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情シス目線で見る、社用スマホとしての「iPhone 16e」 調達コストは約59%増加だが……(2/3 ページ)

社用スマホの調達を今後どうするか悩んでいる情シスの方や、決裁権者の方の参考になれば幸いだ。

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充電ポートはUSB Type-Cへ進化するも、MagSafeには対応せず

 iPhone SE(第3世代)は充電にApple独自のLightningケーブルを利用する必要があった。最近の社用PCはUSB Type-Cで充電するタイプも増えてきたため、社用PCと社用スマホを持ち運ぶ際に、それぞれ別々のケーブルを持ち運ぶ必要があった。

 しかし、社用スマホの充電もUSB Type-Cで済むようになると、持ち運ぶケーブルの数を減らせることや、消耗品の管理の観点からも効率化が図れるので地味にうれしいポイントだ。

 その反面、マグネットでワイヤレス充電器やスタンドにセットできるMagSafeが非搭載となっている。iPhone SE(第3世代)もMagSafeに対応していなかったため支障は無いはずだが、ITリテラシーが低い従業員は「新しいiPhoneであればMagSafeが使える」と勘違いする恐れがあるため、あらかじめ周知しておきたいところ。

廉価版ながら、最新「A18 SoC」で高いパフォーマンスを発揮

 iPhone SE(第3世代)が発売された当初、搭載されているSoC(プロセッサ)はiPhone 13と同じ「A15 Bionic」が採用されていた。iPhone SE(第3世代)が発売された当初は、iPhone 13と同様に快適動作すると感じられたが、2025年時点ではやや動作に引っ掛かりを感じるようになってしまった。

 ではiPhone 16eはどうかというと、iPhone 16に搭載されている「A18 SoC」のGPUコアを1つ無効化した物が採用されており、グラフィックパフォーマンス以外はiPhone 16と同等のパフォーマンスを発揮する。

 試しにiPhone 15 Proを利用していた頃から遊んでいるブルーアーカイブやポケモンGOをプレイしてみたが、GPUコアを1コア無効化したからといって、目に見えたパフォーマンス低下は見受けられなかった。

 比較的処理の重たいゲームがこれだけ快適に動作するのであれば、(そもそもゲームには使わない)社用スマホとして、性能の制限を何ら気にする必要はないと言っても過言ではない。

 もう1つ大きなポイントとして、iPhone 16eがApple Intelligenceに対応している点が挙げられる。Apple Intelligenceのハードウェア要件として、メモリ搭載量8GBを求めていることから、iPhone 16eもiPhone 16と同じく8GBメモリを搭載している。

 搭載されるメモリが増えることで、パフォーマンスの向上だけでなく、将来のiOSアップデートを適用しても、快適に動作することが見込まれる。より長い期間利用できる期待が高まっているということは、社用スマホとしてもiPhone SE(第3世代)以上に最適なモデルだと考えられる。

驚異的な省電力性能

 3nmプロセスルールで設計されたA18 SoCを搭載したiPhone 16eは、高いエネルギー効率を実現しており、iPhone SE(第3世代)と比較して最大40%のパフォーマンス向上を実現しながら、最大11時間長くビデオ再生できる脅威のバッテリー持ちを発揮する。

 iPhone 16eの省電力性能はA18 SoCだけでなく、Apple自社設計モデムの「Apple C1」も省電力性能向上の一端を担っているという。Apple C1はApple自社設計によりiOSとの最適化が強化されており、待機電力を極力減らせるような仕組みが取られている。

 確かにApple Siliconを搭載したMacBook Proは待機電力の消費が非常に小さくなっているものの、スマホの場合はそううまくいくのかとと正直訝しんでいたのだが、いざiPhone 16eをメインスマホとして利用してみると、その消費電力性能の高さには舌を巻く結果となった。

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一度充電してから2日は利用できる脅威の省電力性能に驚きを隠せない。

 筆者がiPhone 15 Proを利用していた際の充電スタイルは、就寝前に充電ケーブルを接続し、起床後に充電ケーブルを外して持ち運び、日中は充電せずに利用するというもの。

 会社のSlackや個人用のLINE、Gmailなどの通知をONにして、昼休みや終業後の余暇にSNSや、インターネットブラウジングをするといった使い方をすると、就寝時にはバッテリー容量が20%を下回っており、休日においては就寝時にはバッテリー容量が5%を下回っていた。

 この利用スタイルは変えずにiPhone 16eを利用したあと、バッテリーレポートを確認した結果が上図だがよく見てほしい。

 グラフの始まりである深夜3時の時点で、既にバッテリー残量が80%を下回っていることが見て取れる。そう、iPhone 16eを最後に充電したのは木曜日の晩のことだ。

 金曜日の朝に起床して日中は仕事に取り組み、昼休みや終業後の余暇にSNSやインターネットブラウジング、ポケモンGOをプレイしてそのまま就寝し、土曜日に外出して帰宅後就寝前に充電を開始した。

 なんとiPhone 16eは筆者の利用スタイルであれば、2日に1回の充電で済んでしまうという驚きの結果が得られた。

 金曜日は日中仕事をしていることもあって、iPhone 16eを触っている時間が少なく、待機状態(画面ロック状態)にしていることがほとんどだったため、約20%程度しかバッテリー残量が減っていないことを見ると、iPhone 16eに搭載されたApple C1の待機時消費電力の低さが際立つ。

 筆者も経験があるが、社用スマホを持っていると充電を忘れる事が多々あり、いざ使いたいときには電源が切れてしまっている、という場面によく遭遇していた。しかし、iPhone 16eであれば、1日放置してバッテリー残量がゼロになってしまった、という場面に陥らなくなるため、従業員としても安心して利用できる。

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