ボタンの交換ギミックがユニークすぎる 最新Ryzenも選べるポータブルゲーミングPC「AYANEO 3」を試す(3/3 ページ)
AYANEO 3で選択できるRyzenに内蔵されたGPUは、Ryzen AI 9 HX 370であれば「Radeon 890M」、Ryzen 7 8840Uであれば「Radeon 780M」となり、デスクトップ向けGPUの「Radeon RX 7000シリーズ」と同じRDNA 3アーキテクチャをベースとしているため、意外と多くのゲームを快適に動かすことが可能だ。
モンハンワイルズも余裕で遊べるパフォーマンス
ここからは実際にいくつかのベンチマークテストやゲームタイトルを実行し、AYANEO 3のパフォーマンスをチェックしていこう。今回は純粋にゲーム機として、どこまでのゲームが遊べるかを確認するテストを行った。
モンスターハンターワイルズベンチマーク
まず真っ先に試したのがモンスターハンターワイルズ ベンチマークだ。今このタイミングで性能を測るとすれば、モンスターハンターワイルズが遊べるかどうかで購入を決めるという人は多いだろう。
設定はベンチマークを起動した際に自動的に選択された「プリセット:最低」のまま、内蔵GPUのRadeon 890Mでも利用できるフレーム生成を有効にしテストを行った。
結果は平均FPSで「71.24」となり、ベンチマークの判定は「問題なくプレイできます」となった。
さすがにデスクトップPCに専用のGPUを搭載した場合よりもスコアは低く、またグラフィックにも粗さは感じられる。だが、ポータブルゲーミングPCを使うシーンや、画面サイズ、画面までの距離を考えるとそこまで粗さが気になることもない。
むしろこれだけ動くのであれば、移動中やPCやテレビの前に構えてプレイする時間が割けないときでも、軽めのクエストを少し進めておくような遊び方ができる。AYANEO 3だけでプレイするというよりは、他の環境も用意しつつ、隙間時間でも一狩り行きたいときに使うとちょうどいいだろう。
Cyberpunk 2077
続いてのテスト発売から時間が経過した現在も、PCで遊ぶには重量級タイトルの定番である「Cyberpunk 2077」だ。
こちらはプリセットから「高」および「低」の2パターンでテストを行った。
「プリセット:高」では平均FPSが47.24、「プリセット:低」では平均FPSが89.11となった。さすがに高画質設定では60fpsを割ってしまうものの、オープンワールドを自由きままに散策しながら進めていくゲームとしては、そこまで動作に難があるようには感じられなかった。
もちろん戦闘やフィールドも場所によっては更にフレームレートが低くなることもあるため、プリセット:低や中といった、もう少し画質を落とした設定にすれば、重量級のゲームタイトルでもストレスなく遊べるだろう。
ARMORED CORE VI
もう1つ、ここ数年で話題になったゲームタイトルである「ARMORED CORE VI」もテスト対象として動かしてみた。
こちらはベンチマーク機能がないため、別途「CapFrameX」をインストールし、フレームレートの計測を行った。ARMORED CORE VI側の画質設定は「最高」に設定した状態で、120秒間の計測における平均FPSは「46.4fps」を記録した。
グラフィックのキレイさの割には軽量なタイトルなので、最高設定であってもまずまずのフレームレートを記録している。
ただ、やはり高速な戦闘シーンでは少しばかり動きにカクつきを感じることもあったため、実際に遊ぶ際にはもう少しグラフィック設定を落とすとよさそうだ。
話題作と重量級ゲームを実施に動かしてみると「意外と遊べる」というのが、AYANEO 3のパフォーマンスだ。これまでポータブルゲーミングPCは「ゲーミングと言いつつ、話題のPCゲームを遊ぶには非力」と思われるものが多い印象があったが、それを拭えるくらいの性能はあるといっていいだろう。
PCMark10(バッテリーベンチマーク)
では、これだけしっかりゲームが遊べるのはいいとして、ポータブルゲーム機として持ち運んでゲームを遊ぶ場合に、どれだけバッテリーは持続するのだろうか。PCMark 10のバッテリーベンチマークテストで「Gaming」を選択し、バッテリー駆動時間の計測を行った。
結果は1時間14分となり、これを短いとみるか、長いとみるかの評価は分かれそうだ。テスト内容はかなり重ためなので、今回ゲームパフォーマンスの評価に使ったような重ためのゲームタイトルを遊んだ場合は、このベンチマーク結果に近いバッテリー駆動時間になるだろう。
ただ、通勤や通学にかかる時間が長めだった場合、その片道分の時間くらいはバッテリーが持つともいえる。もちろん時間が短ければ往復分、バッテリー稼働で遊べるともいえる。
またUSB Power Delivery(USB PD)による充電にも対応しているので、モバイルバッテリーやスマートフォン用の充電器でもAYANEO 3の充電ができることを考えれば、バッテリーが減っても遊ばない時間で充電すれば問題ないとも評することができそうだ。
性能、バッテリー駆動時間、そしてUSB PDによる急速充電、この3つの要素で十分にAYANEO 3は「ポータブルゲーミングPC」を確立させていると言っていいだろう。
性能もカスタマイズ性も、ゲーマーを納得させる1台
ポータブルゲーミングPCの中でも定番のメーカー、モデルとなりつつあるAYANEO。これまでのモデルも他のメーカーにはないようなギミックや、高性能なSKUのCPUを積極的に採用してきているが、最新モデルとなるAYAENO 3も、これまでのモデル以上に驚く機能や性能に満足できる1台にまとまっている。
特にギミックの面ではMagic Moduleによる物理的なコントローラーのカスタマイズ機能は面白い。ボタン自体が外れるギミックで、ハードウェアとして少し剛性に不安を感じたりするのではと心配だったのが、実際に使ってみるとその心配は杞憂だった。
筆者自身は昔ながらの横スクロールアクションゲームが特に好きで、ジョイスティックよりも十字キーやABXYボタンが使いやすい方が好みのボタン配置だ。「ポータブルゲーミングPCで旧作のゲーム移植を移動中に遊べたら……」と考えてることは多いため、AYANEO 3であれば満足のいくキー配置で遊ぶことができそうで、今回のレビューを通じかなり物欲を刺激されている。
話題作のゲームも十分に動き、重量級のゲームももちろん遊べる。そして専用のソフトウェアでPCであることを気にすることなく、専用のゲームコンソールのように扱うことができる点など完成度も高い。
これからポータブルゲーミングPCを買うのであれば、AYANEO 3を選んでおけばまず不満が出ることはにないだろう。かなりオススメできる1台だと感じた次第だ。\
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