今PCを買うなら「AI PC」にしようと決めた理由 【実用レビュー 第3回】キーボードやタッチパッドは使いやすい? ビデオ会議はどうだ?(2/2 ページ)
日本HPから発売された「AI PC」の「Envy X360 Laptop 14-fc(インテル)」。個人向けノートPCの最上位モデルにあたる本機を試して分かったことをまとめた。
ビデオ会議では使いやすい? ついにNPU活用の場面も
入力面に続き、業務で利用する機会が多いのがビデオ会議だ。ZoomやMicrosoft Zoom、Meetといったツールは、今や仕事に欠かせない。社内や社外に関わらず、これらのツールにお世話になっている人は多いはずだ。
その観点で見ると、約500万画素(LAVIE NEXTREME Carbonは約200万画素)のWebカメラを搭載したEnvy x360 Laptop 14に軍配が上がる。LAVIE NEXTREME Carbonもヤマハのサウンドユーティリティー導入やさまざまな工夫がなされていたが、このあたりは日々進歩が進んでいる部分でもあり、発売時期が2年違うという月日は大きいと言わざるを得ない。
具体的には、Envy x360 Laptop 14の映像はより自然で、多少暗い環境でも無理のない映像を確保してくれる。音声もより肉付きが良くて明瞭だ。
また、NPUを活用する「Windows スタジオ エフェクト」で映像の自動フレーミングや背景ぼかしを行えたり、「Poly Studio」で音声出力のノイズ除去やマイクのノイズ低減/モード切り替え(会議/個人/スタジオレコーディング)も指定したりできる。
なかなか紹介の機会がなかった、本機が搭載するCPU「Core Ultra 7 155U」内蔵のNPUも、Windows スタジオ エフェクト利用時に活躍してくれる。ZoomやMicrosoft TeamsではNPUの使用率は25%程度だった(Windows スタジオ エフェクト併用時)。
逆に言うと、本機はSoCにSnapdragon Xシリーズを搭載した「Copilot+ PC」のようにテキスト入力による画像生成機能のフォトアプリに実装された「イメージクリエイター」や、ペイントアプリに実装された「コクリエイター」などは使えない。一般ユーザーがNPUを手軽に利用するのは、10月にWindows Insider向けに提供が始まる見込みの「リコール機能」など、まだ先になる。
かといって、本格的にNPUを利用したいユーザーにとっては、本機や他のCopilot+ PCを含めて40TOPS程度のNPUでは物足りないというのが現実だ。今後、OSやアプリのサポートは順次進む形になるが、「AI PCだから新機能を使える!」と思うのは早計なので注意しよう。
むしろ前回触れたように、普段活用している機能が自然にAIを使うなどユーザーに優しい実装が望ましい。
また、標準で「HP Enhanced Lighting」ユーティリティーが導入済みで、本機の液晶ディスプレイを照明代わりに利用できる。ライトの形状を円形(直径も選択可)や長方形にしたり、カラーを変更したり、透明度を変えたりと柔軟度は高い。
面接や面談、ここぞといったプレゼン時に重宝する機能だが、写真を見ても分かるように光量を優先するとディスプレイのほとんどが埋もれてしまい、同時にバッテリーの減りも顕著に増える。別途外付けのランプを使わずに映像品質をアップできる便利な機能だが、日常的に利用するのであればデュアルディスプレイ環境を用意した方がいいだろう。
次回はベンチマークテストなどを行い、今回のリプレースについてまとめていく予定だ。
(製品協力:日本HP)
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