「MacBook Air」はM4チップ搭載で何が変わった? 実機を試して分かった買うべきユーザー層(2/3 ページ)
Appleで人気のノートPC「MacBook Air」に、M4チップを採用した新モデルが発売される。実機を林信行氏がチェックした。
MacBook Airの魅力を広げる2つの新機能とAI最適化
内蔵カメラが約1200万画素の超広角カメラになったことで、手元にあるものをビデオ会議に投影するDeskView機能が使えるようになった。かなり広い範囲が映し出されるが、解像度はやや荒い。また明るい光には弱いようで紙資料などの文字が飛んでしまう。明るさを調整できる環境で利用したい
MacBook Airは毎年モデルチェンジされるが、例年は処理能力が少し上がるくらいの差にとどまっている。一方で、これまでMacBook Proでしかできなかった機能をいくつか搭載している。
その1つがDesk Viewだ。色以外の見た目は2024年モデルと変わらないMacBook Airだが、実は内蔵のWebカメラが約1200万画素のセンターステージ対応の超広角カメラに進化している。このため、オンラインビデオ会議中に部屋の中を歩き回っていてもちゃんと自分が真ん中に映るように、自分の動きを追った上でズームしてくれる。
さらには、手元をアップで写すこともできる。ビデオ会議中、自分の顔ではなくデスクの上に置いた紙の資料や新製品など手元にあるものを投影したいことがある。この時、新型MacBook Airではそれらを手で持ってカメラの前にかざさなくても、Mac上に表示された入力ソースでDesk Viewを選べば、資料は机の上に置いたままの状態で、ちゃんとその資料の部分をクローズアップして上下の向きなどもそろえて投影してくれる。
新たに外部ディスプレイを最大2台まで利用できるようになった(クラムシェルモード不要)。ディスプレイはもちろん、モバイルプロジェクター(写真はこちらもAirということでAnkerから最近発売された「Nebula Capsule Air」)との組み合わせも使える
M4チップ搭載の新型MacBook Airから加わった新機能は、もう1つある。2台の外付けディスプレイのサポートだ。手軽に持ち出せる重量感で、帰宅したら大型ディスプレイ2台につないでデスクトップ機のようにして使うといった、自在な使い道に魅力を感じる人も少なくないだろう(M1/M2モデルは1台、M3モデルはクラムシェルモードにする必要があった)。
さらに今回、この新MacBook Airのターゲットユーザーに加わるのが、自分のPCで大規模言語モデル(LLM)を動かしたいと考えているAIの研究者や開発者たちだろう。
最近のMacのプロセッサは、Transformerと呼ばれる機械学習のアルゴリズムに最適化されていることから、ChatGPTなどのオンラインサービスではなく、自分のPC上でAIを動かす「ローカルLLM」を使いたいと考える人々の間でMacBook Proの人気が高まっていた。
これまでのMacBook Airでは少し荷が重かったAI処理が、機械学習の処理性能が上がったため、時々使うといったカジュアルなローカルLLMユーザーであればMacBook Airも現実的な選択肢になり始めたのだ。
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