小型だけどパワフル! 片手で持てる第11世代Core搭載のIntel NUCを試す(1/4 ページ)
超小型PCとしておなじみのIntel NUCに、第11世代Coreを備えたモデルが登場した。「Intel NUC 11」(開発コード名:Panther Canyon)の実力をチェックしてみた。
一部は店頭にも並び始めたが、Intelから第11世代Coreを搭載するミニPC「Intel NUC 11」(開発コード名::Tiger Canyon)がリリースされた。ミニPCの雄Intelの最新世代NUCとあって、そのパフォーマンスが期待される。
Intel NUCの最新モデル「Intel NUC 11」。さまざまなバリエーションがあるが、評価機は2.5インチドライブを格納できるCore i7-1165G7搭載の「NUC11PAQi7」(開発コード名:Panther Canyon)だ
GPUがIris XeになったTiger Lake世代のミニPC
今回の評価機は型番が「NUC11PAQi7」と一般向け(ビジネス向けのTiger Canyon、ゲーマー向けのPhantom Canyonもあり)で、パッケージは「ホーム」型をしていてかなり大きい。屋根を取り外すとボックスとその上にNUC本体が現れ、ACアダプターなどの付属品はボックス側の引き出しに収納されていた。ちなみに、NUC本体を取り出した下にはタイガーマークがあった。Tiger Lake世代の製品ということでの演出だろう。
第11世代NUCが搭載するCPUは、ノートPCではTiger Lakeの開発コード名で知られる第11世代Coreだ。製造プロセスは10nm SuperFinで、第10世代Core時の10nmプロセスに改良を加え、性能を向上したものだ。
加えて、GPUはアーキテクチャを一新したIntel Iris Xe Graphics(Core i7/i5モデル)が統合されている。Iris Xeは、比較的軽量タイトル&軽量画質設定のものというただし書きはつくが、人気ゲームタイトルをフルHDでプレイできるという触れ込みである。実際にゲーム目的でこれを導入するかどうかは別として、そういった基本性能があるということだ。ゲームはしないと言っても、現在ではPCをより快適に使うためにGPUを活用するので、この部分の性能をおろそかにはできない。
ただし、今PCを検討している人の多くが、まずはノートPCを探しているだろう。ディスプレイとキーボード、バッテリーを含め、ノートPCは1台で完結することに加え、1人暮らしやローテーション勤務など、小型でモバイルできるといったメリットがある。ではあえてデスクトップPCのNUCを検討する理由を挙げれば、快適さの追求だろう。
NUCはノートPCのように、喫茶店でも取引先でもといったわけにはいかないが、十分に小さいため持ち運びは苦労しないし置き場所にも困らない。接地面積はわずか約117(幅)×112(奥行き)mmしかない。
仕事机や勉強机、リビングに置いてもよい。共働きでともに在宅勤務といったシーンではビデオ会議などで部屋の取り合いがあるとよく聞く。ノートPCなら自宅内を自由に移動できるが、それとほぼ同じことをNUCでも可能だ。
別途ディスプレイや入力機器を用意する必要があるが、考えようによっては自由な選択ができる。24型や27型、32型といった大型の液晶ディスプレイやTV、あるいは逆にモバイルディスプレイとの組み合わせという選択肢もある。
画面解像度もフルHD(1920×1080ピクセル)だけでなくWQHD(2560×1440ピクセル)、4K(3840×2160ピクセル)など必要に応じて選べる。キーボードも入力感にこだわれば長時間の文書入力も快適にこなせるだろう。
パフォーマンスも一部についてはカスタマイズ可能だ。NUCにはキットとミニPC(OS込みの完成品)があるが、これまでの国内販売形態は自作市場向けのキット版と、一部BTOパソコンとしてミニPCといった形だ。多くの場合、メモリやストレージの容量や性能をユーザーが選べる。
天板にスマホを置けばワイヤレス充電できる「Q」に対応
さて、NUC11PAQi7は少し特殊なモデルなので先にその説明をしておこう。Intel NUCのスタンダードモデルにはバリエーションがある。M.2スロット1基のスリム版Kクラス(高さ38mm)と、M.2スロット1基に2.5インチベイ1基を備えたトール版Hクラス(高さ51mm)。そして評価機は型番(NUC11PAQi7)にQの文字があることからも分かるように、QクラスはHクラスをベースに天板部分にワイヤレス充電パッド(15W対応)を内蔵したモデルだ。そのため、Hクラスから高さが5mm増した56mmとなっている。
NUCと言えばVESAマウント形式で液晶ディスプレイなどの背面に取り付けての運用でも知られるが、Qクラスの場合、VESAマウントするならばワイヤレス充電パッドが縦になる。本製品にはVESAマウントアダプターが付属していなかったが、つまりVESAマウントとワイヤレス充電は両立できないためだ。VESAマウントを利用したい場合はHやKクラスを選ぼう。
120W対応のACアダプターが付属するのはCore i7/i5モデルとされている。Core i3モデルは異なるようだ。そして「Q」クラスではQiで利用する15W分を差し引いた105Wが本体の求める最大電力ということになるだろう。
続いて、ボディー内部を見ていこう。
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