今、ゲーミングモニターを買うならフィリップスの「279M1RV/11」は外せない!(2/3 ページ)
27型で4K表示に対応したフィリップスのゲーミングモニター「279M1RV/11」は、今ゲームを楽しむために求められる要素を全てカバーしつつ、優れた色再現性を実現した高いポテンシャルを秘めた注目の1台だ。
279M1RV/11の設置性や接続性はどうだ?
以上が、「今から4Kゲーミングモニター製品を購入するならば気にしておきたい3つのポイント」になる。そして結論を先に述べると、279M1RV/11はこれらの3つをかなりの好条件で満たしているので「選択して問題なし」といったところになる。
ここからは、279M1RV/11の基本情報と「279M1RV/11ならではの特徴」を見ていきたいと思う。
本機「ならでは」の特徴は、複数ある4Kゲーミングモニター製品の中から「あえて279M1RV/11を選ぶ」理由にもなるはずなので、注意深く読み進めてほしい。
まずは本機の基本情報から見ていこう。画面サイズは27型で、画面の表面はノングレア型だ。そのため、室内情景の画面への映り込みは少ない。
4K解像度でのWindowsのデスクトップを27型でドットバイドット表示をすると、けっこう“細かめ”な映りとはなるが、視力が1.0程度あれば、視距離が数十cmという近距離で使うPCモニターの使用状況において、表示内容が見えないことはない。もし、実機を見た際に表示が小さいと感じた場合は、表示拡大率125%くらいで使うのが実用的かもしれない。
あるいは、279M1RV/11の32型版ともいえる「326M6VJRMB/11」を検討するのもアリだろう。
製品のパッケージだが、箱を開けるとスタンド支柱部、スタンド台座部、モニター部の3分割で収納されており、設置にはユーザー自身の組み立て作業が必要だ。しかし、組み立てにドライバーなどの工具は不要である。モニター部と支柱はスナップインでハメられるし、支柱部と台座部は手回しネジで固定できる。
重量は、付属のスタンド使用時で約9kgだ。「軽い」とはいわないが、設置後もそれほど苦労せずに設置場所の移動を行える程度の重さではある。
スタンドは高さが13cm、スイベルは左右±35度、チルトは上20度、下5度の調整が可能でなかなか優秀だ。ただし、縦画面にするピボット(回転)には対応しない。背面部には100mm×100mmタイプのVESAマウントのネジ穴が切ってあるので、標準スタンドでは不可能な設置アレンジを行いたい人は、市販のVESAスタンドやVESAマウントアームを活用することもできる。
接続端子は、HDMI 2.1端子が3系統、DisplayPort 1.4端子は1系統を備える。HDMI端子を3系統も実装しているのは少数派なので、ここは地味ながらも本機ならではのポイントと言える。
USB Type-C端子は、DisplayPort Alternate Modeに対応しており、追加のDisplayPort端子としても活用できる。ただし、USB Type-C接続時の最大リフレッシュレートは120Hzが上限となる。
本機への給電は、付属のACアダプターで行う。DisplayHDR 600規格に対応した高輝度モデルであるため、その分ACアダプターのサイズは大きめで、ちょっとしたゲーミングノートPC向けのACアダプターくらいのサイズ感だ。
なお、消費電力は定格で62.7Wとなっている。
画質性能は? HDR性能は? お勧めの画質モードはどれ?
