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容積約0.48L! 最新の「Intel NUC 13 Pro」は手のひらサイズで想像以上の快適さを備えた超小型PCだった(2/3 ページ)

Intelが技術のショーケースとして販売している「Intel NUCシリーズ」。その最新モデルの1つである「Intel NUC 13 Pro(Arena Canyon)」は、モバイル向け第13世代Coreプロセッサを搭載することで「小さいのにパワフル」をより高いレベルで実現している。この記事ではスリムボディーのキット製品でも上位に相当する「NUC13ANKi7」を試していく。

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12コア16スレッドのパワフルなCPUを搭載

 Intel NUC 13 Proシリーズは、モバイル向けの第13世代Coreプロセッサを搭載している。モデルによって、ベースパワー(基本消費電力)が15Wの「Uシリーズ(開発コード名:Raptor Lake-U15)」または、28Wの「Pシリーズ(開発コード名:Raptor Lake-P)」を備えるが、今回評価するNUC13ANKi7は、Pシリーズの中でも上位である「Core i7-1360P」を採用している。

 第13世代Coreプロセッサでは、性能優先の「パフォーマンスコア(Pコア)」と電力効率優先の「高効率コア(Eコア)」を最適に使い分けるハイブリッドアーキテクチャを第12世代(開発コード名:Alder Lake)から継承しつつ、さらなる性能の強化を図っている。

 NUC13ANKi7が搭載するCore i7-1360Pは、Pコアが4基8スレッド、Eコアが8基8スレッドという構成で、先代の「Core i7-1260P」からの進化といえば、最大動作クロックの引き上げなど、小幅ではある。ただし、先代もモバイルノートPC向けのCPUとしてはパワフルだったので、それがより力強くなったともいえる。

 合計で12コア16スレッドを備えるCPUは、ビジネスはもちろん、ゲーム、写真やビデオの編集といったクリエイティブ用途など、幅広く活躍できるポテンシャルを秘めている。

CPU-Z
NUC13ANKi7のCPU情報を「CPU-Z」で表示してみた。Core i7-1360Pは、Pコアが4基8スレッド、Eコアが8基8スレッドの計12コア16スレッド構成で、パワフルだ

小型ながら接続性も十分

 小型ながらも、接続性も十分に確保されている。

 本体前面には2基のUSB 3.2 Gen 2 Standard-A端子(1基は常時給電対応)とイヤフォン/マイクコンボ端子を備え、背面には2基のThunderbolt 4(USB4)端子、USB 3.2 Gen 2 Standard-A端子、USB 2.0 Standard-A端子、有線LAN端子(2.5GBASE-T対応)と2基のHDMI出力端子を備える。コンパクトサイズなのに、これだけのポート類を用意しているのは頼もしい。

 通信面は、有線LANの他、先述の通りWi-Fi 6EとBluetoothにも対応する。Bluetoothは最新の「Bluetooth 5.3」に対応するので、今後の機能拡充にも対処可能だ。

前面
本体前面の様子。バッテリーの絵柄があしらわれたUSB 3.2 Gen 2 Standard-A端子は常時給電に対応しているので、スマートフォンの充電などに便利である
背面
本体背面にはポート類がびっちり詰まっている。HDMI出力端子とThunderbolt 4端子をフル活用すれば、最大4面のディスプレイ出力も可能だ
右側面
右側面の一部はハニカム状のメッシュパネルになっている
左側面
左側面も同様に、一部がハニカム状のメッシュパネルになっている。盗難防止ワイヤーを接続するためのセキュリティロックスロットも備える
ケーブルクランプ
背面の排気口の脇に取り付けるケーブルクランプ(抜け防止治具)も付属している。

UEFIは結構細かい設定もOK

 NUC 13 Proの各種ドライバーは、IntelのWebサイトで公開されている「Intel Driver & Support Assistant」を使うと簡単にインストールできる。

 このアプリは、ドライバーの更新の有無をスキャンし、インストール(更新)可能なドライバーがある場合は一覧表示するWebサイトに誘導する、というシンプルな作りではある。しかし、ドライバーのインストールや更新に掛かる手間を大幅に削減できるので、ありがたい存在だ。

 一方で、NUC 13 ProのUEFI(BIOS)のセットアップでは、本体に関する細かい設定も行える。セキュリティ設定はもちろん、電力回りやファン制御も、思った以上にいじれる。

 普通に運用するだけなら、特に設定を変えるする必要はないが、PCの自作に慣れ親しんでいる人でも、案外いろいろと楽しめるだろう。

Intel Driver & Support Assistant
各種ドライバーのインストールや更新には「Intel Driver & Support Assistant」を利用できる
UEFI
UEFIセットアップのトップ画面。電源を入れた直後にキーボードのF2キーを押すと入れる
設定その1
ストレージ、USBポートなどはポート単位で有効/無効を設定できる
設定その2
CPUのパワーリミットのカスタマイズ、ファンの制御設定などが可能だ。デフォルトでPL1(定格)は40W、PL2(上限)は64Wで、PL2の持続時間は28秒となっている
設定その3
ファン制御についても非常に細かい部分まで設定項目が用意されている

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