PFUがAI時代を見据えた新ドキュメントスキャナー「ScanSnap iX2500」を発表 新開発のSoC「iiGA」(いい画)搭載でパワーアップ!(3/3 ページ)
PFUは6月24日にドキュメントスキャナー「iX2500」を発表した。発表会で語られた開発の背景なども含め、その様子をリポートする。
開発の背景にある「AI」
発表会に登壇したPFU 代表取締役 社長執行役員 平原英治氏は、PFUが「現場でリアルタイムに課題解決するためのエッジプロダクトとソリューションに強みを持つ会社だ」と述べてから、「現場で発生する紙をいかに簡単にデジタル化するか、という課題から生まれたのがScanSnapの歴史だ」とScanSnap誕生の背景について説明した。
「目指す姿は現実とデジタルの垣根をなくし、リアルと1つにつながるというもので、その第一歩がiX2500だ。これからも手軽に情報を入手できる社会の実現を目指していきたい」と抱負を語った。
iX2500の開発背景を語ったのはPFU 取締役 常務執行役員 宮内康範氏だ。「生成AIの台頭は目覚ましい」と述べた後、「とはいえ、AIの進化に不可欠な良質な学習データが2028年、早ければ2026年には枯渇するといわれている。AIが自らの成長を止めてしまうという懸念が持たれている」と語る。
PFUが着目したのは、良質な学習データの宝庫になりえる紙資料だ。「iX2500は、画像品質やスキャンスピードの向上、場所やデバイスを問わないハイブリッドワークスタイルに対応するような技術を備え、AI時代のニーズにかなう進化を遂げている」と宮内氏は語る。
「紙資料をスキャンしてOCRをかけ、テキストとして読めるようにするだけではなく、AIが学習に活用できる構造化データに変換していく必要がある。紙にある情報をAIに渡せるようにする。
そのためにドキュメントイメージング事業の方向を転換させる必要がある。ユーザーとAI、そしてPFUが共存共栄する社会を作り上げるよう進化するその形態の第一歩となる製品がiX2500なのだ」(宮内氏)
PFU ドキュメントイメージング事業本部 販売推進統括部 南萌々夏氏は、「今後はAIのパーソナライズ化が加速する」と前置きし、「それには身の回りのリアルな情報をデジタル化する必要があるが、紙にある情報をAIが理解させるのはハードルが高い」と現状の課題を取り上げた。
「iX2500はその架け橋になり得る存在だ。会社に眠っている紙資料をデジタル化することにより、これまで時間がかかっていた提案書や見積書の作成などが短時間で行えるようになる。プライベートでも、子どものプリント類や処方箋などをデジタル化しておけば、持ち物リストの自動作成、常備薬のリマインドなどへと活用できる。
生活動線上にScanSnapがあることで、アナログとデジタルの融合をいつどこでも行えて情報の価値を最大限に引き出し、快適で創造的な日常を送れる世界線を目指していきたい」(南氏)
PFUでは、PCまたは今後実装予定のスマホ連携によるMy ScanSnap機能の真価を発揮させるべく、「ScanSnap Spot協力パートナー」の募集をスタートさせた。これは、コワーキングスペースや商業施設、カフェ、学校、公共施設など紙をデジタル化したいと思うタイミングでScanSnapがそこにあるという世界を目指すものだ。
募集自体はまだ先だが、ウェイティングフォームが開設されており、このタイミングで登録すれば、ScanSnapの無料設置、ScanSnap Spotとして専用サイトで紹介といった特典が用意されている。
また、スキャンしたデータとAIを組み合わせることで生まれる価値についてのアイデアを募集する「SCAN to AI 価値創造アイデアコンテスト」も始まった。優秀賞にはPayPayポイント30万円分が、部門賞にはそれぞれ10万円分が授与される。
期間は第1期が9月30日まで、第2期は10月1日から2026年1月31までとなっている。詳細は募集ページを確認してほしい。
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