ゲーミングモニターとはいえ、映像機器である以上は画質性能は重要である。
ということで、筆者がTV製品などの映像機器を評価する際にいつも用いている画質検証を行ってみた。液晶パネルはIPS方式で、画面正面からズレ対地から見ても色調変移の少ない安定した発色ができていた。
これまた筆者手持ちのスペクトロメーターにて、279M1RV/11の白色光のスペクトラムを計測してみたが、赤緑青のスペクトラムピークはきれいに分離しており、色深度性能の優秀さがうかがえた。
特に赤のスペクトラムピークがダブルピークになっていたことから推察するに、白色バックライトLED部材の赤色蛍光体にケイフッ化カリウム(K2SiF6)を主成分としたKSF蛍光体が採用されているとみられる。
つまり、279M1RV/11は、ゲーミングモニター製品ながら、デザイン業務向け液晶モニターなどにも採用される広色域モニター向けのLEDバックライトを導入しているということだ。
同社自身も本機のスペック表にて、色空間カバー率についてNTSC色のカバー率で112%、sRGB色のカバー率で133%、Adobe RGBだとカバー率110.1%、DCI-P3ではカバー率98%という、かなり優秀な数値を並べ立てているが、確かに、これはハッタリではなさそうである。
続いて、DisplayHDR 600対応をうたう279M1RV/11のHDR映像表示能力を、画質ベンチマークソフト「The Spears & Munsil UHD HDRベンチマーク」を用いて検証してみた。
DisplayHDR 600対応機は、局所的なバックライト制御(いわゆるローカルディミング制御)を行っていることになっている。ということで、その実力を検証するために、実際に、ベンチマークソフトの「FALD ZONE」(FALD:Full Array Local Dimming)テストを実施した。
279M1RV/11では、LEDバックライトシステムを水平状に配したエッジ型バックライトシステムを採用している。これを踏まえた上でFALDテストの振る舞いを見たところ、16本の縦帯状のゾーニングによるエリア駆動を行っていることが見て取れた。暗めの映像において、ある1カ所に高輝度表現があった場合、その上下方向に光芒(HALO)が広がる特性を確認したが、それ以外の一般的なHDR映像においては、十分なHDRコントラスト表現が行えていた。
映画などを始めとした一般的なHDR映像もチェックしてみたが、本機で最も美しく見られるのは、最大輝度1000ニト前後でマスタリングされた作品のようだ。つまり、現行の一般的な映画作品においては「問題なし」ということになる。
逆に、ユーザーによるHDR設定自由度の高いゲームコンテンツにおいては、過度な高輝度表現を有効化すると本機では色味が薄くなる傾向が確認された。多くのゲームタイトルにおいても、1000ニトあたりを上限にして階調設計をしているはずなので、あまり調子に乗って最大輝度を引き上げない方がいいということだ。
基本、ゲーム側のデフォルト設定でOKであり、もし、最大ニト値をゲーム側のグラフィックスオプション設定できるタイトルであればDisplayHDR 600が表すところの「600ニト」で設定すると良いと思う。
それと、映画のような一般映像コンテンツにおいても、またゲーム映像においても、HDRコンテンツ視聴時は、本機の画質モード設定に相当する「SmartImage HDR」設定は、「DisplayHDR 600」設定の選択を筆者は強く奨励する。
もちろん、各ユーザーにおいて気に入った画調モードが見つかればそれを好きに選択すればいいとは思うが、筆者の評価範囲では「DisplayHDR 600」設定が、最も発色が自然で、階調バランスも良好と感じた。
サウンド性能はどうだ?
279M1RV/11は、一般的なゲーミングモニター製品と同様に背面側に3.5mmのヘッドフォン端子を備えている。さらに出力5W+5Wのステレオ内蔵スピーカーも内蔵済みだ。そして、フィリップスはこのスピーカーに、DTS Sound機能を搭載したことをアピールしている。
ゲーミングモニター製品の内蔵スピーカーの音質には、それほど期待はしていなかったのだが、実際にサウンドを鳴らしてみると、同画面サイズのTV製品と同等(場合によってはそれ以上かも)の音質が楽しめた。なかなか頑張った音質設計だと思う。
おそらく、デジタル音声処理等で、スピーカーユニットの「苦手な音域」と「得意な音域」をイコライジングしているのだろう。意外ときちんとしたサウンドが鳴ってくれるのだ。
さすがに「音楽鑑賞にもお勧め」とまではいわないが、YouTube動画を楽しんだり、カジュアルにゲームを楽しんだりする向きには必要十分な音質になっていると思う。普段筆者がよくプレイしている「ストリートファイターV」においても、本機評価期間中はヘッドフォンではなく、本機内蔵スピーカーでよくプレイしていた。音ズレも感じず不満なし。
それと、本機のような27型サイズ程度のモニター製品の内蔵スピーカーの割には、音量をかなり大きく設定できるのも特徴だと感じた。人が集まってみんなでゲームをプレイする際にも、おのおのの話し声に負けないゲームサウンド音量が出せる。
他にも、音量にばらつきのあるコンテンツを聞きやすい音量に調整してくれる「TruVolume」機能は、YouTubeコンテンツを流しっぱなしにして楽しむ際に便利だったことも付け加えておこう。
提供:MMD Singapore 日本事務所
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia PC USER 編集部/掲載内容有効期限:2022年12月13日
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