本田技研「生成AIを活用しない方がビジネス上のリスク」──日本MSはAzure導入“4倍増”で法人向け生成AIに手応え(4/4 ページ)
日本マイクロソフトは12月13日、イベント「Microsoft Ignite Japan」を大阪で開催した。米国ワシントンで11月に行われたイベント「Microsoft Ignite」(以下、Ignite)の日本版で、Igniteで発表された生成AI関連の話題を日本向けにアレンジした内容となっていた。
1つは「Microsoft Copilot Studio」で、顧客自身がローコード/ノーコード(プログラムのコードを全くないしはほとんど書く必要がないということ)でCopilotのカスタム版を構築できるツールだ。Microsoft 365、SAP、Salesforceなどと接続することができるプラグインやコネクターなどが用意されており、プログラムのコーディングに深い知識がなくても自社の業務や製品に最適化したCopilotを構築することができるという。
そしてもう1つが「Azure AI Studio」で、こちらはAzure OpenAI Serviceなどを利用して本格的に自社の業務や製品に最適なコードを書くことで、最適化が済んだAIアプリケーションの構築が可能になる。
岡嵜氏はそうしたAzure OpenAI Serviceなどを活用して構築された顧客事例として、SOMPOケアによる介護に最適化されたAIアドバイザーやパソナの休職者向けAIアドバイザー、Preferred Robticsの自動移動ロボット「Kachaka」(カチャカ)などを紹介している。
さらに伊藤忠商事の辻井佑昌氏(フロンティアビジネス部 チームリーダー)が登壇し、Azure AI StudioやAzure OpenAI Service、Microsoft FabricなどをはじめとするAI技術を同社の食品事業部向け商品企画や開発業務に活用できないか、実証実験を進めていることを説明した。
【訂正:2023年12月22日午後4時48分 記事初出時、伊藤忠商事が既にAzure AI Studioなどを活用しているという内容を記載していましたが、追加取材に基づいて内容を訂正しました】
講演の後半ではGitHub Copilotに関してのデモが行われ、GitHubのスコット・デンスモア氏(エンジニアリング担当副社長)がGitHub Copilotに関してどのように使えるかといった実演もあった。
講演の最後に岡嵜氏は「Microsoftは開発者との関係を大事にしており、開発者の皆さんが使い慣れているVisual Studioなどのツールに生成AIを活用できるようにしていきたい」とまとめ、詰めかけた開発者に使い慣れたツールとAzureを活用して生成AIのアプリケーションを構築していってほしいと呼びかけた。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
生成AI活用の「Microsoft 365 Copilot」、ビジネス導入の第一歩はクラウドシフトから 日本MSが支援プログラム
日本マイクロソフトが、中堅中小企業やスタートアップを対象にした支援プログラムを始める。
マイクロソフトはAIを全製品に展開 日常とビジネスはどう変わる? AIとの向き合い方は?
日本マイクロソフトが、報道関係者に向けてAI技術の利活用に関する説明会を開催した。提携するOpenAIの技術を中心に、全製品へのAI(人工知能)搭載を目指している同社だが、その狙いはどこにあるのだろうか。
Microsoft、神戸に企業のAI活用支援ラボを開設 技術者常駐でユースケース作りを狙い
MicrosoftがAI活用支援の拠点を神戸市に開設した。なぜ神戸なのか?
「Microsoft Copilot」の一般提供スタート 一部で不具合も
Microsoftは予告通り、生成AIを活用したアシスタントツール「Microsoft Copilot」の一般提供を始めた。しかし、一部では不具合も報告されている。
Microsoft Copilotに最新のGPT-4 TurboやDALL・E 3を順次導入/日本マイクロソフトが法人向けソフトウェアとクラウドサービスの値上げを発表
うっかり見逃していたけれど、ちょっと気になる――そんなニュースを週末に“一気読み”する連載。今回は、12月3日週を中心に公開された主なニュースを一気にチェックしましょう!










