生成AI活用の幼児向け新サービス「AIしまじろう」が登場 ベネッセとソフトバンクが共同開発した理由は(2/3 ページ)
「AIしまじろう」は、スマートフォンと専用アプリ、スマホを取り付けられるしまじろうのぬいぐるみを組み合わせて使うサービスだ。
なぜベネッセはソフトバンクロボティクスと組んだのか
ベネッセは教育と生成AIを組み合わせた取り組みに力を入れており、2023年7月には「自由研究お助けAI」サービス、12月には教員向け「生成AIを活用したテスト問題たたき台自動作成・採点」の実証実験、2024年2月には進研ゼミの学習時に多く寄せられている質問をいつでも何度でも質問できる「AI学習コーチ」サービスを開始している。
世の中の生成AIに関する認識について、橋本氏は「ChatGPTの登場で、生成AIの利用者は増加しており、2023年秋の調査では73%が利用経験ありと回答している」と話す。さらに「企業でも87%が活用中または推進中、検討中としている」と付け加えた。
生成AIの認知度や利用率が急速に高まっていることや、生成AIそのものの技術の進化に対応するため、スピード感をもったサービス開発や市場への提供が求められるが、単体の企業ではスピードもノウハウも不足しがちだ。
そこで、ベネッセの35年にわたる幼児教育のノウハウやナレッジ、コンテンツと、ソフトバンクのPepperなどに見られるコミュニケーション製品の企画力、ロボットや生成AIなどのノウハウやナレッジを持ち寄った共同開発の座組を考えたという。
橋本氏は「今の小さい子供たちがこれから生きていくのに必要な能力──コミュニケーション力、主体性、発信力、課題解決力は、言葉の豊かさを必要としている。その力を身につけるために何かできないかということを考えた」と、サービス開発の背景を語った。
ソフトバンクロボティクスの蓮見一隆氏(取締役 CMO)は、「ずっと愛されてきたIPのしまじろうをけがさせてはいかんということで、しまじろうが言わないような言葉の除外、しまじろうが使いそうな言い回しなどのプロンプト作業、ファインチューニングに苦労した」と言う。
子供の興味や関心を刺激する言葉を投げかけつつ、反応の薄かった話題や高い関心を示したテーマを学習することにより、子供が飽きずに会話をし、言葉を豊かにしていけるよう工夫した。また、あそびの内容も随時更新予定だという。
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