さいたま市教育委員会が「スマートスクールプロジェクト」を始動 日本マイクロソフトら4社と連携
「GIGAスクール構想」の先を見越して、さいたま市教育委員会がスマートスクールプロジェクトを立ち上げる。日本マイクロソフトや内田洋行など4社と個別に協定を締結し、11校を対象に「スクールダッシュボード」のプロトタイプを使って学校におけるDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進するという。
さいたま市教育委員会は10月31日、「さいたま市スマートスクールプロジェクト(SSSP)」の関連協力企業との連携/教育に関する協定調印式を実施した。調印式では、取り組みの分野別にベネッセコーポレーション(ベネッセ)、ライフイズテック(LIT)、日本マイクロソフト、内田洋行の4社と個別に協定書に調印を行った。
SSSPにおける取り組みの第1弾として、内田洋行が主導する形でマイクロソフトのクラウドサービス「Microsoft Azure」で稼働するさいたま市立学校向けの「スクールダッシュボード」のプロトタイプを構築し、11校で試験運用が実施される。最終的には、全ての同市立学校(※1)においてスクールダッシュボードの運用を目指すという。
(※1)小学校、中学校、高等学校、中等教育学校(中学校と高等学校を統合した学校)、特別支援学校
協定調印式に臨んだ代表者。左からベネッセの小林仁社長、LITの讃井康智取締役(最高教育戦略責任者)、さいたま市教育委員会の細田眞由美教育長(さいたま市 GIGAスクール構想推進本部会 本部長)、東京大学/慶應義塾大学の鈴木寛教授(SSSP共同研究会アドバイザー)、日本マイクロソフトの中井陽子執行役員(文教営業統括本部 統括本部長)、内田洋行の大久保昇社長
SSSPの概要
SSSPは、文部科学省が推進してきた「GIGAスクール構想」の先を見据えて、さいたま市教育委員会が独自に推進するデジタルトランスフォーメーション(DX)施策だ。2021年に同教育委員会が策定した「さいたま市教育アクションプラン(第2期さいたま市教育振興基本計画)」とも連動した取り組みで、さいたま市立学校における「学び方」「教え方」「働き方」についてDXを活用して改革していくという。
SSSPでは、大きく「学び方」「教え方」「働き方」の3点におけるDXを進めていくという。そのために、同教育委員会では東京大学/慶應義塾大学の鈴木寛教授をアドバイザーに迎る他、ICTに関わるインフラ、セキュリティやマネジメントに携わる「ITスペシャリスト」を特別職公務員として雇用する。
先日の通り、同教育委員会は民間企業4社と“個別に”協定を結んでいる。それぞれの企業がSSSPにおいて果たす役割は以下の通りとなる。
- ベネッセ
- 学校での学び方に関するデータ連携の検討と検証
- 家庭での学び方に関するデータ連携の検討と検証
- タブレット学習アプリ「ミライシード」の学習ログを活用した、効率的な学習内容の研究
- LIT
- プログラミング教育の教材提供(「Life is Tech! Lesson」を活用)
- Life is Tech! Lessonを使ったデータ取得と効果測定
- 教科横断的な学びのデザイン
- 日本マイクロソフト
- スクールダッシュボードの環境整備(Microsoft Azureを活用)
- 業務の整理/標準化/電子化の推進(「Microsoft 365 Education」を活用)
- 組織文化変革の推進
- 内田洋行
- スクールダッシュボードのプロトタイプの開発、相談/助言、情報提供
- 学習ポータル「L-Gate」による全システムの連結
- 校務支援システムを通した教職員の働き方改革の推進
プロジェクトの“中核”となるスクールダッシュボードは、先述の通りMicrosoft Azureの基盤を利用して内田洋行が開発を行う。ダッシュボードを使って学校、学級、児童/生徒個人の状況を把握しやすくすることで、教職員が児童/生徒と向き合う余力を生み出し、「個別最適な学び」と「探求的な学び」を実現することを目指す。
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