コスパだけでなく品質も妥協なしの液タブ「Artist Pro 24(Gen 2)」シリーズをプロイラストレーターが試した(2/3 ページ)
プロイラストレーターのrefeiaさんが、23.8型の新型液晶ペンタブレット2モデルをチェックしました。今度の新モデルの出来栄えは?
ディスプレイ性能をチェック
さて、ディスプレイ性能もチェックしていきましょう。ここまでは4Kモデルと165Hzモデルは同じ内容でしたが、ここで2つのモデルを分けてチェックします。
まずは色域からです。どちらのモデルも広色域対応ですが、サポートする色域はわずかに異なります。4Kモデルが公称でsRGB 99%/Adobe RGB 99%/Display P3 98%で、165Hzモデルが公称 sRGB 99%/Adobe RGB 99%/Display P3 94%です。実際に計測しても、4KモデルはAdobe RGBとP3系の領域をごっそり含むのに対して、165HzモデルはAdobe RGBを優先してカバーする格好になっているのが分かります。
いずれも広色域の用途に十分使えると思いますが、よりこだわるならば4Kモデルを優先して検討するとよいでしょう。
実際に見た感じは、4Kモデルは当然ながら近くで見ても十分緻密です。165Hzモデルは2.5Kなので、近くで見ればドット感はあります。ただ、アンチグレア処理が程よく角を落としてくれるおかげなのか、23.8型の2.5Kという数字から想像するほどドットが気になりません。後にイラスト用途でチェックしようと思いますが、描いている間は気にならないんじゃないかと思います。
また、本機は「XPPen ColorMaster」というツールが提供されており、互換する測色器を持っていれば手軽にカラーキャリブレーションを行うことができます。基本的には出荷時のキャリブレーションを信用すれば良いと思いますが、さらにこだわりたい場合や、経年変化に対応しながら長年に渡って利用したい場合には心強いと思います。
さらに完成度が増したペン
本機に付属するペンは、もちろん最新の「X3 Pro」世代に属するペンです。
2本のペンは、16384段階の筆圧検知や傾き検知に対応しています。XPPenのペンはこれより前の世代でもずいぶん不満なく描けるようになっていますが、今回も2つの点で大きく進化していると思います。
1つが同社の古いペンの弱点だった、筆圧値が頭打ちになりがちなのが直っていることです。強い筆圧を検知する余裕ができていて、筆圧領域のコントロール幅が広がっています。
もう1つが、超軽い筆圧も自然に検知して、なおかつ指先のちょっとした力で調節しやすいことです。「触れた?」ぐらいの軽さからも反応しますが、そこからじんわり濃くしていくような調節が意図した通りにできます。これは以前に触ったことのある「X3 Pro」のモデルよりもさらに熟成が進んでいると思います。
また、最近では遅延感のある液タブは珍しくなっていますが、本機もちゃんと低遅延です。今回も、ブラシが通り過ぎた部分を線が通り過ぎるまでの時間を120fpsの高速度撮影で測る、という方法で遅延を測定していますが、いずれも問題ない値でした。
アドビの「Photoshop」やセルシスの「CLIP STUDIO PAINT」の軽いブラシで、120fps撮影において7〜8フレームぐらいならば、60Hzの普通のディスプレイとしては「ちゃんと速い」部類で、線がスルスルついてくる実感をもって描くことができます。しかし165Hzモデルはさらに上で、OSぐるみで遅延を詰めている描画ツールでは、ギョッとするほどぴったりついてきます。線の追従が気になりやすい人にはうれしい選択肢ですね。
大型機では重要な左手デバイス
自然な姿勢だとキーボードが使いづらい大型モデルでは、左手デバイスは非常に助かります。本機に付属するのはXPPenの液タブではおなじみになっている左手デバイス「ACK05」です。
Bluetooth/USBドングル/USBの有線接続に対応した1ダイヤル+10キーのデバイスで、4種類のダイヤル機能と4つのキーマッピングを切り替えながら使用できます。
提供:XPPEN Technology Co.
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia PC USER 編集部/掲載内容有効期限:2024年12月1日
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