“5070 Ti Laptop”を搭載した14型有機ELゲーミングノート「ROG Zephyrus G14(2025)」の実力を検証:“モンハンワイルズ”は快適に動く?(2/3 ページ)
CPUとGPUが最新世代の製品に置き換わった「ROG Zephyrus G14(2025)」のパフォーマンスチェックをお届け!
GeForce RTX 5070 Ti Laptop GPUの実力は?
ここからは、実際にROG Zephyrus G14(2025)でさまざまなベンチマークテストを実行し、GeForce RTX 5070 Ti Laptop GPUの性能を確認していく。
比較用として、GeForce RTX 4070 Laptop GPUを搭載した「DELL Alienware x16」のスコアを掲載する。CPUなど異なる部分もあるため直接的な比較は難しいが、前世代のGPUを搭載するゲーミングノートPCと比べて、どのくらいの性能向上があるのかの参考にしてほしい。
3DMark
まずは3Dグラフィックスベンチマークにおける定番アプリ「3DMark」で主要なテストを実行してみよう。今回はDirectX 12をテストする「Time Spy」シリーズと、DirectX 11をテストする「Fire Strike」、そしてレイトレーシング性能を計測する「Port Royal」を実行し、パフォーマンスのチェックを行った。結果は以下の通りだ。
- Time Spy
- ROG Zephyrus G14(2025):1万2751ポイント
- DELL Alienware x16:1万1764ポイント
- Time Spy Extreme
- ROG Zephyrus G14(2025):6717ポイント
- DELL Alienware x16:5561ポイント
- Fire Strike
- ROG Zephyrus G14(2025):2万9596ポイント
- DELL Alienware x16:2万5648ポイント
- Fire Strike Extreme
- ROG Zephyrus G14(2025):1万7119ポイント
- DELL Alienware x16:1万3536ポイント
- Fire Strike Ultra
- ROG Zephyrus G14(2025):8421ポイント
- DELL Alienware x16:6874ポイント
- Port Royal
- ROG Zephyrus G14(2025):9046ポイント
- DELL Alienware x16:7177ポイント
全てのテストにおいて、ROG Zephyrus G14(2025)はGeForce RTX 4070 Laptop GPU搭載モデルのスコアを上回っており、約10〜20%の性能向上を確認できた。
特に高解像度でのテストになる「Time Spy Extreme」や「Fire Strike Ultra」では、最新世代のGPUでも4K解像度は少々厳しいといった結果になり、前世代や下位の製品と比べてスコアが伸び悩むことも多いのだが、GeForce RTX 5070 Ti Laptop GPUはしっかりと高解像度でもスコアを伸ばしている。
ファイナルファンタジー15 ベンチマーク
続いて実際のゲームをベースとするベンチマークソフトを実行し、ROG Zephyrus G14(2025)に搭載されたGeForce RTX 5070 Ti Laptop GPUの性能を見てみよう。
今回テストしたのは「ファイナルファンタジー15 ベンチマーク」だ。国産ゲームタイトルとしては2025年現在も重量級のゲームであり、快適に遊ぶとなると、それなりの性能を求められる。
テストでは解像度を「フルHD」「WQHD」「4K」に、画質設定は「高画質」を選択している。テスト結果は以下の通りだ。
- フルHD
- ROG Zephyrus G14(2025):1万2449ポイント
- DELL Alienware x16:1万1280ポイント
- WQHD
- ROG Zephyrus G14(2025):9167ポイント
- DELL Alienware x16:8454ポイント
- 4K
- ROG Zephyrus G14(2025):5383ポイント
- DELL Alienware x16:4714ポイント
3DMarkの結果に比べると差は小さいが、ROG Zephyrus G14(2025)のGeForce RTX 5070 Ti Laptop GPUは、実際のゲームをベースとするベンチマークでも性能向上を確認できた。
