計測してみよう。
続けて、TDPを15Wとした上で総合ベンチマークテスト「PCMark 10」を実行してみた。スコアは以下の通りだ。
- 総合:4806ポイント
- Essentials:8869ポイント
- Productivity:7965ポイント
- Digital Content Creation:4265ポイント
Ryzen 5 5560Uを搭載しているノートPCとしてはおおむね標準的なスコアといえるが、コンパクトかつ軽量なボディーに収めていると考えると、かなり驚異的ともいえる。
ただし、AYANEO AIRにはキーボードやマウスが付属しない。マウスはタッチパネルやジョイスティックで代用可能で、キーボードもタッチ対応の仮想キーボードで対応可能だが、本格的にノートPCとしても利用する場合はBluetooth接続のキーボードやマウスなどを用意することをお勧めする。
ストレージの性能はどうだろうか。「CrystalDiskMark 8.0.4」で読み書きのスピードを確かめてみよう。シーケンシャル(SEQ1M Q8T1)の結果は以下の通りだ。
- リード:毎秒1958.16MB
- ライト:毎秒1425.62MB
先述の通り、AYANEO AIRに搭載されているSSDの“素性”は分からない。ただし、PCI Express 3.0接続のエントリークラスSSDだと考えれば妥当な結果である。むしろ、このコンパクトなボディーにより高速なSSDを搭載してしまうと、放熱の面で不安もあるので、これくらいがちょうど良い。
バッテリー駆動時間はどう?
最後に、AYANEO AIRのバッテリー駆動時間をチェックしてみよう。今回はPCMark 10に含まれるゲーミングノートPC向けのバッテリーベンチマーク「Gaming comparsion」でTDPが15W(定格)、12W、8Wの時の駆動時間を計測した。結果は以下の通りだ。
- 15W:59分
- 12W:1時間10分
- 8W:1時間37分
さすがにフルパワーでは1時間持たない。一方、Game Modeと位置付けられる8Wにすると1時間30分以上の駆動時間を確保できた。「外出先でちょっとゲーム」というくらいであれば、十分な駆動時間といえるだろう。
ちょっとした空き時間にプレイできるゲームマシン
AYANEO AIRは小型で軽量なポータブルゲーミングPCという位置付けだ。ただし、ベンチマークテストの結果を見れば分かる通り、重量級の3Dゲームタイトルを遊ぶのは厳しい面もある。
一方で、FF14クラスの比較的負荷の軽いゲームであれば十分に楽しめるし、Apex Legendsも意外と快適にプレイできる。遊べるタイトルは選ぶものの、携帯ゲームマシンとしての実力は十分に備えている。
強いていうなら、価格はネックとなりうる。今回レビューした構成の税込み販売価格13万7700円と、同一スペックのノートPCと比べると少しだけ高めだ。
とはいえ、価格差は“少し”な上、約398gという軽量ぶりは得がたいものがある。ゲームはもちろん、ビジネス用途でも“アリ”な選択肢として考えてもいいのではないだろうか。
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