カラー電子ペーパーは“メモ活用フロー構築”で強い! ペンも秀逸なAndroidタブレット「BOOX Tab Mini C」:「目指せ↑ワンランク上の仕事術」デジモノ探訪記(2/4 ページ)
企業や組織のIT部門を支援してきた石黒直樹氏が、実際に使っていて仕事に役立つと思ったものや、これから登場する新製品、新サービスをいち早く試してレビューする連載。
ペンとBOOX純正のノートアプリが真骨頂!
私が考える、カラー電子ペーパーの良さは、メモ書きのペンに色が使えるということです。厳密には白黒の電子ペーパーでもペンの色は選択できるのですが、電子ペーパー上で色の判別ができませんでした。
BOOX Tab Mini Cはスタイラスペンが使えます。付属するペンは「BOOX Pen Plus」という製品です。
ちなみに大画面モデルのBOOX Tab Ultra Cには「BOOX Pen2 Pro」という、ペンの後ろ先端部分が消しゴムとして使えるハイエンドなスタイラスペンが付属しています。
よってこの製品は「メモやお絵かきをしてください」という端末なのです。特にBOOX純正のノートアプリの使い勝手は秀逸で、スタイラスペンはほぼ遅延を感じず、ペンを持つ手が画面に触れた際の誤動作を防ぐパームリジェクション機能もほぼ完璧です。電子ペーパーは画面のまぶしさもなく、まさに紙に書いているような感触です。
蛇足となりますが、私はスタイラスペンを使い比べるのも大好きです。iPadの「Apple Pencil」は当然のこと、Galaxy Note/Tabシリーズで使えるS Penや、Windowsのスタイラスペン対応ディスプレイなど、さまざまなペン入力デバイスを所有しています。
そんな私のこれまでの経験から、BOOXのペンの使い心地を相対的に評価すると「Galaxy S Pen>BOOX Pen>>>Apple Pencil>>>>>>>Windows系のスタイラスペン」といった感じで、BOOXは上位に挙がってきます。ちまたでは評価が高いApple Pencilですが、純正状態のカツカツという書き心地なのがどうしても慣れません。表面に貼り付けるシートなど、サードパーティー製品でカスタムする必要がありますね。
スタイラスペン自体で最も気に入っているのはサムスン電子ジャパンの「S Pen Pro」です。そこそこ値が張りますが、大きさ、書き心地ともに完璧です。そして、実はここがポイントなのですが、BOOXのPenはワコムの技術がベースになっているので、BOOX Tab Mini CでもS Pen Proが使えました。
BOOX Tab Mini Cのように、電子ペーパーにペンで手書きするというのは正に「紙に書いている」といっても過言ではないでしょう。紙のように表示し続けても消費電力がほぼないのも有利なポイントです。
紙のような使い心地を持っていながら、さまざまなペンの種類や色を切り替えたり、ページ数を気にしたりしなくていいというデジタルのメリットを持ち合わせています。PDFなどに出力してそのまま業務フローに乗せるといったことも簡単です。光もまぶしくないため、机に置いていても気になりません。
Android搭載の強み
そしてBOOX Tab Mini Cの場合、Google Playに対応しているので「OneNote」や「Evernote」、その他メモアプリなど、好みのアプリが使えます。ただ、残念なことに、サードパーティー製アプリで使う場合、純正のノートアプリ向けにチューニングされているであろう、スタイラスペンで書いたときの画面応答性などは期待できません。やや描画の遅延を感じたり、パームリジェクション機能の効きもイマイチに感じられたりする場面がありました。非常に惜しいです。
ただし、純正のノートアプリはOneNoteやEvernoteなどと不完全ではありますが、連携できます。
実際にOneNoteで試してみましたが、BOOXで書いたノートをOneNoteで参照はできるのですが、OneNote側で上書き更新した内容はBOOXのノートアプリに反映されませんでした。双方向の完全な同期ではないので注意が必要です。ともあれ「それでもいいや」という割り切りはアリかと思います。それぐらいBOOXの端末では純正ノートアプリの使い勝手が秀逸です。
ノートアプリに保存したメモを別の端末から参照するだけなら、別途用意されたBOOXアプリ(iOS、Android)から、BOOXクラウド(ONYXアカウント)経由で行えます。保存容量は5GBまで無料です。
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