また、ベンチマークテストの実行時は超解像度スケーリングやフレーム生成を利用できる「DLSS」が無効になるため、GPUの負荷は大きい。この状態で画面が大きくカクつく、動きが重たそうに感じる場面はほとんどなかったため、実際のゲームプレイでもストレスなく遊ぶことができるだろう。
重量級のゲームタイトルでのパフォーマンスをチェック
ゲーミングPCの使い道として考えられるのは、ゲーム機(ゲームコンソール)の置き換えだ。現行のゲームコンソールを置き換える目的で導入するとなれば、それなりに「重たいゲームがちゃんと動くのか」が気になるだろう。
そこでPCで遊ぶには重量級と評されることの多い「サイバーパンク2077」「Microsoft Flight Simulator」「モンスターハンターワイルズ」をそれぞれ動かして平均フレームレートを出した。
サイバーパンク2077
サイバーパンク2077では、ゲーム内に用意されたベンチマークテスト機能で平均フレームレートを出した。
設定はプリセットの「レイトレーシング:オーバードライブ」、つまり一番重たい設定を選択し、ここにDLSSによる超解像スケーリングとフレーム生成を有効にした状態と、有効にしなかった状態の2パターンを、「フルHD」「WQHD」で計測している。結果は以下の通りだ。
- フルHD
- DLSSオン: 76.95fps
- DLSSオフ: 24.37fps
- WQHD
- DLSSオン: 61.71fps
- DLSSオフ: 14.02fps
いくら最新世代のGeForceとはいえ、ノートPC向けでは厳しいのではないかと思ったが、DLSSを有効にした状態ではどちらも平均フレームレートは60fps以上となり、ゲームコンソールで遊ぶのと遜色ない画質、パフォーマンスとなった。
超解像スケーリングは「低い解像度で出力されたゲーム画面を、高解像度に不自然なく引き延ばす」という仕組みだ。そのため映像の精細さは失われてしまうが、ROG Zephyrus G14(2025)の14型のディスプレイで見る限り、そこまで気になることはなかったことも付け加えておこう。
Microsoft Flight Simulator
今回テストに使用したMicrosoft Flight Simulatorは、最新版の2024ではなく1つ前のバージョンとなるが、それでもかなり動作は重たい。
テストはゲーム設定でディスプレイ解像度を「フルHD」「WQHD」とDLSSの有効、無効を組み合わせ、それぞれCapFrameXを使って120秒間の平均フレームレートを出した。結果は以下の通りだ。
- フルHD
- DLSSオン: 109.5fps
- DLSSオフ: 51.9fps
- WQHD
- DLSSオン: 102.71fps
- DLSSオフ: 50.4fps
こちらの結果も先に実施したサイバーパンク2077の結果に近く、DLSSの効果が大きい。オフの状態では60fpsを下回るが、激しいアクションを求められるゲームではないため、十分に映像が滑らかに動いていると思えるくらいには動作した。
モンスターハンターワイルズ
重量級ゲームのテストとして、最後に行ったのは「モンスターハンターワイルズ」だ。このタイトルで遊ぶためにPCのアップグレードやゲームコンソールからの乗り換えを考えている人は多く、発売から2カ月が経過した現在も「モンハンが快適に遊べるか」が、ゲーミングPCの選び方の指標の1つになっている。
テストは公式のベンチマークソフトを使い、最高画質設定かつフレーム生成をオン、そして解像度はフルHDとWQHDで計測を行った。結果は以下の通りだ。
- フルHD
- フレームレート:86.29fps
- スコア:1万4516ポイント
- WQHD
- フレームレート:73.29fps
- スコア:1万2475ポイント
モンスターハンターワイルズの結果も、十分に快適に遊べそうなものとなった。実際にプレイしている人からは「ベンチマーク以上に実際のゲーム中は重たいフィールドがある」とも聞いているが、最高画質設定でこれだけのフレームレートやスコアが出せるため、少しだけグラフィック設定を軽くするなどすれば、そうした重たいとされるシーンでも快適に遊ぶことができるはずだ。
ここまでのテスト結果の通り、GeForce RTX 5070 Ti Laptop GPUを搭載したROG Zephyrus G14(2025)は、これまでのゲーミングノートPCからさらに1段階、よりゲームを楽しめる性能を持っているといっていいだろう。
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