サイズがバラバラのレシートや製本済み書類などを一気にスキャンできる新複合機、リコーが発売 PFUの技術を活用
これまで原稿ガラスで1枚ずつスキャンする必要があった不定形サイズのレシートや領収書などをストレートパス構造と独自の給紙搬送技術を採用したADFで1部ずつまとめて読み取れるようにした。
リコーは2月3日、不定形サイズの書類を自動原稿送り装置(ADF)でまとめて読み取れるなど、スキャン機能を大幅に強化した新型のA3フルカラー複合機「RICOH IM C6010SD/C4510SD/C3010SD」を発表した。2月14日に発売する。価格は213万円(税別)から。
これまで原稿ガラスで1枚ずつスキャンする必要があった不定形サイズのレシートや領収書、複数枚つづりの複写伝票、エンボス付きプラスチックカード、製本済みの書類などをストレートパス構造と独自の給紙搬送技術を採用したADFで1部ずつまとめて読み取れるようにした。
原稿サイズの検知や傾き補正も自動で行いデータ化できる。不定形サイズの帳票を読み取る際の細かな設定も簡易化しているという。ステープラー針などによる異常や用紙のヨレを音で検知したり、原稿の移動量で紙のたわみや重送を検知したりする原稿の保護機能も搭載している。
リコーは2022年9月、富士通傘下だったPFUを子会社化しているが、今回の新製品は同社とのシナジーによるものだと、PFUの本川浩永氏(ドキュメントイメージング事業本部 スキャナー開発統括部 統括部長)は説明する。
「PFUのfiシリーズで培った技術を惜しみなく注いでいる製品だ。業務用イメージスキャナーだからこその、洗練された独自の給紙搬送技術と性能を持っている」(本川氏)
開発の背景は
リコーがスキャン機能を強化した複合機を発売する背景には、中堅、中小企業のDXを推進するデジタルサービスに、新たなエッジデバイス(ハードウェア)の提供が必要不可欠であると判断したことがある。
中堅、中小企業には人手不足やDXによる生産性の向上、セキュリティの確保が大きな課題としてあるが、DXの過程で必要となる紙の電子化は重要な要素で、特に働き方が変わったコロナ禍以降は大きく増加しているという。
ただし、そうした業務の効率化には課題があった。ADFでは読み取れない不定形の書類を原稿ガラスを使ってスキャンした数が全体の18%(全業種)を占めており、1枚ずつスキャンするのは手間がかかってしまう。
新製品では、そうした手間を省くことで業務効率化に寄与できるという狙いがある。リコージャパンの三浦克久氏(デジタルサービス企画本部 オフィスプリンティング事業センター センター長)は「今回の商品は今までの複合機ではできなかったことができる。お客さまにしっかりアピールできれば、買い替えていただけると考えている」と自信を見せた。
左からPFUの本川浩永氏(ドキュメントイメージング事業本部 スキャナー開発統括部 統括部長)、エトリアの佐藤訓之氏(執行役員 BSP本部 OC事業センター 所長)、リコージャパンの三浦克久氏(デジタルサービス企画本部 オフィスプリンティング事業センター センター長)
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