ロジクール、“他社コラボ”で法人領域を強化 笠原社長が事業戦略を説明(2/2 ページ)
これまでコンシューマー向けPC関連製品で伸びてきたロジクールが、B2B領域に本腰を入れる。自社だけではカバーしきれない分野で協業する新しいパートナーシップ制度を導入する。
ビデオコラボレーションソリューションでB2B領域を拡大
ロジクールの事業戦略でコアとなるのは「ビデオコラボレーション」ソリューションだ。「イノベーティブな働き方を企業が模索していても、同僚とのつながりの減少を感じている人が65%に上った」と笠原社長。「3人が会社の会議室に入室し、2人がリモートで参加しているときに、白熱した会議室組に対してリモート組は疎外感を持ちがち。また、表情などによる、非言語的コミュニケーションが取りづらいという課題もある」という。
しかし、ロジクールのテクノロジーとソリューションはそれを解決するとして、話している人の表情を逃さず映し出すこと、ホワイトボードに書かれたものを鮮明に写し出すことなど、リモートから参加している人でも会議室にいるかのような一体感のあるコミュニケーションを可能にすると自信を見せる。
「ビデオコラボレーションソリューションが設置されている会議室は、全体の1割未満。つまり、9割以上に入り込む余地がある」と笠原社長。「新しい働き方で生じる課題を解決する余地がこれだけあるので、勝算はある」と語った。
「グローバルの調査によれば、2023年4〜6月期のビデオコラボレーションソリューションのシェアはロジクールが台数、金額ベース、ともにナンバー1である。ビデオコラボレーションソリューションのリーディングカンパニーとして、新しい働き方について模索している企業に提案をしていきたい」(笠原社長)
オフィス空間デモツアーも実施
会場内には、少人数から大人数向けの会議室、リモートワークをする人の自宅デスクなどを模したスペースが設けられ、それぞれに適した製品が配置されていた。
例えば、参加者の少ない会議をサクッと行うことを想定した会議室にはビデオバー「Rally Bar Huddle」と、コントローラーの「ロジクールTap」、また会議室入り口にはスケジューリングパネルの「Tap Scheduler」が設置されていた。
大人数向けの会議室では、ビデオバー「Rally Bar」と卓上カメラ「Sihgt」が役立つ。ビデオバーが会議室前方にある場合、後方の人の顔は小さく表示されてしまうし、場合によっては声を拾いづらいかもしれない。
しかし、Rally Barと連携したSightがあれば、発言者の顔をすぐ近くで捉え、声を拾い、リモートで参加している人のディスプレイに大きく表示できる。デモでは4人ほどが会話していたところ、画面を縦に4分割して、発言者の顔を大きく表示していた。これなら発言の意図を表情から汲み取ることもできそうだ。
ロジクールとイトーキがコラボして開発した半円形の会議テーブルPanoraも展示してあった。半円形にすることにより、会議室内で参加者同士もリモートで参加している人も話しやすくなる。狭い会議室にも設置できるというメリットも
自宅から参加するメンバーが使うことを想定したスペースには、Webカメラの「Brio」や「Brio 505」が、ヘッドセットには「Zone Wireless」や「Zone Vibe Wireless」、会議コントローラー兼スピーカーフォンには「Logi Dock」などが設置されていた。
今後3年の展望として、笠原社長は、「パートナーを30社程度にまで増やすこと、売上の50億円増、業界のリーディングカンパニーを目指すこと」などを挙げた。
笠原社長は「場所を選ばない創造的な働き方の実現をロジクールのミッションとして掲げていく。これが日本における法人事業の今後の軸となり、経営資源をここにつぎ込むことにコミットする」と宣言した。
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