紙リサイクルは“社内で完結”が当たり前に? エプソンの乾式オフィス製紙機「PaperLab」新型プロトタイプを見てきた(1/3 ページ)
出てしまう紙を再生することで、資源の消費を防ぎたい。そのニーズを満たすのが、「PaperLab」だ。現行のA-8000にリフレッシュモデルを、また全く新しい新型のプロトタイプをSDGs Week EXPO 2023でエプソンが発表した。
日本経済新聞、日経BP、サステナブル経営推進機構、インフラメンテナンス国民会議が開催している「SDGs Week EXPO 2023」(12月6〜8日、東京ビッグサイト)は、脱炭素社会の実現に向け、現在抱えている社会問題をどのように解決できるかを指し示す4つの展示会をまとめたものだ。
PC USERでは、折に触れて「ペーパーレスの働き方」を実現するソリューションやアイテムを紹介してきたが、やはり社会全体で紙に依存する文化を大胆に変えるのはまだまだ難しい。では今できることとは何か。そのうちの一つとなりそうなソリューションを手掛けるセイコーエプソンのブースを訪ねた。
出てしまった紙を社内でリサイクルする「PaperLab」
エプソンは、2016年から大企業や自治体向けに乾式オフィス製紙機「PaperLab A-8000」(以下、A-8000)を販売している。A-8000はオフィス内で出てしまった紙を、その場で印刷可能な紙にリサイクルする製紙機だ。
通常、紙をリサイクルするには、紙の出た場所から集積場まで運搬し、分別してからさらに工場まで運搬。水を大量に消費して紙を繊維に分解し、再生紙を作り、そこから販売店へと運搬する。つまりCO2(二酸化炭素)の排出や水の膨大な消費などが生じる。
その点、A-8000なら紙が廃棄されたその場所でリサイクルと再利用ができるようになる。しかも、エプソン独自のドライファイバーテクノロジーにより、水を使うことなく、紙の繊維化/結合/成形を行える。かなりエコだ。
投入できる紙の大きさはA4またはA3サイズで、製紙速度は毎時約720枚。普通紙から画用紙までの厚みのある紙を作り出せる。再結合時に使用する結合剤「ペーパープラス」の「イエロー」「シアン」「マゼンタ」で着色し、色紙を作ることも可能だ。
実は、昨年開催されたSDGs Week EXPO 2022では、A-8000とは異なるアプローチの「新型PaperLab」コンセプトモデルを発表していた。それから1年。今回のエキスポではA-8000リフレッシュモデルと新型PaperLabプロトタイプ、また新型PaperLab専用シュレッダープロトタイプが初披露された。
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