検索
インタビュー

なぜASUSはユニークなモデルを出し続けるのか? 「今後も果敢なチャレンジは続けていく」と語る同社幹部に聞くCOMPUTEX TAIPEI 2025(2/3 ページ)

「COMPUTEX TAIPEI 2025」の期間中、台湾ASUSTeK Computer(ASUS)の幹部が日本のメディア向けにグループインタビューを行った。同社の気になる動きをウォッチした。

Share
Tweet
LINE
Hatena

AI活用はまだスタート地点 ソリューション提案がカギ

―― AIをどのようにビジネスチャンスとして生かそうと考えていますか。また、どのように活用していこうとしていますか。

ピーター・チャン この2年、我々は既存デバイスへのAIのインテグレートを進めてきました。Copilot+ PCの要件を満たすPCや、GeForce RTX 50シリーズのGPUを搭載するPCを投入すると共に、AIノイズキャンセリング機能、「StoryCube」や「MuseTree」などのオリジナルのソフトウェアも導入してきました。

 さらに、この春はRyzen AI Max+ 395を搭載するPC(ROG Flow Z13 GZ302)をいち早く市場へ投入しました。(Ryzen AI Max+ 395の内蔵GPUが大容量のユニファイドメモリを利用できるため)大規模なパラメーターを備えたデータ容量のLLMを(インターネット上のサーバーではなく)PC単体で動作させることが可能になりました。これからハードウェアはさらにパワフルになり、より多くのことができるようになっていくでしょう。

―― Copilot+ PCに関して、ユーザーの傾向などがあれば教えてください。

ピーター・チャン Copilot+ PCに関しては、現時点では新しいテクノロジー、AIに強い関心があるアーリーアダプターの方が中心です。この10月にはWindows 10のサービス終了が控えており、PCのリプレースのタイミングで導入が進むことを期待しています。

―― Copilot+ PCの中で売上げが好調なモデルはありますか。

デビッド・チュー ずばり、Zenbook SORAです。こちらのモデルは日本市場向けに開発したモデルですが、とてもポジティブな反響をいただいています。ユーザーの50%以上は10代〜20代の学生や若い会社員の方という調査結果がありますが、薄型で軽量な素材(Ceraluminum=セラルミナム)、日本向けのアースカラーが好評です。小売店からも日本の市場にとても合っていると好評価をいただいており、次のモデルの開発にも着手しています。

ASUS JAPAN ASUSTeK Computer VIP インタビュー エグゼクティブ COMPUTEX TAIPEI 2025
ASUS JAPAN 株式会社 システムビジネスグループ コンシューマービジネス事業部 統括部長 デビッド・チュー(David Shu)氏

―― 御社のみではなく、PC市場全体の需要見通しについてお聞きします。コロナ禍を経て、2025年はWindows 10のEOSが控えており需要が見込めますが、その先についてはどのようにお考えでしょうか。

ピーター・チャン PC市場については楽観視しています。コロナ禍が終われば需要がなくなるのではないかという見方もありましたが、今でもリモート会議が行われているように、コロナ禍で変化した働き方、生活スタイルがPCの普及を後押ししています。これからAIの活用も進み、データ収集や創作にパーソナルなPCを使いたいという方はますます増えてくると思います。

―― 今後さらに市場が伸びていく上で、どのようなものが重要になってくると考えていますか。

ピーター・チャン AIをPCで活用するというところは、まだ始まったばかりという状況で、今の段階では勉強や調査の仕方が変わったという程度かもしれませんが、2年後には、このインタビューの取材の仕方や、皆さんの要約の仕方なども全然変わってくるのではないでしょうか。

 今後、そういったソリューションレイヤーをいかに使いやすい形で提供するかといったことが鍵になると考えています。既に一部はプラットフォームとして実装されていますが、まだまだユーザーフレンドリーな状況ではありません。そういった機能とソリューションを連携させ、融合させて提案/提供できるか、そこが鍵になってくると思います。

ASUS JAPAN ASUSTeK Computer VIP インタビュー エグゼクティブ COMPUTEX TAIPEI 2025
スリムな2in1 PCの「ROG Flow Z13 (2025) GZ302」。高性能GPUを統合したRyzen AI Max+ 395をいち早く搭載しており、データサイズの大きなLLMもローカルで動作できる
ASUS JAPAN ASUSTeK Computer VIP インタビュー エグゼクティブ COMPUTEX TAIPEI 2025
日本市場向けに開発されたAI PC「Zenbook SORA UX3407」。Copilot+ PCの中では最も売れ行きが好調で、20代〜10代の若者から支持されているという
ASUS JAPAN ASUSTeK Computer VIP インタビュー エグゼクティブ COMPUTEX TAIPEI 2025
Zenbook SORAは、グローバルではZenbook A14として展開中だ。写真は台湾の光華商場内にある看板

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

ページトップに戻る