映像を生成AIでテキスト化! ネットワークカメラ「ATOM Cam GPT」を試して分かった実用性:山口真弘のスマートスピーカー暮らし(5/5 ページ)
スマートスピーカーやその関連デバイスについて、試行錯誤を繰り返しつつ、機能をバリバリ使えるようになる(予定)までの過程を、時系列でお届けする本連載。今回は、斬新なコンセプトを提示したアトムテックの新型ネットワークカメラ「ATOM Cam GPT」を試した。
コンセプトに完成度が追いついていない印象 今後の巻き返しに期待
以上のように、現状のATOM Cam GPTは微妙に評価に困る製品だ。従来のカメラとの比較でいうとナイトビジョンがないこと、画角が狭いことがネックで、さらに防水仕様のATOM Cam Swingと違って設置先が屋内に限られるという問題もある。
筆者は自宅に設置済みのATOM Cam Swingと「ATOM Cam 2」のどれかと入れ替える予定で購入したが、検討した結果どれの代替にもなり得ないと判断し、本稿執筆時点では宙に浮いてしまっている。
一方、新機軸の機能である文章生成は、映像の差分をきちんとテキスト化されるようになれば、例えば窓から屋外に向けて設置することで「黒い車が横切りました」とか、「赤い服を着た人が玄関に立っています」といった具合に、知りたい情報をテキストで通知してくれれば重宝しそうだが、現状ではその域に達しておらず、最終的にそこまでの完成度に到達するかは現時点で未知数だ。
ざっと試した限り、コンセプトは理解できなくはないが、実際の挙動が的外れであり、しかもそれが月額制の有料アドオンとなれば、ユーザー側としてもわざわざ人柱になる必然性がない。無料の試用期間を長くすればどうにかなるという問題でもなく、世に出すのが早すぎた製品という印象だ。
価格は8280円と、屋外対応かつナイトビジョンを搭載したパンチルト対応モデルであるATOM Cam Swingの5680円よりもかなり高い。本稿執筆時点では4980円という早割価格で提供されているが、つぶしの利かない製品ということもあり、わざわざ手を出す理由が見つからない。現状ではメーカー自身も方向性を見失っているように感じられ、今後どのように巻き返していくかに注目したい。
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