3万円台から買えるデスクトップAPU「Ryzen 8000G」の実力を試す 強い内蔵GPUは明確なメリットだ:先行レビュー(4/5 ページ)
AMDの新型APU「Ryzen 8000Gシリーズ」が日本でも2月2日に発売される。内蔵GPUがとても強いことで評判だが、どのようなユーザーにピッタリなのか、実際に試して考えてみた。
重量級ゲームタイトルはきちんと動く?
ということで、重量級のゲームタイトルを実際にプレイ(またはデモンストレーションを実施)して、Ryzen 8000Gシリーズで快適に楽しめるのかチェックしてみよう。
今回試すのは、これを遊ぶために自作PCを組み立てたりゲーミングPCを買ったりする人も多いとされる「ARMORED CORE VI FIRES OF RUBICON(アーマードコア6)」と、超重量タイトルにおける性能チェックの定番「Cyberpunk 2077」だ。
アーマードコア6
アーマードコア6では、ゲーム内のシステム設定から画質設定は「最高」に、解像度はフルHD(1920×1080)、表示モードは「フルスクリーン」、上限フレームレートは「120(fps)」とした上で、ゲーム前半の関門ステージ「ウォッチポイント襲撃」をプレイした際の、2分間の平均フレームレートを「CapFrameX」で計測した。結果は以下の通りだ。
- Ryzen 7 8700G:34.5fps
- Ryzen 5 8600G:30.7fps
- Ryzen 5 5600G:25.8fps
- Core i9-13900K:22.6fps
Ryzen 8000Gシリーズは平均30fpsを超えている。あくまでも“平均”なので、瞬間的にはこれ以上にもこれ以下にもなってはいる。しかし、実際にプレイしているとカク付きをほとんど感じることはなかった。正直、これには驚いた。
一方、比較用のCPUでは平均フレームレートが30fpsを下回る。シーンによっては描画が引っかかるような感じとなることも多く、快適に遊べるとはいえない状況だった。
もっとも、今回は画質設定が「最高」と、負荷が大きい。実際に遊ぶ際は、もう少し設定を落とせば、Ryzen 5 8600GやRyzen 7 8700Gなら一層快適にプレイできるだろう。平均フレームレートも60fps前後まで持ち上げられるはずだ。
重量級ではないが、話題のゲームタイトルを快適に遊ぶだけのパワーはある。
Cyberpunk 2077
アーマードコア6のテストで「さすがに最高画質は厳しすぎる」と分かったので、Cyberpunk 2077では設定のプリセットを「低」とした状態でテストを実施した。
Cyberpunk 2077はFSRに対応している。そのため、このテストに限りCore i9-12900Kを除く3種類のAPUでテストを行うことにした。各APUでFSRの有効/無効を切り替えて、ゲーム内ベンチマークモードで平均フレームレートをした。結果は以下の通りだ。
- フルHD(FSR無効)
- Ryzen 7 8700G:34.58fps
- Ryzen 5 8600G:30.28fps
- Ryzen 5 5600G:10.53fps
- フルHD(FSR有効)
- Ryzen 7 8700G:44.46fps
- Ryzen 5 8600G:41.19fps
- Ryzen 5 5600G:15.19fps
さすがはCyberpunk 2077ということもあって、低設定でも厳しい結果……なのだが、Ryzen 8000GシリーズではFSRをオフにした状態でも案外動く。ただ、平均で30fps程度なので、場面場面でのカク付きは避けられない。
一方で、FSRをオンにするとカク付きはある程度抑えられる。「なめらか」とまでは行かないものの、おおむね問題なく遊べるレベルにはなる。
今回はゲーム内ベンチマークモードでテストしたため、実際にプレイする際はフレームレートが落ち込む場面は増えるかもしれない。しかし、CPU(APU)だけでCyberpunk 2077が“まあまあ動く”というのは驚きだ。
いくら性能が向上した、画質設定は低くしてあるとはいえ「Ryzen 8000GシリーズのRadeon 700Mシリーズには重量級タイトルは厳しいのでは?」と予想していたのだが、実際に動かしてみると意外と動く。
またFSRの効果も大きく、有効にした場合はなめらかとまでは言わないが思いの外、普通に遊べるフレームレートで動作する。
実際のプレイとなるともう少しフレームレートが落ち込む可能性はあるが、それでも遊べないことはないだけの性能があるというのは従来の内蔵GPUでは考えられないくらいパワフルだ。
次のページでは、4K動画の書き出しテストを実施する。
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