約26万円で買える“ちょうどいい”ゲーミングノートPC「TUF Gaming A16」を試す:ゲーミングノートPC ナビ(2/3 ページ)
「GeForce RTX 5060 Laptop GPU」を搭載したゲーミングノートPCの新モデル「TUF Gaming A16 FA608PM」のレビューをお届けする。
ベンチマークテストで性能をチェック
ここからはベンチマークテストなどを実行し、ASUS TUF Gaming A16 FA608UMの実際のパフォーマンスをチェックしていく。
本体の電源設定は「バランス」で、それ以外にもパフォーマンス設定を変更は行っていない。いわば“買ったままの状態”で、どのくらいの性能か検証する。
また参考値として画面サイズは異なるが、2024年モデルの「TUF Gaming A14 FA401WV」のスコアを掲載する。
TUF Gaming A14 FA401Wの構成だが、CPUはAMDの「Ryzen AI 9 HX 370」、GPUはNVIDIAの「GeForce RTX 4060 Laptop GPU」だ。CPUはTUF Gaming A16 FA608UMよりも上位であり、GPUは同クラスの1世代前を搭載と、比較対象としてはちょうどいいだろう。
CINEBENCH R23
3Dレンダリングを通してCPUの性能を確認する「CINEBENCH R23」を実行してみた。スコアは以下の通りだ。
- シングルコア
- TUF Gaming A16 2025:1767
- TUF Gaming A14 2024:2026
- マルチコア
- TUF Gaming A16 2025:1万6686
- TUF Gaming A14 2024:2万2532
純粋なCPUのみのテストでは、2024年モデルといえど同世代/上位モデルのTUF Gaming A14に搭載されたRyzen AI 9 HX 370が良好な結果を残した。動作クロックも高く、CPUコア数やスレッド数も多いため、それがそのままスコアに反映されたと見ていいだろう。
この差がこの後の各種テストに影響してくるか、そこを特に注意して見てもらいたい。
PCMark10
続けて、PCの総合ベンチマークテストアプリを試していく。まずは定番の「PCMark 10」の総合スコアだ。
- TUF Gaming A16 2025:7585
- TUF Gaming A14 2024:7946
PCMark10のテスト内容はブラウジングやオフィスソフトでのドキュメント作成、ビデオ会議や画像編集など「一般的なPC操作」でのパフォーマンスを計測している。
ゲーミングPCの強みであるGPUを生きるシーンも少なく、またCPUのコア数/スレッド数の多さの優位性も出づらい内容なので、両モデルのテスト結果の差は少ないものになった。
3DMark
3Dグラフィックスベンチマークにおける定番アプリ「3DMark」で主要なテストを実行してみよう。
今回はDirectX 12をテストする「Time Spy」シリーズと、DirectX 11をテストする「Fire Strike」、レイトレーシング性能をテストする「Port Royal」を実行し、パフォーマンスのチェックを行った。結果は以下の通りだ。
- Time Spy
- TUF Gaming A16 2025:1万1087
- TUF Gaming A14 2024:9171
- Time Spy Extreme
- TUF Gaming A16 2025:5346
- TUF Gaming A14 2024:4611
- Fire Strike
- TUF Gaming A16 2025:2万7593
- TUF Gaming A14 2024:2万1846
- Fire Strike Extreme
- TUF Gaming A16 2025:1万3290
- TUF Gaming A14 2024:1万934
- Fire Strike Ultra
- TUF Gaming A16 2025:6988
- TUF Gaming A14 2024:5591
- Port Royal
- TUF Gaming A16 2025:7000
- TUF Gaming A14 2024:5306
これまでのベンチマーク結果と違い、TUF Gaming A16がTUF Gaming A14のスコアを全てのテストで上回った。
さすがに3D単体のテストともなると最新世代のGPUの強みが出てくる。また、3DテストといえどCPUの性能差も影響するため、下位のCPUを積んだTUF Gaming A16でこのスコアであれば、TUF Gaming A14と同じCPUを積んでいる場合はさらにスコアの差は大きくなるだろう。
FF14/FF15ベンチマーク
実際のゲームではどうか。次に試したのは「ファイナルファンタジーXIV: 黄金のレガシー」「FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION」のベンチマークだ。
前者は今でこそ軽いゲームだが、MMORPGの定番ソフトでもあり、ゲーミングPCで何かしらのMMORPGを遊びたいとなれば、テスト結果としては分かりやすい指標になる。
後者は同じファイナルファンタジーでも、スタンドアロンでプレイする従来のRPGゲームだ。発売から年数は経過しているが、今でも国産タイトルとしては重たいゲームに分類されるため、ゲームコンソールとPCの双方で発売されるゲームタイトルを遊ぶ際の指標になる。
どちらも解像度はフルHD、グラフィックス設定はもっとも高い設定にしてテストを行った。結果は以下の通りだ。
- ファイナルファンタジーXIV: 黄金のレガシー
- TUF Gaming A16 2025:1万5198
- TUF Gaming A14 2024:1万4018
- FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION
- TUF Gaming A16 2025:1万1050
- TUF Gaming A14 2024:8240
こちらの結果も3DMark同様に、TUF Gaming A16の方が良好なスコアを記録した。ファイナルファンタジーXIV: 黄金のレガシーのスコア差が今までのテストに比べわずかなことが気になるが、GPUだけでなくCPUの影響が大きいゲームタイトルなので、ここはTUF Gaming A14のRyzen AI 9 HX 370が、GPU性能の差を埋めた結果といえるだろう。
それでいても、やはり下位のCPUを搭載していても、最新世代のGPUの組み合わせでスコアが伸長することがよく分かる結果だ。
この結果をふまえると、徐々にゲーミングノートPCの選び方も見えてくる。
大体の人はCPUとGPUをチェックし、より数字の大きな「上位モデルの組み合わせ」を予算が許す限り選びたいと考えると思うのだが、実は「下位のCPUと最新世代のGPUの組み合わせ」の方が、良好な結果を得られる可能性が高いことは覚えておいて損はないだろう。
あえてCPUを下位に抑えることで、PC本体の価格も抑え、その分でゲーミングデバイスなど周辺機器を充実させる買い方が、より快適にゲームを遊べる環境を整えやすいだろう。
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