自宅サーバにもアリな“モンスターNAS” HDD6台にM.2 SSDを2枚、さらに10GbE対応NICも2枚載る、UGREENの最上位モデル「NASync DXP6800 Pro」を試す(2/3 ページ)
日本国内で展開されるUGREEN NASyncシリーズは、「DXP2800」と「DXP4800 Plus」「DXP6800 Pro」の計3モデルだ。その中でもDXP6800 Proは最上位モデルとなっている。
ツールレスHDDトレイに光る工夫あり
NASyncシリーズは、全てのモデルがドライバーなどの工具を使わずにHDDを装着できるツールレストレイを採用している。
ツールレストレイは、最近のモデルであればどのメーカーでも採用しているので「特筆すべき点は無いのでは?」と思うかもしれない。筆者も実物を見るまではそう思っていた一人だ。
そんなことを思いつつ、実際にHDDを取り付けようとしたのだが、トレイが硬くうまくハマらない。「そんなまさか」と困惑していたところ、HDDトレイの裏側に「Press」と書かれたレバーがあったので、押し込んでみた。
するとHDDトレイの右側面が横に広がった。この状態でHDDをセットし、広がった側面を押し込むだけで取り付けが完了した。
よくあるツールレストレイは、トレイを少し曲げてHDDを取り付けるタイプが大半なので、いつも力加減に気をつかう。長時間利用していると、HDDトレイ自体が劣化してHDD交換時にトレイが割れてしまう恐れもあった。
その点、NASyncシリーズのツールレストレイは、HDDを無理せず取り付けられるので、心理的な安心感がある。一般的なユーザーからすれば単純に「取り付けやすくて良い」という感想にとどまるかもしれないが、エンスージアストから見ると非常に大きな“推し”ポイントに挙げられるレベルの特徴だ。
10G/マルチギガ対応のRJ-45ポートを2つ搭載
背面にはNASとして利用するのに必要十分なポートが用意されている。専用スマホアプリの「UGREEN NAS」で、NAS上に保存している動画を選んでディスプレイやテレビに映像出力できるHDMIポートが1基、USB 3.1 Gen 2 Standard-Aポートが1基、USB 2.0 Standard-Aポートが2基と、NASとは思えない充実ぶりだ。
さらに、下位モデルのDXP4800 Plusと違い、DXP6800 Proは10G/マルチギガ対応の有線LANポートを2つ備えている。
例えばDXP4800 Plusでリンクアグリゲーション(LAG)を構成すると、10G/マルチギガポートがダウンした際、副系のNICが2.5Gなので、パフォーマンスが一時的に低下してしまうが、DXP6800 Proであれば主系のNICがダウンしたとしても、パフォーマンスの低下を最低限に抑えられる。
メモリスロットとM.2スロットが2つ、まさに“モンスターNAS”
DXP6800 Proは外部インタフェースが充実しているだけでなく、高い拡張性を併せ持つ。背面のカバーを開けると、DDR5 SO-DIMMスロットが2つと、M.2 NVMeスロットが2つある。
DXP6800 Pro自体、最大で64GBのメモリを搭載できるため、32GBのDDR5 SO-DIMMを2枚挿せば、自宅仮想マシンとしては十分なメモリ量を確保できる。
M.2 NVMeスロットは、HDDで構成したRAIDアレイのキャッシュや、M.2 NVMeでRAID1アレイを構成し、仮想マシン用のストレージとして利用できるため、いわゆる自宅サーバ勢にとって非常にうれしい仕様となっている。
もちろん他のメーカーでも似たような構成を取れる製品が販売されているが、定価16万9880円で購入できる製品で、ここまでヘビーに使えるモデルはなかなか見当たらない。コストパフォーマンスの高さが光る逸品だ。
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