手が届くMRヘッドセット「Meta Quest 3」実機レビュー 買わないと決めていた記者の心が揺れ動いている(4/4 ページ)
ついに発売したスタンドアロン型VR/MRヘッドセット「Oculus Quest 3」の先行レビューをお届け。「しばらくQuest 2のままでいいや」──それは甘い考えでした。
解像度とグラフィックス性能の進化、視野角について
結論から言えば「Quest 2以前から存在しているアプリは、表示解像度アップとレンズのスイートスポット拡大の相乗効果でクッキリ快適に見える」ようになり、「Quest 3向けに開発されたアプリは3DCGそのものが高品質で美しい」となります。
同じ既存のゲームアプリをQuest 2とQuest 3で同時に起動して何度も比較してみました。3DCG自体のテクスチャやマテリアルは同じのはずですが、Quest 3は表示がクッキリしていて、対象がキャラクターの場合は“そこにいる感”が増して見えます。光学系の改良の効果が如実に表れていて、素直に「いいレンズだな」と感じました。これはスクリーンショットなどでは表現できないため、実際にかぶってみないと体感できないのが残念です。
Quest 3向けに開発されたアプリは記事執筆時点でストアに無かったのでじっくり触れることはできませんでしたが、報道陣向け体験会で体験した「Red Matter 2」というゲームタイトルでは「PCゲームのグラフィックス設定を低から高に変更した」ような、圧倒的な違いがあります。以下の動画でQuest 3とQuest 2のグラフィックス性能を比較できます。21秒からの比較が分かりやすいです。
視野角についてはQuest 2が水平97度/垂直93度だったのに対し、Quest 3は水平110度/垂直96度に広がっています。ただ正直に言ってその差はよく分かりませんでした。少なくとも「視野角が広がってすごい!」という感じではないことは明らかです。
Quest 2ユーザーが買い換えても満足できる
記者は当初「いくらハードウェアが進化したとはいえ、総合的に得られる体験はQuest 2とそう変わらないだろう」と考えてQuest 2を使い続けるつもりでいました。しかし、Quest 3にじっくり触れてみて、使用中の快適さが段違いであることに気付いてしまいました。特にスイートスポットの改善はかなり心に響くものがあります。
Quest 2が2020年10月に発売した際は、64GBモデルが3万7180円(税込み、以下同。現在は128GBモデルが4万7300円)で手に入ったことを踏まえると、円安などの影響とはいえQuest 3の128GBモデルが7万4800円というのは「ウッ……」となってしまいます。そんな人も多いのではないでしょうか。
しかし、Quest 3の進化を実際に体感してしまうと、財布のひもが確実に緩くなることは間違いありません。
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